かじき座

南天の星座

かじき座(かじきざ、旗魚座、Dorado)は、南天の星座の1つ。日本語では「かじき座」と呼ばれるが、実はモチーフとされている魚は「シイラ」である。南天の有名な銀河大マゼラン雲 (: Large Magellanic Cloud, LMC) の大部分は、この星座の領域に位置している。16世紀末にオランダの航海者ペーテル・ケイセルフレデリック・デ・ハウトマンが考案し、1598年ペトルス・プランシウスの天球儀に初めて描かれた。1603年ヨハン・バイエルの『ウラノメトリア』に描かれて世に広く知られるようになったことから、いわゆる「バイエル星座」の一つとされることもあった。

かじき座
Dorado
Dorado
属格 Doradus
略符 Dor
発音 [dɒˈreɪdo]、属格:/dɒˈreɪdəs/
象徴 the dolphinfish or the swordfish
概略位置:赤経 5
概略位置:赤緯 -65
正中 2月
広さ 179平方度 (72位
主要恒星数 3
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
14
系外惑星が確認されている恒星数 1
3.0等より明るい恒星数 0
10パーセク以内にある恒星数 2
最輝星 α Dor(3.28
最も近い星 ζ Dor;(37.96光年)
メシエ天体 0
流星群 None
隣接する星座 ちょうこくぐ座
とけい座
レチクル座
みずへび座
テーブルさん座
とびうお座
がか座
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特徴編集

3等星が1つ、あとは4等星以下と目立たない星座ではあるが、南端で接するテーブルさん座との境に大マゼラン雲が位置していることで知られている[1]

かじき座には黄道南極、つまり赤経 6h 00m 00s赤緯−66° 34′ 00″の点がある。バイエル符号のある恒星ではη1英語版が近いが、黄道北極のキャッツアイ星雲のように目立った天体はない。

日本国内では最南端の沖ノ鳥島でほぼ全体がぎりぎりで見え、民間人が行ける日本最南端の波照間島高那崎では星座の南端が見えない。北海道のほぼ全域では、星座の北端さえも見えない。

主な天体編集

恒星編集

固有名が付けられた恒星はなかったが、2019年に国際天文学連合が実施したキャンペーンで1つの恒星とその星を回る太陽系外惑星に固有名が付けられた。

  • WASP-62:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」で南アフリカ共和国に命名権が与えられ、主星はNaledi、太陽系外惑星はKrotoaと命名された[2]

上記以外に知られている恒星には以下のものがある。

大マゼラン雲内の天体編集

その他編集

  • CFBDSIR J214947.2-040308.9:低質量の自由浮遊惑星は、かじき座AB運動星団に属していると考えられているが、かじき座の方向にあるわけではなく実際はみずがめ座の方向にある。

由来と歴史編集

16世紀末に、オランダの航海者ペーテル・ケイセルフレデリック・デ・ハウトマンが考案し、1598年ペトルス・プランシウスの天球儀に初めて描かれた。印刷物としては1603年ヨハン・バイエルの『ウラノメトリア』が初出であったことから、いわゆる「バイエル星座」の一つとして知られるようになった[5]

星座名の Dorado は、元々カジキではなく「シイラ(dolphinfish (Coryphaena hippurus))」を指す。これはシイラが陸揚げされると金色に輝くことからラテン語で「金」を意味する言葉に由来して名付けられたものである。星図でもシイラがとびうお座を追い掛ける姿で描かれている[5]

1627年ヨハネス・ケプラーが編集した『ルドルフ表』に収録されている、ケイセルの観測を元にヤコブス・バルチウスが作成した南天星表では、「カジキ」を意味する Xiphias(メカジキ、swordfish)とされた。ヨハン・ボーデ1801年に作成した『ウラノグラフィア』 (Uranographia) でも Xiphias の名前で口吻の長い姿が描かれている[5]エドモンド・ハレーヨハネス・ヘヴェリウスも Xiphias を採用していたが[5]、1922年に国際天文学連合が星座の数と名称を定めた際には Dorado が採用され、現在に至っている。

出典編集

  1. ^ 原恵 『星座の神話 -星座史と星名の意味-』(新装改訂版第四刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、258-259頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  2. ^ Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月10日閲覧。
  3. ^ The Biggest Star in the Sky”. ESO (1997年3月11日). 2017年10月8日閲覧。
  4. ^ Bedding, T. R. et al. (1997). “The angular diameter of R Doradus: a nearby Mira-like star”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 286 (4): 957-962. arXiv:astro-ph/9701021. Bibcode1997MNRAS.286..957B. doi:10.1093/mnras/286.4.957. ISSN 0035-8711. 
  5. ^ a b c d Ian Ridpath. “Star Tales - Dorado”. 2022年10月22日閲覧。

座標:   05h 00m 00s, −65° 00′ 00″