金海市

韓国・慶尚南道の市

金海市(きんかいし、キメし)は、大韓民国慶尚南道沿海部の市。釜山広域市と道庁所在地昌原市の間に位置する。市のスローガンは「Gimhae for you」。区を持たない大都市である。

慶尚南道 金海市
首露王陵の墳丘
位置
金海市の地図
各種表記
ハングル: 김해시
漢字:
片仮名転写: キメ=シ
ローマ字転写 (RR): Gimhae-si
統計(2023年
面積: 463.3 km2
総人口: 533,659[1]
男子人口: 269,755 人
女子人口: 263,904 人
行政
国: 大韓民国の旗 大韓民国
上位自治体: 慶尚南道
下位行政区画: 1邑6面12行政洞
行政区域分類コード: 38070
金海市の木: イチョウ
金海市の花: ウメ
金海市の鳥: ガチョウ
自治体公式サイト: 金海市
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金海市庁

概要 編集

古代の駕洛国(金官伽耶)の故地であり、韓国最大の宗族・金海金氏本貫発祥地でもある。

茶道などに使う茶碗も産しており、金海地域で焼かれた茶碗は日本語読みで「きんかい」と読む(この場合の朝鮮語表記は긴까이〈キンッカイ〉である)。

2010年10月に人口が50万人を突破し、2017年4月末時点の人口は53万121人[2]昌原市に次いで慶尚南道で2番目に人口が多い都市である。市庁は府院洞に置かれ、1612行政洞を管轄している。

金海国際空港1976年の開港時には金海郡(金海市の前身の一つ)にあったが、1978年に釜山直轄市(現:釜山広域市)に編入されているため、現在同空港は金海市には存在しない。

歴史 編集

古代 編集

後に狗邪韓国(金官国)そして任那となる地域は、弥生時代中期(前4、3世紀)に入り従来の土器とは様式の全く異なる弥生土器が急増し始めるが、これは後の任那に繋がる地域へ倭人が進出した結果と見られる[3]

任那について倭が新羅や百済を臣民とした等と書かれている、広開土王碑日本軍改竄説が否定され、またいくつもの日本固有の前方後円墳が朝鮮半島南部で発見され始めたことなどから、近年ヤマト朝廷そのもの或いは深い関連を持つ集団によるこの地域の統治権、軍事統括権および徴税権の存在について認める様々な見解が発表されている。

金海市 編集

金海郡 編集

人口動態 編集

中心部のほか、市西部、北西部の進永邑に人口が集中している。 1996年に286,805人だった人口が、2001年に353,768人、2006年に453,728人と増加していき、前述のとおり2010年に50万人を突破(503,348人)した。

行政 編集

 
行政区域図

行政区域 編集

行政洞・邑・面 法定洞・法定里
東上洞 東上洞
会峴洞 鳳凰洞、西上洞
府院洞 府院洞
内外洞 内洞、外洞
北部洞 亀山洞、大成洞、三渓洞
七山西部洞 豊留洞、明法洞、二洞、花木洞、興洞、田下洞、江洞
活川洞 三政洞、漁防洞
三安洞 三芳洞、安洞
仏岩洞 仏岩洞、池内洞
長有1洞 柳下洞、内徳洞、釜谷洞、茂渓洞、新文洞
長有2洞 三文洞、大清洞
長有3洞 官洞洞、栗下洞、長有洞、応達洞、水佳洞
進永邑 内龍里、芳洞里、本山里、雪倉里、舎山里、新龍里、餘萊里、牛洞里、蟻田里、佐昆里、竹谷里、進永里、荷渓里
翰林面 明洞里、退来里、屏洞里、新泉里、龍徳里、安谷里、安下里、長方里、匙山里、佳洞里、佳山里、金谷里
生林面 羅田里、都要里、馬沙里、鳳林里、沙村里、生林里、生鉄里、安養里
上東面 甘露里、大甘里、梅里、墨方里、余次里、右渓里
大東面 槐井里、大甘里、徳山里、水安里、礼安里、月村里、鳥訥里、酒同里、酒中里、草亭里
酒村面 農所里、元支里、徳岩里、泉谷里、良洞里、内三里、仙池里、望徳里
進礼面 晴川里、詩礼里、松亭里、棗田里、新安里、新月里、山本里、松峴里、淡安里、古慕里

警察 編集

消防 編集

教育 編集

図書館 編集

(特記外は市立)

  • 金海図書館(慶尚南道教育庁が運営)
  • 進永図書館(慶尚南道金海教育支援庁が運営)
  • 七岩図書館
  • ファジョンクルセム図書館
  • 長有図書館
  • 進営ハンビッ図書館
  • 金海奇跡の図書館

観光地 編集

特産品 編集

出身著名人 編集

交通 編集

鉄道 編集

韓国鉄道公社(KORAIL)
釜山-金海軽電鉄

バス 編集

高速道路 編集

  • 南海高速道路(10号線)
    • 進永サービスエリア - 進礼インターチェンジ - 冷井ジャンクション - 西金海インターチェンジ - 東金海インターチェンジ
  • 南海高速道路第二支線(104号線)
    • 冷井ジャンクション - 長有サービスエリア(釜山方向のみ) - 長有インターチェンジ

航空 編集

金海国際空港は、釜山広域市に属するが金海市内からのアクセスも良好である。

姉妹都市・友好都市 編集

脚注 編集

  1. ^ 주민등록 인구통계 - 행정안전부”. 行政安全部. 2024年1月3日閲覧。
  2. ^ 김해현황 - 인구와 세대 김해시 홈페이지, 2017년 5월 7일 확인.
  3. ^ 石丸あゆみ「朝鮮半島出土弥生系土器から復元する日韓交渉 : 勒島遺跡・原ノ辻遺跡出土事例を中心に」『東京大学考古学研究室研究紀要』第25巻、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部考古学研究室、2011年3月、65-96頁、doi:10.15083/00027606hdl:2261/43794ISSN 18803784NAID 120003001453 
  4. ^ 김해 장유면 3개 분동 시의회 통과…행정절차 완료 CBS노컷뉴스, 2012.9.17.
  5. ^ 勅令第98号 地方制度改正件
  6. ^ 勅令第36号 地方制度官制改正件(1896年8月4日
  7. ^ 勅令第49号 지방구역 정리 건
  8. ^ 釜山江西区大渚1洞・2洞は1906年まで現在の釜山北区の区域とともに梁山郡に所属し、1906年に大上面(現・大渚1洞)と大下面(現・大渚2洞)は金海郡に、左耳面(現・釜山北区)は東萊郡に編入された。
  9. ^ 慶尚南道令第2号(1928年1月28日
  10. ^ 朝鮮総督府令第132号(1931年10月20日
  11. ^ 朝鮮総督府令第243号(1942年9月30日
  12. ^ 朝鮮総督府令第7号(1943年1月18日
  13. ^ 大統領令第6543号 邑設置に関する規定(1973年3月12日
  14. ^ 法律第3014号 亀尾市設置及び釜山市・慶尚南道間の管轄区域調整に関する法律(1977年12月19日)
  15. ^ 法律第3425号 광명시등시설치와군관할구역변경에관한법률(1981年4月13日
  16. ^ 釜山直轄市北区のうち、1978年に金海郡から編入された部分)と合併
  17. ^ 法律第4051号 부산직할시강서구설치및시·도의관할구역변경에관한법률(1988年12月31日
  18. ^ 法律第4948号 경기도평택시와 5개도농복합형태의시설치등에관한법률(1995年5月10日

外部リンク 編集