関係車両186台による多重事故

1992年3月17日に道央自動車道の恵庭IC - 千歳IC間上り車線で発生した追突事故

関係車両186台による多重事故(かんけいしゃりょう186だいによるたじゅうじこ)は、1992年平成4年)3月17日道央自動車道恵庭IC - 千歳IC間の上り車線で発生した追突事故[1]。日本国内において最大規模の多重事故となった[2]

関係車両186台による多重事故
日付 1992年3月17日
時間 8時45分頃 (JST)
場所 北海道千歳市 道央自動車道恵庭IC - 千歳IC間上り車線 長都川橋付近
別名 186台玉突き事故、千歳高速道路多重玉突き事故
原因 気象急変による視界不良、路面凍結を無視した速度違反・車間距離不足[1]
死者・負傷者
死者2名
重軽傷者108名
損害 車両186台
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概要編集

事故発生時、現場付近は小雪が降り、所々で地吹雪が発生していた。路面は2 - 3 cmの圧雪状態、先行車両が巻き上げる雪煙で視界が遮られていた。後に気象レーダーのデータを解析したところ、僅か10分ほどのことであるが100 mm/h相当の激しい降雪が局地的に確認された[3][4]

8時45分頃、道央自動車道上り線30.4キロポスト付近の長都川橋(おさつがわばし)付近で大型バスを追い越そうとしたライトバンが、そのバスの後部に接触。バスは速やかに減速進行し路肩に停止したが、ライトバンはそのまま走り去った。後続車数台は難無く走り去ったが、その後方で大型トラック乗用車、ライトバン3台による追突・衝突事故が発生。さらに後方で大型タンクローリーと大型バスが横向きになり道路を遮断し、次々に後続車が突っ込んだ。このように186台の車両が折り重なる状態で巻き込まれ、事故の先頭車両から最後尾までの全長はおよそ1.2 kmに達した[3]

事故の影響編集

事故発生時の視界不良に加え、現場は札幌市千歳空港苫小牧室蘭とを結ぶ北海道でも有数の大動脈で、平均速度が高い割に車間距離を十分にとらない運転が蔓延していた。また、自動車専用道路という空間で多重事故が起こった場合、エスケープゾーンが無いに等しく、車外に脱出した者は長時間危険と寒さに晒されることとなり、一部の者にはPTSDも確認されている。

事故直後は即座に現場付近は通行止めとなり、消防署および警察の緊急車両約70台、道路公団の作業車両約40台等が現地に駆け付けた。しかしいずれもその初動対応は事故の先頭および最後尾からのアプローチで、事故中間地点への到達が容易ではなかったため、後に対向車線(下り車線)側にも通行止めの措置が取られた。また、同事故においては警察のヘリコプターに医師が乗る形で(事前の訓練無しで)日本で初めてドクターヘリが高速道路へ出動する事例となった[3]

このほか、支援のため陸上自衛隊第七師団からも隊員が派遣された。

呼称編集

同事故を示す公式な呼称は特に決まっていないが、現場管理者であるNEXCO東日本が「関係車両186台による多重事故[1]」を用いているので本項で引用した。他には「186台玉突き事故」[2]、「千歳高速道路多重玉突き事故」[3]等。

脚注編集

  1. ^ a b c ノーモア多重事故キャンペーンNo.4 多重事故防止には規制速度の遵守が第一!! (PDF)”. NEXCO東日本(Internet Archive). 2018年8月8日閲覧。
  2. ^ a b 共同ニュース<あのころ>186台玉突き事故 雪の道央道 - 47NEWS
  3. ^ a b c d 山本保博; 鵜飼卓; 杉本勝彦 著、国際災害研究会 編 『災害医学』南山堂、2002年。ISBN 9784525411718 
  4. ^ 1992年3月17日道央自動車道衝突事故時の気象特性 - 自然災害研究協議会北海道地区部会 北海道地区自然災害科学資料センター室

関連項目 編集