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距離標(きょりひょう)とは、鉄道道路等の起点からの距離を表した標識の一つ。キロメートル単位で表しているものが多いことから、日本ではキロポストと呼ばれることも多い。

鉄道編集

 
東京駅1番線(中央本線)の0キロポスト

日本の鉄道の距離標には、示す距離によって甲号・乙号・丙号の3種がある。詳しくは鉄道標識#距離標を参照されたい。

起点には「0キロポスト」といわれる標識が置かれる。0キロポストは、他の距離標とは異なり意匠を凝らしたものが多い。中でも東京駅に置かれるものは著名である。ただし、「0キロポスト=正式な起点」とは限らないこともある。例えば、中央本線の起点駅は本来神田駅である。また、東武伊勢崎線は開業時の起点である北千住駅に0キロポストがある(運行上の起点は浅草駅であり、北千住 - 浅草・押上間は距離標がマイナスに振られている)。さらに、伊東線の起点駅は熱海駅だが、0キロポストは隣の来宮駅にある、などといった例がある。また、予讃線高徳線の起点である高松駅は駅が移転したため0キロポスト自体がなくなってしまった(0.3 kmから始まる)。

また、歴史的な経緯により同一路線内で数字が連続しないこと(山陽電気鉄道本線阪神なんば線など)や、数字がマイナスになっていること(前述の東武伊勢崎線のほか、西武新宿線などで見られる)もある。

道路編集

 
日本の高速道路の距離標(キロ数を表示)
 
都道府県道に設置されている距離標の例
 
インドネシア共和国バリ州バンリ郡の距離標。「DPS 47」は州都デンパサールまで47 kmを、「BGL 6」は右にバンリまで6 kmを、「PNL 14」は左にプヌロカン(キンタマーニ高原)まで14 kmを表す

日本では道路の距離標は高速道路、一般国道その他の主要な道路(都道府県道など)に設置され、路肩や中央分離帯などに設けられる。 通常は、その道路の起点からの距離値を表し[1][2]、事故の場所や渋滞の長さを示すためにも用いられる[3][1]

一般に1キロメートル (km) 毎に立ち、キロ数を表示する。道路によっては100メートルポスト(100メートル毎、距離値表示はキロ数と小数点第1位)も設けられるが、全く設置されていない道路も多く、設置の形態はさまざまである[3]。その形状も三角柱形、砲弾型、プレート型などさまざまなものがあり、特に一般国道の起点・終点の距離標の中にはモニュメントを兼ねたものもある[3]

日本の高速道路に設置される距離標は支柱上の横長の板で、緑地に白の文字でキロ数が書かれる[注釈 1]。多くはほぼ路線設計上の位置である中央分離帯に目立つ形で設置される。また100メートルポストも設置され、白地に緑色の文字で距離値が表示され、中央分離帯ではなく路側脇に小さく設置される。

一般国道など一般道に設置される距離標は特に形に決まりはないが、起点の地名とキロ数が書かれるものが多い[4]。かつては、黄色の柱の側面に黒い文字で距離の数字を書いたものであった。現在は、地形や気候に合わせていろいろな形状や大きさのものがある。右上の写真は以前の黄色い柱に起点からの距離を記した一般的な距離標である。現在でも数多くの場所で見られ、最も普及している距離標といえる。

起点は、市役所や町村役場前が起点となることが多く、役所が町はずれにある場合などは、繁華街や駅前など代表的地点が基準となる[4]。また、バイパスの開通などで、距離が変更になった後も距離標を直さずそのままとする例もある。特に旧道では、国道時代の距離標が残存していることもある。

一般の歩行者用のものとしては、大阪国道事務所御堂筋に設置したものなどがある。

鉄道の0キロポストに当たるものとして、かつては各市町村に道路元標が設置されていた。現在の道路法では道路元標の設置義務はないが、道路管理者が独自に設置した意匠を凝らした0キロポストが各地にある。ちなみに都道の0キロポストは青色の三角柱形。東京都中央区の日本橋の橋上には、全国の国道の距離標の起点として「日本国道路元標」が設置されている。

インドネシアでは、道路の起点・終点までのキロ単位の距離を示す石柱が、道路脇に立てられる。また、100m毎に1、2などと書かれた小さな柱が立てられる。

河川編集

 
多摩川河口から1 kmを示す距離標

河口または合流点からの距離を標示する標識が、一般に左右岸の堤防法肩に、概ね 100〜500m毎に設置されており、河川および河川敷の管理に利用されている。

たとえばなど河川敷に設けられる構造物の位置を表す際に、この距離標を基準にして位置が示される。ここで 17.8k +20mと表記する場合、河口より17.8kの距離標より20 m上流であることを示し、つまり河口より17 kmと820 mの地点であると分かる。

材質等に特段の規定はないが、錆びることなく劣化に比較的強い石柱がよく使われる傾向がある。また、近頃は河川敷が近隣住民の憩いの場として利用されていることへの配慮からか、大きな単位の距離標は目立つように設置される例も見られる。

距離標設置測量編集

距離標設置とは、後に実施される縦断測量、横断測量等のために、河川の河心線 (流心線ともいい, 改修ずみの河川では,左岸と右岸の堤防の法肩間の中央を連ねた線である。) に対して直角方向の両岸に、ほぼ等間隔に距離標を設置する作業をいい、距離標は次の要領で設置する。

1) 距離標は、河川の河口又は幹川の合流点をと河心線に対して直角方向に200m間隔で設置する。なお、距離標の間隔は河心線に対して直角方向とするため、右岸と左岸では距離間隔が異なる。

2) 距離標は、両岸の距離標間の見通しが利く必要があるため、提防法肩又は法面等に設置する。

3) 距離標の設置は、あらかじめ地形図上で位置を選定し、その位置をデジタイザなどで読み取り、その座標値に基づいて近傍の3級基準点等から放射法などにより設置する。

距離標は、将来起こり得る河床の変動状態の調査等の基準となるので、変動を受けない場所を選び設置している。

ギャラリー編集

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 例外もあり、北関東自動車道は紫地に白文字。

出典編集

  1. ^ a b ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 61.
  2. ^ 例外として諸事情により起点が0でないケースもある(例:高松自動車道高松西IC以東は起点の鳴門ICを100とし、高松西ICで距離標がリセットされて改めて0から始まる)。
  3. ^ a b c 佐藤健太郎 2014, pp. 182-183.
  4. ^ a b ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 62.

参考文献編集

  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8
  • ロム・インターナショナル(編)『道路地図 びっくり!博学知識』河出書房新社〈KAWADE夢文庫〉、2005年2月1日。ISBN 4-309-49566-4

関連項目編集