伊藤若冲『芦雁図』 18世紀。
雁を図案化した日本の家紋(二つ雁金)

(がん、かり、異字:鴈)は、カモ目カモ科ガン亜科水鳥のうち、カモより大きくハクチョウより小さい一群の総称。枕詞は「遠つ人」

東西で狩猟の対象であったが、日本では、急速な減少から保護鳥の対象となり、現在では禁猟。

日本ではマガンカリガネヒシクイなどが生息し、北海道宮島沼宮城県伊豆沼などに冬鳥として飛来する。また、日本宮城県の県鳥に指定されている。家紋の雁金紋(かりがねもん)として図案化され、小串氏、柴田氏真田氏などの使用がある。

ハイイロガンまたはサカツラガンを原種とする家禽はガチョウ(鵞鳥)と呼ばれる。

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美味であることから、近代以前の日本では広く食用とされた。ただし、個体数の減少から、1971年以降は狩猟が禁じられている。

兼好法師随筆徒然草』(14世紀前半)第118段にも雁肉は登場し、後醍醐天皇の時代には皇后のような社会の最上位層の人間にまで食べられていたことがわかる。同書によれば、中世日本ではキジが最も品位の高い鳥とされ、天皇・皇后の御湯殿上(女官の詰め所および簡易的な調理場)の棚の上に、調理前の死体の姿で置くことを許された鳥はキジだけだった。ところが、あるとき、後醍醐天皇の中宮(正妃)である西園寺禧子の宮殿の御湯殿上の棚の上に、キジより品位の劣る雁の死体がそのままの姿で置かれていた。それを見てびっくりした元太政大臣西園寺実兼(禧子の父親)は、末娘である禧子に散々お小言を食らわせたという。

四条流庖丁道の料理書である『四条流庖丁書』(15世紀)にも調理法が解説されている。

雁が登場する作品編集

関連項目編集

鳥の一般名の記事

カタカナ名の記事が自然科学的な内容を中心とするのに対し、一般名の記事では文化的な側面や人との関わりなどについて解説する。