鳥越 文蔵(とりごえ ぶんぞう、1928年8月28日 - 2021年4月5日[1] )は、日本国文学者・日本近世演劇研究者。早稲田大学名誉教授。元早稲田大学坪内博士記念演劇博物館館長。1997年紫綬褒章受章。妻は国語学者秋永一枝

略歴編集

長崎県佐世保生まれ。早稲田大学文学部卒、同大学院修了。早大教授を務め、1992年、『元禄歌舞伎攷』で芸術選奨文部大臣賞受賞[2]。1997年、紫綬褒章受章[2]。1999年、定年退職。

近松門左衛門の浄瑠璃を中心に、『梅若実日記』の編纂など、能、歌舞伎等伝統演劇の研究を行う。近松門左衛門作「出世景清」全段復活上演にも尽力した[2]。演劇博物館館長時代は同博物館の現代的運営に尽力する。歌舞伎学会初代代表委員も務めた。

佐渡市猿八に約2万冊の蔵書を寄贈した鳥越文庫がある[3]。寄贈のきっかけは、文弥人形で地域活性化を目指す教え子に共感したためである[3]。演劇関係だけでなく、様々なジャンルの書籍を収蔵しており、誰でも自由に閲覧できる[3]

1962年、ドナルド・キーンの推薦によりケンブリッジ大学で教鞭を執るために英国に渡った際、「大英博物館にえたいの知れない古い本がある。みてほしい」と現地の研究者に頼まれ、日本では現存しない浄瑠璃本「越後国柏崎 弘知法印御伝記」を発見した[1][4][5]。同書は貞享2年(1685年)ごろ上演された古浄瑠璃の本で、ケンペルが日本から持ち出したとされる[4]

年譜編集

著書編集

  • 『近松門左衛門 虚実の慰み』新典社 1989
  • 『元禄歌舞伎攷』八木書店 1991
  • 『能と歌舞伎』大東急記念文庫, 1992

編著編集

  • 『近松への招待』岩波書店 (岩波セミナーブックス)1989
  • 『歌舞伎の狂言 言語表現の追究』八木書店, 1992

校注等編集

脚注編集

  1. ^ a b c d 鳥越文蔵さん死去”. 朝日新聞デジタル (2021年4月7日). 2021年9月3日閲覧。
  2. ^ a b c 鳥越文蔵さん死去 近世演劇研究者、早稲田大名誉教授:東京新聞 TOKYO Web” (日本語). 東京新聞 TOKYO Web. 2021年9月22日閲覧。
  3. ^ a b c 鳥越文庫” (日本語). さど観光ナビ. 2021年9月22日閲覧。
  4. ^ a b 幻の浄瑠璃「弘知法印御伝記」英で発見、「地元」へ朝日新聞、2009年9月9日
  5. ^ ドナルド・キーンの東京下町日記 古浄瑠璃 英国との縁東京新聞、2017年3月5日
  6. ^ 鳥越文蔵氏死去 近世演劇研究者”. 時事ドットコム (2021年4月7日). 2021年7月18日閲覧。