34丁目-ハドソン・ヤード駅

34丁目-ハドソン・ヤード駅または単に34丁目駅 (34th Street – Hudson Yards, 34th Street) はマンハッタンウェストサイドにあるニューヨーク市地下鉄である。IRTフラッシング線に属し、ニューヨーク市地下鉄7号線の西端(地図上は南西端)にあたる。1面2線の島式ホームで、地上階とホーム階の間に2層のコンコース階がある。

34丁目-ハドソン・ヤード駅
NYCS 7 NYCS 7d
ニューヨーク市地下鉄
34 St-Hudson Yards Opening (21225342159).jpg
メインエントランス
駅情報
住所 34th Street & 11th Avenue, New York, NY 10001
マンハッタン
地区 ヘルズ・キッチン
ハドソン・ヤード
チェルシー
座標 北緯40度45分21.02秒 西経74度0分7.06秒 / 北緯40.7558389度 西経74.0019611度 / 40.7558389; -74.0019611座標: 北緯40度45分21.02秒 西経74度0分7.06秒 / 北緯40.7558389度 西経74.0019611度 / 40.7558389; -74.0019611
ディビジョン Aディビジョン(IRT)
路線 IRTフラッシング線
運行系統       7 Stops all times (終日) <7>Stops rush hours in peak direction only (22時までのラッシュ時、混雑方向)
接続 バスによる輸送 ニューヨーク市バス: M12, M34 SBS
バスによる輸送 高速バス: Megabus:M21–M28(12番街34丁目)、 BoltBusチェリーヒル・モールフィラデルフィアワシントンD.C.
Helicopter transportation: 西30丁目ヘリポート(12番街30丁目)
構造 地下駅
駅深度 38メートル (125 ft)
ホーム数 島式ホーム 1面
線路数 2
その他の情報
開業日 2015年9月13日(2年前) (2015-09-13
バリアフリー設備 バリアフリー・アクセス
他の出入口 34丁目-ハドソン・ブールバード
35丁目-ハドソン・ブールバード
次の停車駅


北側の隣駅 バリアフリー・アクセス タイムズ・スクエア: 7 Stops all times <7>Stops rush hours in peak direction only
南側の隣駅 バリアフリー・アクセス (終点): 7 Stops all times <7>Stops rush hours in peak direction only

この駅はもともとは2012年夏季オリンピックの招致の際に計画されたもので、2012年夏に開業する予定であったが、ニューヨークが選に漏れたため、開業は2013年11月まで先延ばしされた。2011年には駅構内のエスカレーターおよびエレベーターの設置遅れのため2014年6月開業予定となったが、その後もエレベーターや防火設備、保安設備の問題で何度も延期されて2015年9月13日にようやく開業した。34丁目-ハドソン・ヤード駅はニューヨーク市地下鉄において1989年以来の新駅[note 1][1] で、ニューヨーク市政府が費用負担して設置された駅としては1950年以来のものであった。

市と地下鉄を運営するメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ (MTA) のファー・ウェスト・サイド開発のマスタープランの一環として、IRTフラッシング線をタイムズ・スクエア駅から西へ11番街まで延伸し、そこからさらに南へ34丁目まで延伸した。もともとは、ニューヨーク・ジェッツの本拠地として、そして2012年夏季オリンピックのメインスタジアムとして計画されながら建設に至らなかったウェストサイドスタジアム英語版の計画に関連して提案されたものであった。スタジアムの計画は市と州の計画当局から却下されたものの、ニューヨークの政治指導者たちがハドソン・ヤード再開発計画の一環として8番街の西、34丁目より北の倉庫街の再開発を目論み、そのためには地下鉄が必要だとされたことから、地下鉄7号線の延伸が承認される運びとなった。また、駅の出入口から半ブロックのところには、2008年から2014年にかけて拡張工事が行われたジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンション・センターがある。

目次

歴史編集

計画と建設編集

 
建設中

1993年時点で、ニューヨーク市計画委員会英語版は「市の未来を形作る」(Shaping the City's Future) という報告書を書き、その中でかつては工業地帯で急速に発展しつつあったヘルズ・キッチンまでフラッシング線を延伸する検討を行った。メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ (MTA) でも、そのような延伸の可能性について検討を始めていた[2]。2001年の報告では、ニューヨーク市計画委員会はさらなる発展には地下鉄の延伸が不可欠であるとした[3]

通りに沿った長いブロックは、もっとも西側まで歩いて20分かかる。これに加えて、グランド・セントラル駅やそのほかマンハッタンの東側からの便利な交通手段がなく、ファーウェストサイドへはマンハッタンクイーンズ区ウエストチェスター郡コネチカット州などから労働者が通勤することが難しくなっている[3]

この計画は、ニューヨークの2012年夏季オリンピック招致の一環として再び提案された。ニューヨーク市は、国際オリンピック委員会が開催地を決める2005年7月以前に建設資金の目処をつけることを望んでいた。しかし、MTAの予算計画に不足があったこと、そしてそれ以前から計画があったIND2番街線イースト・サイド・アクセスの資金調達が重なったこともあって、MTAは延伸のための予算を捻出することができなかった[2]。また、ウェストサイド車両基地英語版の上に建設され、オリンピックのメインスタジアムとなる予定であったウェストサイドスタジアム英語版の提案が2005年に州議会に却下されたため[4]、ニューヨークはオリンピック開催地の選から漏れてしまった[5]

当時ニューヨーク市長であったマイケル・ブルームバーグにとって、延伸計画は依然として優先課題であった[2]。ブルームバーグは、2006年12月12日の自然保護のための有権者行動連盟英語版に対する演説の中で、市は2006年11月に地下鉄7号線の11番街-34丁目への延伸のための債券の発行を開始したと述べた[6]。延伸費用は、市の増加税収財源措置英語版債券の発行で賄われ、地下鉄延伸の恩恵を受ける地区の将来的な発展による固定資産税の増収分から償還される[7]。延伸費用は当初21億ドルとされていたが、10番街駅の見送りにより5億ドル浮いたにも関わらず結果的に24億ドルまで膨張した[8]

2007年10月に、MTAはJ.F.シー、スカンスカUSAシビル、シアボーンの3社で構成される合同企業体S3に対して、11億4500万ドルで2,100メートル (7,000 ft)の2本の単線トンネルを建設する契約を結んだ。この契約では、7号線の当時の終点であるタイムズ・スクエアから41丁目の下を11番街まで西に進み、そこから26丁目まで南下するトンネルを建設することになっていた[9][10][11]。リチャード・ダットナー・アンド・パートナーズ・アーキテクツが34丁目駅の設計を行った[12][13]。新しい駅の外郭を掘削し、トンネルの最初の300メートル (1,000 ft)を発破工法で掘削した後、2台のトンネルボーリングマシン (TBM) が据えられて残りの1,800メートル (6,000 ft)の掘削が行われた。TBMにより、掘削しながらコンクリート製の覆工セグメントを設置してトンネル内壁を構築していった[12][14]

2008年6月に、トンネルの建設が11番街に沿って開始された。MTAは2009年12月21日に、1台のTBMが34丁目駅の壁を破って貫通したと発表した[15]。2台のTBMとも、2010年春に所定のトンネル工事を完工する予定であった[16]

2011年4月に、MTAはトンネルや駅のコンコースおよびプラットホームに関する契約の85パーセントが完了し、機械・電気設備、電力、照明、軌道などに関する契約が2011年7月に結ばれる予定だと発表した[17]。こうしたシステム関連の契約は実際には2011年9月に結ばれた[18]。2012年5月にMTAは、延伸工事の65パーセントが完了し、最初のレールが敷設されたと発表した[19]。2013年8月までには、工事は90パーセント完了した[20]

 
2013年12月の式典の様子。話者の後方右側が当時の市長マイケル・ブルームバーグ、後方左側がマイケル・ホロドニチャヌ

2013年12月20日に、ブルームバーグ市長は延伸区間の記者公開に際して、ほぼ完成した駅まで記念乗車を行って、彼の市長としての成果の一部を誇示した[21][22][23][24][25]。しかし、列車の試運転が開始されたのは2015年6月になってからであった[26]

遅延編集

2012年1月の時点では、駅は予算の範囲内で建設が進んでおり、予定通り2013年には開業できると宣伝されていたが、その後プロジェクトは様々な遅延に苦しめられることになった[27]。この駅は当初は2012年夏季オリンピック招致の一環として計画されたもので、10番街駅英語版を含む2駅の延伸区間は2012年夏に開業予定であった。しかし、オリンピック開催地にはロンドンが選ばれたため、開業日は2013年12月まで先延ばしになった。それから間もなく、10番街駅は建設計画から外された[28]。2012年6月の時点では、2013年末までは試運転のみ行うとされた[28]。同月、駅の設備の設置遅れにより、開業は2014年6月に遅れることになった[29]

MTA建設部門のトップであったマイケル・ホロドニチャヌ英語版は2014年1月にニューヨーク・タイムズに対して、斜行エレベーターの設置工事が複雑なことからさらに3か月ほど遅れる見込みで、開業日は2014年の夏か秋の始めくらい[30]、あるいは11月になると述べた[8][31][32][note 2]。2014年3月の時点では、駅の開業予定日は依然として2014年11月であった[34]

 
駅のコンコース

さらに、2014年5月には斜行エレベーターがイタリアコモ県の工場での試験に失敗したため、開業がさらに遅れることになった[38]。公式発表ではエレベーターはイタリア製で、ソフトウェアや部品は通常ならイタリア国内の1社で製造しているところをアメリカ国内の数社で製造しているためだとした[38]。しかし、遅れの原因はエレベーターだけではなかった。総合防火試験はエスカレーター・エレベーター・階段を含むすべての駅設備が完成していなければ実施できないため、さらに開業が遅れることになった。エスカレーターとトンネル換気システムも遅れの原因になった[38]。 この時点で開業予定は2014年末頃とされていたが[note 3][39][40]、エレベーターや換気システムの問題のため2014年10月には2015年2月の開業になるとされた[41][42]。開業日は当初はハドソン・ヤードで最初のビルで2015年7月の開業予定だった10 ハドソン・ヤードよりも早いとされていた[43]

MTA は2015年2月24日までに開業すれば475万ドルのインセンティブを与えるとしていたが、この時点でそこまで遅れていた[44]。斜行エレベータは問題解決のためソフトウェアを修正して設置された。試験は11月までに終わるはずだった。3基の換気システムは2014年10月1日までには設置され、さらに2基が月末までに設置される予定であった[44]。11月17日には開業日は2015年2月24日になると確約され、標識や南側入口の屋根が建てられ始めた[45]。ところが、わずか1ヶ月後には MTA は斜行エレベーターが正しく動作しないため開業は2015年4月から7月にならないとできなくなったと発表した[46][47]。MTA は火災報知器や保安システムも遅延の要因であるとした[46][48][49]。さらに、ハドソン・ヤード再開発事業のデベロッパーであるリレイテッド・カンパニーズは、34丁目駅の真上に建設する55 ハドソン・ヤード英語版の基礎工事を、駅が開業する前に完工しなければならなかった[50]

2015年3月24日には、MTA は開業は再び遅れて2015年夏になると発表した。火災報知システムや保安システムにまだ問題が残っており、さらに第三軌条公共広告放送システム、換気扇、エスカレータやエレベータの試験もしなければならなかった[51][52]。2015年4月には駅は完成していたが、開業できなかった[53]。2015年6月15日にはまたも延期されて「2015年第3四半期末の前」になった[54]。その1ヶ月後、MTA は遅くとも2015年9月13日に開業すると確約し[55][56]、2015年8月28日になって開業日が確定した[57][58]。このとき MTA 会長のトーマス・プレンダーガストは、34丁目駅などのMTAキャピタル・コンストラクションのプロジェクトが数限りなく延期を繰り返したのは屈辱的なことだ、と述べた[1]


画像編集

注釈編集

  1. ^ 当駅の前に最後に開業したのはレキンシントン・アベニュー-63丁目駅、ルーズベルト・アイランド駅、21丁目-クイーンズブリッジ駅の3駅で、1989年10月27日のことであった。
  2. ^ この時点での開業日時は不明確であった。仮の開業日は文献によって異なり、2014年11月[8][33][31][34]、2014年の秋または冬[35]、2014年秋[36]、あるいは単に2014年とされていた[14][37]
  3. ^ この時点では正確な日程は明らかにされていなかった。

脚注編集

  1. ^ a b Fitzsimmons, Emma G. (2015年9月12日). “Subway Station to Open This Weekend, Bringing 7 Line to Far West Side”. The New York Times. 2015年9月13日閲覧。
  2. ^ a b c Mitchell L. Moss (2011年11月). “HOW NEW YORK CITY WON THE OLYMPICS”. Rudin Center for Transportation Policy and Management, Robert F. Wagner Graduate School of Public Service. New York University. 2015年9月11日閲覧。
  3. ^ a b Preparing for the Future: A Commercial Development Strategy for New York City : Final Report. Group of 35. (2001). p. 56. http://books.google.com/books?id=zY3LIAAACAAJ 2015年9月12日閲覧。. 
  4. ^ Bagli, Charles V. (2005年6月7日). “Olympic Bid Hurt as New York Fails in West Side Stadium Quest”. The New York Times. 2015年9月12日閲覧。
  5. ^ New York Comes in a Disappointing Fourth Place” (2005年7月6日). 2015年9月12日閲覧。
  6. ^ Hinderer, Katie (2006年12月13日). “NYC Mayor Outlines Long-Term Growth Plan”. GlobeSt.com. http://www.globest.com/news/801_801/newyork/151373-1.html 2010年2月28日閲覧。 
  7. ^ “City Raises $2 Billion in Bonds For No. 7 Line Extension”. NY1. (2006年12月7日). http://www.ny1.com/ny1/content/index.jsp?stid=5&aid=64913 2010年2月28日閲覧。 
  8. ^ a b c Readers Write: LI competing for transportation dollars” (2014年5月29日). 2015年5月29日閲覧。
  9. ^ “Transit Board Approves Funding For 7 Line Extension”. NY1. (2007年10月25日). http://www.ny1.com/ny1/content/index.jsp?stid=5&aid=74957 2010年2月28日閲覧。 
  10. ^ Top New York Projects (PDF)”. New York Construction. p. 27 (2008年6月). 2010年2月28日閲覧。
  11. ^ “Former Mayor Bloomberg and Governor Spitzer Announce Start of Construction on No. 7 Subway Extension” (プレスリリース), New York City Mayor's Office, (2007年12月3日), http://www.nyc.gov/html/om/html/2007b/pr437-07.html 2010年2月28日閲覧。 
  12. ^ a b No. 7 Subway Line Extension”. Richard Dattner & Partners Architects. 2012年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月28日閲覧。
  13. ^ Various Visions of the Future in NYC's First New Subway Station in 25 Years” (2015年9月15日). 2015年9月17日閲覧。
  14. ^ a b Capital Program 7 Line Extension”. MTA.info (2013年12月20日). 2014年1月30日閲覧。
  15. ^ “West Side Development Project Gets The Green Light”. NY1. (2009年12月21日). http://web.archive.org/web/20120407015716/http://bronx.ny1.com/content/news_beats/transit/110795/west-side-development-project-gets-the-green-light 2010年2月28日閲覧。 
  16. ^ Cuza, Bobby (2009年2月19日). “Crews Lower Giant Drill into 7 Line Tunnel”. NY1. オリジナル2009年5月5日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20090505113516/http://www.ny1.com/content/news_beats/transit/94220/crews-lower-giant-drill-into-7-line-tunnel/Default.aspx 2010年2月28日閲覧。 
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  22. ^ Bloomberg Takes Inaugural Ride on 7 Train Extension to Far West Side – Hell's Kitchen & Clinton”. Dnainfo.com New York (2013年12月20日). 2013年12月24日閲覧。
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  28. ^ a b Cuozzo, Steve (2012年6月5日). “No. 7 train 6 mos. late”. New York Post. http://nypost.com/2012/06/05/no-7-train-6-mos-late/ 2014年4月21日閲覧。 
  29. ^ NYCT gives Mayor Bloomberg ceremonial ride on 7 Subway Extension | Railway Track & Structures”. Rtands.com (2013年12月23日). 2013年12月24日閲覧。
  30. ^ More Delays and Rising Cost for Project Connecting L.I.R.R. to Grand Central Terminal”. The New York Times (2014年1月27日). 2016年2月25日閲覧。
  31. ^ a b Kabak, Benjamin (2014年2月27日). “7 line extension opening now projected for November”. Second Avenue Sagas. 2014年3月5日閲覧。
  32. ^ No. 7 train extension delayed”. The Real Deal (2014年1月27日). 2014年4月21日閲覧。
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  51. ^ Emma G. Fitzsimmons (2015年3月24日). “More Delays for No. 7 Subway Line Extension”. The New York Times. 2015年3月29日閲覧。
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  53. ^ Dennis Green (2015年4月29日). “A series of delays have kept a now fully completed subway station under Manhattan from opening”. Business Insider. 2015年5月7日閲覧。
  54. ^ Jose Martinez (2015年6月15日). “MTA: 7 Line Extension to Open Up Before End of Third Quarter”. NY1. 2015年6月20日閲覧。
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外部リンク編集

MTA 公式ウェブサイト:

写真集:

駅エントランス: