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グランド・セントラル駅

グランド・セントラル駅(Grand Central Station)はアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタンにあるターミナル駅である。正式名称はグランド・セントラル・ターミナル(Grand Central Terminal)。単に「Grand Central」とも。所在地はミッドタウンパーク・アベニュー42丁目の地点である。

グランド・セントラル駅
Grand Central Station Main Concourse Jan 2006.jpg
メイン・コンコース東側(2006年)
Grand Central Terminal
所在地 ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区42丁目89号
所属事業者 メトロノース鉄道
所属路線
駅構造 2層式地下駅
67線(上階41線、下階26線)
ホーム 高床44面(島式43面、相対式1面)
(6線は両面ホーム)
開業年月日 1871年
乗換 ニューヨーク市地下鉄:
NYCS-bull-trans-4.svg NYCS-bull-trans-5.svg NYCS-bull-trans-6.svg NYCS-bull-trans-6d.svg NYCS-bull-trans-7.svg NYCS-bull-trans-7d.svg NYCS-bull-trans-S.svg 系統
グランド・セントラル-42丁目駅
Local Transit ニューヨーク市バス: M1, M2, M3, M4, M42, M101, M102, M103
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Grand Central Terminal
定義されていません
Grandcentral terminal ny.jpg
Grand Central Terminal
座標 北緯40度45分10秒 西経73度58分38秒 / 北緯40.752813度 西経73.977215度 / 40.752813; -73.977215
建設 1903年
建築家 Reed and Stem;
Warren and Wetmore
建築様式 ボザール様式
NRHP登録番号 75001206
83001726(拡大)
指定・解除日
NRHP指定日 1975年1月17日
1983年8月11日(拡大)[1]
NHL指定日 1976年12月8日[2]
NYCL指定日: 1967年8月2日
グランド・セントラル駅の位置
グランド・セントラル駅の位置
グランド・セントラル駅
グランド・セントラル駅の位置

“マンハッタン3大ターミナル”(ほか2つはペンシルベニア駅ポート・オーソリティ・ターミナル)のうち最大のものである。駅近辺の鉄道はすべて地下を通っているため、44面67線の広大なプラットホームはすべて地下にある。

歴史編集

 
1880年の初代駅舎。
 
1902年頃の二代目駅舎。
 
1904年頃の二代目駅舎外装。
 
1904年頃の二代目駅舎内装。

メトロノース鉄道のグランド・セントラル駅は、通勤列車が多く発着するターミナル駅で、地下に29面のホームと、46の発着番線を持つ。マンハッタンを代表する歴史的建造物である。

1871年10月にニューヨーク・セントラル・アンド・ハドソン・リバー鉄道ニューヨーク・ハーレム鉄道そしてニューヨーク・アンド・ニューヘイブン鉄道により旧駅施設(グランド・セントラル・デポ, Grand Central Depot)が完成・開業した。この駅舎はJohn B. Snookが設計し、コーネリアス・ヴァンダービルトによる融資で建設された。

1899年から1900年にかけて、駅舎の大規模改装が行われた[3][4]。3階建てから6階建になり、ファサードも全面的に新しいデザインとなった。この駅舎の設計者は鉄道建築家のBradford Gilbertであった。この新しく改装された駅施設はグランド・セントラル・ステーション (Grand Central Station) と改名された[3][4]

現在の駅舎は、1904年に改装・修復工事が始まり、1913年2月1日グランド・セントラル・ターミナル (Grand Central Terminal) として開業した三代目の建物である。これは、1901年に建設が始まったライバルのペンシルバニア鉄道によるペンシルバニア駅に対抗するため、より豪華な駅舎を建てる必要があったためである。この建物は、古典主義風のボザール様式(アメリカン・ボザール)の建築物である。この建物の設計は、コンペで選ばれたReed and StemおよびWarren and Wetmoreによるものである。床面は大理石が使われ、天井には星座が描かれている。

1966年には、ペン・セントラル鉄道(ライバル同士であったペンシルバニア鉄道とニューヨーク・セントラル鉄道が合併した鉄道会社)によって高層ビルを建てるため、駅舎を取り壊す再開発計画が公表された。しかし、ニューヨーク市やジャクリーン・ケネディ・オナシスなどが反対し、連邦最高裁判所まで争った末に、計画は撤回された。1998年に再び内装をリニューアルオープンした。これは、この少し前に荘厳なボザール建築の旧ペンシルバニア駅舎マディソン・スクエア・ガーデン建設のために取り壊されたことにより、歴史建造物保存の機運が高まった結果であった。

1991年には、長距離旅客列車の運行を担うアムトラックの列車のうち唯一グランドセントラル駅に来ていたエンパイア回廊Empire CorridorNYCオルバニーバッファロー)の列車がエンパイア接続線(Empire Connection)の開通でペンシルバニア駅に移され、それ以降はメトロノース鉄道の中近距離列車のみがこの駅から発着している。

1999年8月18日には、45丁目から48丁目とパーク・アベニューまでの拡張であるグランド・セントラル・ノースが開業した。

2013年2月1日に駅舎生誕100周年を迎え、記念式典が開かれた。また併せて2014年に駅舎生誕100周年を迎える日本の東京駅と姉妹提携を結ぶことも発表された。日米両駅で姉妹提携を結ぶのは初めてである。

現在、2019年から2023年の開業を目標に、ロングアイランド鉄道の同ターミナルへの乗り入れ工事が進行中である[5][6][7]。(イースト・サイド・アクセス参照)

駅構造編集

線路

このターミナルには44のプラットフォームがあり、単一の駅としては世界最大である[8][9]。駅構内の位置に応じて線路番号が割り振られており、67の線路は通常の旅客用である[10]。上階には42の線路があり、1番線から10番線は現在は留置線として用いられている[11]。旅客用は東から西に11番線から42番線である。22番線から31番線は1990年代にグランド・セントラル・ノースのコンコース建設のために取り壊された。12番線は11番線から13番線の間のプラットホームを拡張する際に撤去された。14番線はゴミ運搬用の列車専用となっている。下階には東から西に100番線から126番線の27線が存在する。現在、102-112番線と114-116番線が旅客専用である。奇数番の線路は東側に、偶数番の線路は西側にある。[12]

116番線-125番線はロングアイランド鉄道の乗り入れプロジェクトイースト・サイド・アクセスのために撤去されることになっている[13]。ロングアイランド方面の線路は、301-304番線および401-404番線の8線が新設される予定である[14]

その他にも、プライベート専用線、61番線が同駅の地下に存在する。これはもともと、フランクリン・ルーズベルト大統領のために建設されたもので[15]、この線路専用の入り口とエレベーターが存在する。彼の死後も時折使用されている[16][17]。この路線はウォルドルフ=アストリアへとつながっており[18][19]:67、1929年のニューヨークタイムズに最初に記載されたが、最初に使用したのは1938年のジョン・パーシングである[20]

駅構内

駅構内の中央は、東西84メートル (275 ft)、南北37メートル (120 ft)、高さ38メートル (125 ft)のコンコースとなっている[3][4][21]:74。日中は多くの人でごった返しており、待ち合わせ場所としてもよく使われる[22]。メイン・コンコース内にはチケット販売ブースが設置されているが、現在では駅構内各所に散らばる券売機が主に用いられており、このブースは別の用途で用いられるようになっている[22]。メイン・コンコースの中央には駅のメイン・インフォメーション・センターが置かれている[22]。このインフォメーション・ブースの屋根の上には四面の真鍮の時計が設置されている。これはHenry Edward Bedfordによるデザインで、コネチカット州ウォーターバリーで鋳造された[22]。四面のそれぞれの時計盤には直径61センチメートル (24 in)のオパール様のガラス(オパール・ガラスまたはミルク・ガラスとも呼ばれる)がはめ込まれている[23]。都市伝説では、これは本物のオパールでサザビーズクリスティーズは1000-2000万ドルの価値があると推定しているという話がある。ブース中央の大理石と真鍮でできた塔には秘密の隠し扉があり、内部には地下のインフォメーション・ブースへとつながる階段がある。

メイン・コンコースの天井には高さ38メートル (125 ft)のプラネタリウムを想像させる星座が描かれている[19]:57。この星座を描くとき、鏡に映しながら描いたため裏返しの星座が描かれている。これは天球を外側から俯瞰した、神の視点による星座を表現している。これは、Whitney Warrenポール・セザール・エリューによる発案で、James Monroe HewlettとCharles Basingが施工した[24]

メイン・コンコースの周囲には乗り場へとつながる階段やホールがある。また、メイン・コンコース内には電車のスケジュールを随時表示する掲示板が設置されている。

駅構内には、数々のショップやレストランなどもそろっている。代表的なものは、アップル・ストアオイスターバー(同駅内で最も古くから続いている店)、マイケル・ジョーダン・ステーキハウスシェイク・シャックなどである。メイン・コンコースの地下はダイニング・コンコースとなっている。メイン・コンコースの東側にはグランド・セントラル・マーケットという食料品市場がある。また、ニューヨーク交通博物館の別館も同駅構内にある。

ヴァンダービルト・ホール (Vanderbilt Hall) は、メイン・コンコースの隣42丁目側にある多目的ホールである。出入り口はパーシング・スクエアの地点にある。その名前は、同駅の出資者で所有者であったヴァンダービルト家から付けられている。以前は駅のメインの待合室だったが、現在はクリスマス・マーケットや特別展示、またはプライベート・イベントなどを行うスペースとなっている。

キャンベル・アパートは、エレガントなカクテル・ラウンジで、43丁目とヴァンダービルト・アベニューのすぐ南に入り口がある。かつては1920年代の実力者ジョン・キャンベルのオフィスであった。これは13世紀のFlorentine palaceのギャラリー・ホールを模して建設された[25][26]

グランド・セントラル・ノースは、45丁目から47丁目および48丁目の間にある同駅に通じるエリアである[27]

駅外装

42丁目側の正面ファサードには4.0メートル (13 ft)の時計が飾られており、この時計には世界最大級のティファニーのガラス細工がはめ込まれている。このガラス細工の周りは商業の栄光 (Glory of Commerce) と呼ばれる彫刻群が取り囲んでいる。この中の三体の像はミネルウァヘラクレス、そしてメルクリウスを表している。この彫刻はフランスの彫刻家Jules-Felix Coutanによるデザインで、John Donnelly Companyによって制作された。1914年にこの彫刻が公開された時、この15メートル (48 ft)の三体の像は世界で最も大きい彫刻群であると見なされていた。

駅から発着している鉄道編集

隣接している駅編集

地下鉄

引き込み線編集

近隣にある高級ホテルであるウォルドルフ=アストリアへの引き込み線がつながっており、過去にはフランクリン・D・ルーズベルト大統領やアドレー・スティーブンソン国連大使などが使用していたが、現在は使用されていない。

周辺施設編集

日本人にとってのグランド・セントラル駅編集

在留日本人には、しばしば「グラセン」との略称で呼ばれる。

グランドセントラル駅から発着するメトロノース鉄道沿線、ウエスト・チェスター郡などは住環境が良好であり、日本人駐在員なども多く居住している。1980年代後半頃には、グランドセントラル駅を夜10時半から11時頃に出発する電車には、それら郊外の住宅地に帰宅する日本人ビジネスマンの姿が多く見られ、「オリエント・エクスプレス」とも揶揄された[28]。それらのビジネスマンは電車内で、そろって日本経済新聞を読んでいたという[28]

ギャラリー編集


脚注編集

  1. ^ National Park Service (2007-01-23). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service.
  2. ^ Grand Central Station”. National Historic Landmark summary listing. National Park Service (2007年9月11日). 2007年10月11日閲覧。
  3. ^ a b c Roberts, Sam (2013年1月18日). “The Birth of Grand Central Terminal”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2013/01/20/nyregion/the-birth-of-grand-central-terminal-100-years-later.html?pagewanted=all 2015年11月8日閲覧。 
  4. ^ a b c Sam Roberts (22 January 2013). Grand Central: How a Train Station Transformed America. Grand Central Publishing. ISBN 978-1-4555-2595-9. http://books.google.com/books?id=DgYvB8G9higC. 
  5. ^ Redwine, Tina (2011年7月7日). “NY1 Exclusive: East Side LIRR Terminal under Construction for 2016”. NY1. http://www.ny1.com/content/news_beats/transit/142471/ny1-exclusive--east-side-lirr-terminal-under-construction-for-2016 2011年7月8日閲覧。 
  6. ^ Donohue, Pete (2009年7月21日). “Second Avenue Subway Setback: New Hurdles Will Likely Push Phase One Completion from 2015 to 2017”. Daily News. http://articles.nydailynews.com/2009-07-21/local/17928231_1_grand-central-terminal-mta-trains 2010年1月9日閲覧。 
  7. ^ Castillo, Alfonso A. (2014年1月27日). “East Side Access completion date extended -- again”. Newsday. http://www.newsday.com/long-island/east-side-access-completion-date-extended-again-1.6889133 2014年3月5日閲覧. "The MTA's monumental East Side Access project to link the Long Island Rail Road to Grand Central Terminal could carry a price tag $2.6 billion over budget and not be completed until 2023, four years behind schedule, according to a new report." 
  8. ^ Haikalis, George (2006年11月11日). “Regional Rail Working Group: Streamlining Access to Grand Central Terminal”. Auto-free.org. 2014年2月3日閲覧。
  9. ^ Grand Central Terminal”. nyctourist.com. 2016年3月3日閲覧。
  10. ^ Unknown Grand Central Terminal, New York City, New York”. Interesting America. 2016年3月3日閲覧。
  11. ^ http://www.gricer.com/gct/1-line-a.pdf
  12. ^ http://www.gricer.com/gct/1-line-b.pdf
  13. ^ "Grand Central Terminal Outline of Existing Tracks and Platforms" MTA.info
  14. ^ "Interlocking Preview: ESA", The LIRR Today ( 要購読契約)
  15. ^ “The secret below Grand Central Station”. BBC News. (2009年1月16日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/7830369.stm 2009年1月17日閲覧。 
  16. ^ Joseph Brennan (2002年). “Grand Central Terminal, Waldorf-Astoria platform”. 2014年5月2日閲覧。
  17. ^ Forrest Wickman (2014年5月1日). “Is the Secret Subway in the New Spider-Man Real? Explained.”. Slate. http://www.slate.com/blogs/browbeat/2014/05/01/fdr_secret_subway_in_the_amazing_spider_man_2_the_hidden_train_station_used.html 
  18. ^ “Neglected and rusting deep below Grand Central station, the armoured train that helped heroic Roosevelt keep his polio secret”. Daily Mail. (2011年3月4日). http://www.dailymail.co.uk/news/article-1358385/Rusting-deep-Grand-Central-station-armoured-train-helped-heroic-President-Roosevelt-polio-secret.html 2012年2月15日閲覧。 
  19. ^ a b Belle, John; Leighton, Maxinne Rhea (2000). Grand Central: Gateway to a Million Lives. New York: Norton. ISBN 0-393-04765-2. 
  20. ^ Grand Central Terminal, Waldorf-Astoria platform”. 2009年11月18日閲覧。
  21. ^ Solomon, Brian; Mike Schafer (2007). New York Central Railroad. Saint Paul, MN: MBI and Voyageur Press. ISBN 9780760329283. OCLC 85851554. http://books.google.com/books?id=mELYxgFA8AYC. 
  22. ^ a b c d "One Place Really Is as Busy as Grand Central Station: The Cliche Has the New York Terminal's Name Wrong, but Its Character Just Right". Los Angeles Times. (November 24, 1985). Retrieved 2013-07-26.
  23. ^ Schumach, Murray (1954年1月20日). “Central Derails its 4-Faced Clock”. The New York Times: p. 29. http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=9A05E5D8173AE53BBC4851DFB766838F649EDE 2014年2月3日閲覧。 
  24. ^ “Central Terminal Opening on Sunday”. The New York Times: p. 13. (1913年1月29日) 
  25. ^ Campbell Apartment Bar in New York”. 2007年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月3日閲覧。
  26. ^ Gray, Christopher (1994年1月9日). “Grand Central Terminal; In a Forgotten Corner, a Curious Office of the 20's”. The New York Times. http://www.nytimes.com/1994/01/09/realestate/streetscapes-grand-central-terminal-forgotten-corner-curious-office-20-s.html 2011年7月4日閲覧。 
  27. ^ Finkelstein, Katherine E. (1999年8月19日). “Passageway Easing Exit Is Opened At Terminal”. The New York Times. http://www.nytimes.com/1999/08/19/nyregion/passageway-easing-exit-is-opened-at-terminal.html 2011年7月2日閲覧。 
  28. ^ a b 常盤新平 『キミと歩くマンハッタン』 講談社、1988年、p117

外部リンク編集