Doom 64』(ドゥーム64)はミッドウェイゲームズNintendo 64向けに開発・発売した1997年のファーストパーソン・シューティングゲームであり、1994年に発売された『Doom II』の続編[1]

Doom 64
ジャンル ファーストパーソン・シューティング
対応機種 Nintendo 64Microsoft WindowsNintendo SwitchPlayStation 4Xbox OneStadia
開発元 ミッドウェイゲームズ
Nightdive Studios (再発売)
発売元
デザイナー
  • Randy Estrella
  • Timothy Heydelaar
  • ダニー・ルイス
プログラマー Aaron Seeler
音楽 オーブリー・ホッジズ
美術 Sukru Gilman
シリーズ Doom
人数 シングルプレイヤー
発売日
  • Nintendo 64
    • 日本 1997年8月1日
    • アメリカ合衆国 1997年4月4日 (1997-04-04)
    • PAL 1997年12月2日
  • Microsoft WindowsNintendo SwitchPlayStation 4Xbox One
    • WW 2020年3月20日
  • Stadia
    • WW 2020年5月12日
対象年齢 CEROZ(18才以上のみ対象)
エンジン id Tech 1
Kex Engine(再発売)
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リマスター版が2020年3月にWindowsNintendo SwitchPlayStation 4Xbox OneSteam向けに発売され、同年5月にStadia向けにも発売された。

ゲームプレイ編集

画像外部リンク
  ゲームの最初のステージであるStaging Areaにおいてチェーンソーを振り回すプレイヤーに接近するデーモン。武器やモンスターグラフィックなどの全てのビジュアルアセットはDoom 64独自のものである

プレイヤーは32のステージでデーモンと戦い武器やキーを集め、致死的な待ち伏せやトラップを生き延びつつスイッチを起動してステージの出口までたどり着く。

『Doom 64』で使用するためにDoomエンジンに変更が加えられ、ゲームプレイ要素が変更された。本作は日本語版も存在しており、日本語版では「チェーンソーダ! キリキザメ!」といった感じで、ログの部分のみカタカナで表記されるようになっている[1]。また、日本語版では敵にダメージを与えた時の出血による血の色が赤色から緑色に変更されている。

武器編集

Doom II』の全ての武器は本作でも登場するが[2]、新たなスプライトと効果音で再描画されている[3]チェーンソーの刃は一つではなく二つになっており、拳には真珠のナックルの代わりに血のついた手袋を付けている。プラズマガンには装備時にスパーク音を発する電気コアが付いており、ロケットランチャーは発射時に小さな反動が生じ、プレイヤーをわずかに後退させる。また、ショットガンのプライミングハンドルは銃身の下ではなくグリップにあり、ダブルバレル「スーパー」ショットガンはリロードが速く、反動が生じる。

プラズマガンやBFG 9000と同じセル弾を使用する新武器のレーザー「アンメイカー(Unmaker)」が追加された。この武器は『Doom Bible』で最初に触れられており、1993年に発売された『Doom』にも登場する予定であったが、実現しなかった。アンメイカーにはゲーム中で見つかる三つの古代アーティファクトの力で三つのレーザービームを(通常より高速で)発射できるようになる。最初のアーティファクトはレーザーの速度を向上させ、第二のアーティファクトは二つめのレーザーを追加し、第三のアーティファクトは自動的に互いに別々に照準を合わせることが可能な三つのレーザーを同時発射することができ、一度に三体の敵を攻撃できるようになる。その後、この武器は2020年に発売された『Doom Eternal』(こちらはスペルが「Unmaykr」)にて再び登場した。

あらすじ編集

『DOOM』および『Doom II:Hell on Earth』で地獄の軍勢を阻んだドゥームマリーンの成功を受けて、UAC研究施設をとてつもないレベルの放射線で隔離する惑星政策が確立された。徹底的な核攻撃の末に何年もの間設備は停止状態にあったが、ある日、施設を監視する衛星が、「膨大な復活の力を持ち、極度の放射線レベルで隠された単一の実体が探知を逃れた」というメッセージを地球に送った。この実体は、腐敗した死骸をゾンビ化させる能力を持ち、デーモンを復活させた。

施設へ単身派遣されたドゥームマリーンは、地獄へとおびき寄せられながらもデーモンたちを倒し、最終的には「アンメイカー」を用いてマザーデーモンを倒した。その後、もはや普通の生活を送れなくなったドゥームマリーンは、デーモンが再び復活しないようにするために、永遠に地獄に留まることを決意したところで物語は終了する。

開発編集

本作はミッドウェイゲームズが同社のサンディエゴスタジオで開発したものであり、Doomフランチャイズの主要デベロッパーのid Softwareのもと[4]、1994年後半から開発が始まった[5]。当初は「The Absolution」という作品名になる予定だったが、DOOMシリーズであることをわかりやすくするために『Doom 64』へと変更し、「The Absolution」はゲームの最終ステージの名称として再利用された。ミッドウェイはオリジナルゲームに登場する全てのデーモンと、いくつかの追加ステージをゲームの完成版に入れたかったが、スケジュールの都合とN64のカートリッジの容量が小さいことによるメモリの制約があり、ステージやデーモンを除外した。ミッドウェイは任天堂がマルチプレイ向けのプログラミングに必要なリソースを提供していなかったため、マルチプレイモードは収録されないと語った。デベロッパーはゲーム機での他のゲームの画面分割マルチプレイ中の速度低下が疑われていることと、モードの競争性に基づきこの決定を正当化した。ミッドウェイの担当者は「マルチプレイの醍醐味は対戦相手がどこにいるのかわからないことだと誰もが知っている」とし、4人プレイヤーでの画面分割プレイでは相手がどこにいるのか丸見えであると話している[6]

環境は3次元ポリゴンモデルから構築され、敵はSGIワークステーションでスプライトをプリレンダリングして作成された[7]。本作を初出とするナイトメアインプ[2]は、もともとPlayStation版『Doom』に登場する予定であり、ほぼ完全なベータ版にも登場したが[8]、何らかの理由で発売直前になって削除された。

本作は北米でローンチタイトルとしての発売が予定されていたが、締め切り間近になってid Softwareがステージデザインの多くに不満を表したことで、ミッドウェイは1997年4月まで発売を延期し、その間にステージの再デザインに取り組んだ[9]。当時、任天堂がNintendo 64版『Cruis'n USA』から動物を轢く要素を削除することを決定したため、本作も検閲される可能性が懸念されたが、ミッドウェイのソフトウェア担当副社長のマイク・アボットは、『Cruis'n USA』は一般からファミリー向けのゲームと認知されているのに対し、Doomシリーズは成熟したゲーマーを対象にしたものであり、任天堂は暴力的な内容はあまり懸念していないと指摘した[7]

音楽と効果音はPlayStation版『Doom』のオリジナル効果音と音楽を手掛けたオーブリー・ホッジスが作曲した。オリジナルの開発チームは最初のゲームが発売されて間もなく2プレイヤーデスマッチ専用に設計された潜在的な続編『Doom Absolution』に取り組んでいたが、破棄することを決定した[要出典]。id SoftwareがDoom 64での仕事に感銘を受けたため、この時期に『Quake』のNintendo 64版を担当することになり[10]、忙しさのあまり他のプロジェクトに手が回らなくなったからだと思われる。

ミッドウェイ・ホームエンターテインメントは1997年4月4日に発売するDoom 64を3月29日に出荷した[11]

評価編集

評価
レビュー結果
媒体結果
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー7.5/10[12]
GameSpot4.8/10[13]
IGN7.4/10[14]
Next Generation     [17]
NintendoLife8/10 (Switch)[16]
Nintendo World Report8.5/10 (Switch)[15]
M! Gamesドイツ語版88/100[18]

Doom 64が発売されるまで、オリジナルのDoomは実行可能なほぼすべてのプラットフォームに移植されていた。批評家達はDoom 64がPC版を凌駕する、これまでで一番見栄えの良いDoomであることに同意し[12][13][14][17][19]、ステージデザインにも熱狂的で、想像力に富んでおり、オリジナルのDoomよりはるかに難易度が高いと評価している[12][14][17][19]Next Generationのある批評家は「最も熟練したDoomのファンでさえ手一杯になるだろう。また、ドアのスイッチを押すことで部屋全体が再配置されたり、新しい形に折りたたまれたりすることがよくある」と述べた[17]

しかしながら、大半のレビュワーは新たなグラフィックとステージはオリジナルのDoomの別の移植版のように感じさせないようにするには不十分だと感じていた[13][14][17]IGNピア・シュナイダーは「間違いなく、本作はこれまでで最高のDoomのアップデートだ[...]しかし、PC、PSX、SNES、Mac、サターン版などを死ぬほどプレイしたことがあるならこれがなくてもいいだろう」と結論付けた[14]。GameProはこの点について多数派に反対し、「Doom 64 は、実証済みの回廊シューティングの方式に命を吹き込み、システムの能力を誇示するもう一つの挑戦的で強烈な体験を提供している」と述べている。彼らは4つのカテゴリー(グラフィック、音、操作、面白さ)全てにおいて5点満点を付けた[19]エレクトロニック・ゲーミング・マンスリーのショーン・スミスはDoomの基本的なゲームプレイにおいて進歩が見られなかったことを肯定的に評価している。彼は「皆さんの中にはスペースマリーンがジャンプしたり水中を泳いだりするのを見たいと思うかもしれない。純粋主義者達は、Doomはそのようなものではないためこれらの機能の追加を望まないだろう。私は純粋主義者達に同意しなければならない」と述べた[12]

大半の批評家はゲームの雰囲気効果のためのゲームの音楽スコアを称賛している[12][13][14][19]。シュナイダーとGameProは両者ともアナログコントロールの操作性の良さに満足していた[14][19]が、GameSpotのジェフ・ガーストマンは「紙面上ではDoom 64はオリジナルよりも優れているが、結果的にはオリジナルの粗悪化のように感じられる」と述べている[13]。同時期に発売されたNintendo 64のシューティングゲーム『時空戦士テュロック』との比較で、シュナイダーとGameProは両者ともDoom 64は探索の自由度や深度制御は低いが、より強烈で、「不安に満ちている」と述べた[14][19]

その後の数年間、本作はファンからカルト的人気を集めており、Kotakuのパトリック・クレペックは本作はシリーズの中でも最も過小評価された作品と表現している[20]

再発売編集

本作のPCNintendo SwitchPlayStation 4及びXbox One向け移植版(開発はNightdive Studios)が2020年3月20日[注 1]に発売され、同日発売の『Doom Eternal』の予約購入特典として無料配布された[22][23]。この移植版には、プレイヤーがマザーデーモンの姉妹と戦う新チャプターが収録されている[21][22]

脚注編集

注釈編集

  1. ^ Stadiaでの配信は2020年5月12日[21]

出典編集

  1. ^ a b Mr.Katoh (2020年3月30日). “BFG9000ニュウシュ! ヤッタゼ! 『DOOM 64』リメイク版とN64版の違いをプレイして検証した【特集】”. Game*Spark. 2020年6月24日閲覧。
  2. ^ a b “Doom 64: Doom Never Looked so Doomed Good”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (92): 95. (March 1997). 
  3. ^ “Doom 64: Nothing Can Save You!”. GamePro (IDG) (102): 44. (March 1997). 
  4. ^ IGN staff (1996年11月11日). “Doom 64 News”. IGN. 2014年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月8日閲覧。
  5. ^ “Williams Makes Jaguar, Ultra 64 Plans”. GamePro (IDG) (76): 210. (January 1995). 
  6. ^ IGN staff (1996年12月29日). “Doom 64 Gets the Multiplayer Axe”. IGN. 2014年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月8日閲覧。
  7. ^ a b “NG Alphas: Doom 64”. Next Generation (Imagine Media) (26): 81–82. (February 1997). 
  8. ^ “Doom: The Ultimate Version of the Greatest Gore Blast Ever!”. Maximum: The Video Game Magazine (Emap International Limited) (2): 56–60. (November 1995). 
  9. ^ “In the Studio”. Next Generation (Imagine Media) (20): 17. (August 1996). 
  10. ^ “In the Studio”. Next Generation (Imagine Media) (28): 19. (April 1997). "Impressed by Nintendo 64's conversion of Doom, id Software immediately granted the Quake conversion rights to Midway, even requesting that the same Doom team be responsible." 
  11. ^ IGN Staff (28 March 1997). "Midway Ships Doom Tomorrow". IGN. Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  12. ^ a b c d e “Review Crew: Doom 64”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (94): 54. (May 1997). 
  13. ^ a b c d e Gerstmann, Jeff (1997年4月8日). “Doom 64 Review”. GameSpot. 2018年7月25日閲覧。
  14. ^ a b c d e f g h Schneider, Peer (1997年1月28日). “Doom 64”. IGN. 2018年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
  15. ^ Rairdin, John (2020年3月24日). “Doom 64 (Switch) Review”. Nintendo World Report. 2020年4月9日閲覧。
  16. ^ Reseigh-Lincoln, Dom (2020年3月20日). “Doom 64 Review (Switch eShop)”. Nintendo Life. 2020年4月9日閲覧。
  17. ^ a b c d e “Finals: Doom 64”. Next Generation (Imagine Media) (29): 142. (May 1997). 
  18. ^ TD3.com (2016年3月19日). “Doom 64 - im Klassik-Import-Test (N64) – MANIAC.de” (ドイツ語). MANIAC.de. https://www.maniac.de/tests/doom-64-im-klassik-import-test-n64/ 2018年11月22日閲覧。 
  19. ^ a b c d e f Major Mike (April 1997). “Nintendo 64 ProReview: Doom 64”. GamePro (IDG) (103): 74–75. 
  20. ^ Klepek (2016年6月9日). “Doom 64 Is The Most Underrated Doom Game”. Kotaku. 2019年10月13日閲覧。
  21. ^ a b Wales (2020年3月10日). “Doom 64's upcoming port will add a brand-new post-campaign chapter” (英語). Eurogamer. 2020年3月29日閲覧。
  22. ^ a b 早苗月 ハンバーグ食べ男 (2020年3月14日). “レトロンバーガーOrder 33:「DOOM 64」「Final DOOM」「SIGIL」が現行ゲーム機に登場で,実に倒しても倒しても「DOOM」だなあ編”. www.4gamer.net. Aetas. 2020年6月24日閲覧。
  23. ^ 23年ぶりの移植となる『DOOM 64』には新しいステージが追加されている―開発スタッフが明かす” (日本語). Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト. 2021年5月27日閲覧。

外部リンク編集