北大東空港

日本の沖縄県北大東村にある空港
KTDから転送)

北大東空港(きただいとうくうこう、: Kitadaito Airport)は、沖縄県島尻郡北大東村北大東島)にある地方管理空港

北大東空港
Kitadaito Airport
北大東空港施設概観
北大東空港付近の空中写真。
2009年10月28日撮影。

国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
地図
IATA: KTD - ICAO: RORK
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 沖縄県島尻郡北大東村字南19-16
種類 商業
運営者 沖縄県
運用時間 8:00 - 18:00
開港 1978年
敷地面積 35.9 ha
標高 21.6 m (70.9 ft)
座標 北緯25度56分41秒 東経131度19分37秒 / 北緯25.94472度 東経131.32694度 / 25.94472; 131.32694座標: 北緯25度56分41秒 東経131度19分37秒 / 北緯25.94472度 東経131.32694度 / 25.94472; 131.32694
地図
北大東空港の位置
北大東空港の位置
KTD/RORK
北大東空港の位置
北大東空港の位置
KTD/RORK
北大東空港の位置
滑走路
方向 長さ×幅 (m) 表面
03/21 1,500×45 舗装
統計(2019年度)
旅客数 23,216人
貨物取扱量 80.82 t
発着回数 385回
リスト
空港の一覧
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概要 編集

年間利用客数は、合計23,216人(2019年度)[1]

南大東空港とを結ぶ航空路は、直線距離にして約12 km(8マイル)・所要時間15分で、定期航空路線としては日本一短い[3]。風向きの関係で南北に直線飛行する日は、離陸後車輪を格納せずにそのまま着陸することもある。[要出典] また、当空港は琉球エアーコミューターが就航する空港としては最東端の空港でもある。

歴史 編集

空港建設までの経緯 編集

1965年エア・アメリカにより南大東島に10人乗りの民間航空路が開通。1967年にはエア・アメリカに代わり南西航空(後の日本トランスオーシャン航空)が初就航。北大東島の住民は航空機を利用するためにサバニモーターボートを利用して南大東島まで行き来していた[4][5]

1971年4月、琉球列島米国民政府の援助金により約760メートルの仮飛行場が完成。仮飛行場はアスファルト舗装ではなく、栗石にサンゴの石粉をかぶせて固めたものであった。急患の時はこの滑走路で米軍機(1972年以降は自衛隊の救難機)を用いて患者を輸送した。また同年9月、国務大臣の山中貞則がヘリコプターで来島した時はこの仮飛行場を利用している。これは開拓以来初めての大臣の来島であった[6]

1974年の秋からは村民の有志によりクラブを結成し、南大東島に常駐しているセスナ機で南北間を移動出来るようになったが、会費は個人2万円(団体は5万円)、運賃5千円と割高であり、北大東村の村民は一日でも早い北大東航空路の就航を願っていた[6]

その後、本格的な空港建設のための公聴会が開催され、公述人全員が空港の早期建設を要望。公聴会では村民は悪天候になると船便も途絶える為、離島苦を味わっているとの意見が出された[6]

1976年5月、仮飛行場を拡張する形で空港建設が着工。途中、電話回線の問題により運輸省の設置許可の遅れが出たが、1978年4月に竣工。同年6月30日に南西航空のDHC6型ツインオッター機が初就航。開港式には村民が総出で新空港を訪れ、開港を祝った[7]

空港開港後 編集

最初に就航したDHC6型は19人乗りで、満員状態が相次いでいた。1997年の滑走路延長に伴い、39人乗りのDHC8型が就航、2016年からは50人乗りのDHC8-Q400が就航している[8]

かつて空港には照明設備が無く、急患の夜間搬送時は職員がランタンを設置して航空機を誘導していた[9][10]が、沖縄県の南北大東空港夜間照明整備事業により、平成29年(2017年)度に照明が供用開始された[11]

年表 編集

  • 1971年(昭和46年) - 緊急着陸場として設置
  • 1978年(昭和53年) - 北大東空港として滑走路800メートルで供用開始
  • 1997年(平成9年)10月9日 - 滑走路1,500メートルで供用開始[12]

施設 編集

ターミナルビルは2階建て。上階には滑走路が展望できる喫茶店や、無料の展望デッキがある。

飛行路線 編集

琉球エアーコミューター (RAC)

2012年7月のダイヤでは運航は1日1便のみで、那覇空港 - 北大東空港 - 南大東空港 - 那覇空港の三角ルートで行われ、曜日によってその回りが逆になる(火・水・木曜が「南大東 → 北大東」の順、金・土・日・月曜が「北大東 → 南大東」の順)。機材はボンバルディア社DHC8-Q400CC(定員50名)が使用されている。特典航空券など一部運賃を除き、南大東を経由した場合であっても直行便と同額である。2023年4月のJALグループの運賃改正により、南大東で乗り継いだ場合には北大東 - 南大東の区間も含め実際に搭乗した区間のマイルが付与されるように変更された[13]。2012年7月までは、JALマイレージバンクのマイル積算対象外となっていた[14]

脚注 編集

  1. ^ a b 令和元年(平成31年)管内空港の利用概況集計表(速報値)” (PDF). 国土交通省大阪航空局. p. 7. 2021年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月14日閲覧。
  2. ^ 北大東空港”. 沖縄県の空港. 沖縄県土木建築部. 2015年9月12日閲覧。
  3. ^ 日本最短、15分の定期航空便 となり合う島を結ぶ空路、なぜ誕生?”. 乗りものニュース (2017年4月10日). 2018年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月6日閲覧。
  4. ^ 北大東村役場 1989, p. 543-544.
  5. ^ 服部 2018, p. 111.
  6. ^ a b c 北大東村役場 1989, p. 544.
  7. ^ 北大東村役場 1989, p. 544-545.
  8. ^ 服部 2018, p. 111-112.
  9. ^ 服部 2018, p. 120.
  10. ^ 公共事業事前評価調書(平成26年度予算要望)(pdf) 沖縄県ホームページ (2015年07月27日). 2019年4月16日閲覧
  11. ^ 「主な取組」検証票(pdf) 沖縄県ホームページ. 2019年4月16日閲覧
  12. ^ 北大東空港-うふあがり島の翼 沖縄県公式チャンネル
  13. ^ それ以前は北大東 - 那覇で計算され、北大東 - 南大東は0マイルであった。
  14. ^ 琉球エアーコミューター(RAC)ご利用時におけるJMBサービスでの取り扱い変更について Archived 2012年6月20日, at the Wayback Machine. 日本航空

参考文献 編集

  • 『北大東村誌』北大東村役場、1989年2月28日、543-545頁。 
  • 服部敦『沖縄・北大東島を知る うふあがりじま入門』ボーダーインク、2018年7月10日、111-112、120頁頁。ISBN 978-4-89982-344-5 

外部リンク 編集