Panzer 61(パンツァー・アインウントゼクツィヒ)とはスイス連邦の開発した冷戦期の中戦車である。略称Pz 61。後には第二世代の主力戦車に再分類された。この戦車は車重が36.5t、630馬力のディーゼルエンジンで駆動し、路上での最高速度は50km/hとなった[1]。Pz 61の主兵装は105mm戦車砲である。

Panzer 61
種類 主力戦車
原開発国 スイス連邦
運用史
配備期間 1965年から1994年
配備先 スイス連邦
開発史
開発期間 1950年代
製造業者 スイス連邦組立工場 トゥーン
製造期間 1965年から1967年
製造数 150両
諸元
重量 39t
全長 9.45m
全幅 3.06m
全高 2.72m
要員数 4名

装甲 最厚部120mm 均質圧延装甲
主兵装 ロイヤル・オードナンス L7 105mmライフル砲、携行弾薬56発
副兵装 7.5mmスイス機関銃、2挺、携行弾薬3,200発
エンジン メルセデス・ベンツ V-8ディーゼルエンジン
出力重量比 16.15hp/t
懸架・駆動 皿バネ式
地上高 400mm
行動距離 250km
速度 55km/h
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開発、経歴

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1950年代の初期を通じ、スイス陸軍は機甲兵力の強化を図るため、近代的な戦車の購入を試みていた。これは朝鮮戦争のために不可避なことが判った。間に合わせの解決策として、スイス陸軍はフランスからAMX-13軽戦車を購入し、また国産の中戦車開発を決意した。

最初の試作車両と量産車両はPanzer 58と呼称された。最初のPz 58試作車両は国産の90mmライフル砲を装備しており、第二試作車はイギリス製の84mm口径のオードナンス QF 20ポンド砲を積んでいた[2]。また第三試作車は、量産車両と同じくロイヤル・オードナンス L7 105mmライフル砲を搭載した。Panzer 58はPanzer 61の先行量産型と似たものとなった。そして1961年、スイス議会は150両のPz 61の量産を認めた。この車両は1965年から1967年にかけ、Eidgenössische Konstruktionswerkstätte(直訳すればスイス連邦組立工場、現RUAGランドシステムス)のトゥーン工場にて生産された[3]

1967年から1994年にかけ、もっと先進的な後継車両であるPanzer 68の技術によって、Panzer 61にも改修や装備追加が施されていった。1994年、最後のPz 61大隊が新型戦車に装備更新した。幾つかの装備品の中でもPz 61オリジナルの同軸機銃エリコン5TG/K 20mm機関砲が、Pz-61AA9から砲塔上に装備された対空用と同じMG51 7.5mm機関銃に交換されている。

派生型

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車体が戦車砲68や、65式戦車回収車 ARVの試作型[1]、そして68式架橋戦車の最初の試作に転用されている[4]。Pz 61の転輪と無限軌道が68式標的戦車にも流用されている。

他媒体への登場

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映画『スターリングラード』の中で、Pz-61は2両がIII号戦車に扮して登場した。これらのレプリカは『エニグマ奪還』、『ディファイアンス』にも再利用されている。

参考文献

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  1. ^ a b Chant, Christopher (1987). A Compendium of Armaments and Military Hardware. Routledge. p. 10. ISBN 0-7102-0720-4 
  2. ^ Ford, Roger (1997). The World's Great Tanks from 1916 to the present day. Brown Packaging Books Ltd. p. 121. ISBN 1-897884-29-X. https://archive.org/details/worldsgreattanks0000ford_u1y3/page/121 
  3. ^ http://www.janes.com/extracts/extract/jaa/jaa_0067.html
  4. ^ http://www.janes.com/extracts/extract/jmvl/jmvl0200.html

外部リンク

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