主力戦車
主力戦車(しゅりょくせんしゃ、英語:main battle tank、略称:MBT)は、戦車の分類の1つである。現代の戦車はほとんどが主力戦車に分類され、戦力の要となっている。
第二次世界大戦まで戦車は重戦車、中戦車、軽戦車、豆戦車、駆逐戦車などエンジン性能に起因する設計の制限から走攻守をバランス良く実戦レベルで実現できず結果的に優先順位を決め、戦術毎に戦車を造ったため多様であった。戦後、戦術の確立と技術の発展(特に1000馬力以上のエンジン)を背景に、戦車に求められるあらゆる任務をこなせるように機動性、防護力、攻撃力をバランス良く備える主力戦車へ統合が進んでいった。
特に第三世代以降の戦車の多くは高度な火器管制システムや、APFSDSやHEATに効果を発揮する複合装甲などを装備している。それを改修するなどして作られた第3.5世代以降においてはさらなる武装の強化の他、非対称戦に対応した装備やC4IシステムなどのIT技術が取り入れられている。
現時点ではこの3.5世代が主力戦車の最新型である。T-14、メルカバ Mk4、10式戦車などはそれよりもさらに新しい第四世代に当たるのではないかという意見も多いが、今日における世界の最新の主力戦車は、どれも国情や運用する環境などに合わせてそれぞれ独特な設計になっているものが多く、これといった定義がない。