SWERY(スエリー)は株式会社White OwlsのCEO。本名は末弘 秀孝(すえひろ ひでたか)。シナリオライター兼、ゲームデザイナー兼、ゲームディレクター。また、僧侶の資格を保有していることや、自身が仏教徒であることを明かしている。

経歴 編集

大阪芸術大学にて映画と映像広告を専攻した後にゲーム業界へ入り、いくつかのビデオゲーム会社を経て2002年1月にアクセスゲームズを設立。初のディレクション作品であるスパイフィクションからワールドワイドを意識したゲームデザインを手がけ、2010年には、各国メディアから現代のカルトクラシックと賞される作品『Deadly Premonition/邦題:レッドシーズプロファイル』を完成させた。

同作は"最も評価の分かれるサバイバルホラー”としてGUINNESS WORLD RECORDにも掲載され、SWERY自身は2011年、北米で最も影響力のある50人のクリエイターに選出された。

その後、日本国内における数々の作品を手がけながら、2014年9月、MicrosoftのファーストパーティとしてXbox One専用ゲーム『D4: Dark Dreams Don't Die』を発表。 D4は次世代向けKinectを使った、全く新しいゲーム体験を提供するゲームとして発売前から注目を集め、2013年にはロサンゼルスで開催されたGDC Next 2013にて、NEXT 10(全く新しい10のゲーム)に選出された。さらに、翌年2015年にはサンフランシスコで開催されたGame Developers Conference 2015でも講演者として招かれ、「Designing for Empathy with Sensory Replication in D4」(「D4」における感情移入と感覚再現を目指したゲームデザイン)というポストモーテム講演を行った。

2015年11月6日より、持病の治療のため療養中であったが、2016年8月31日をもってアクセスゲームズの取締役を退任したことを報告。

2016年11月1日、「大阪から世界中のあなたへ」をスローガンに、自身の開発スタジオである株式会社White Owlsを立ち上げる。

最新作である『The Good Life』が、2021年10月15日に発売された[1]

人物 編集

日本人ゲームディレクターとして初めて、マサチューセッツ工科大学バークリー音楽大学にて講義を行った。また、世界で初めてバークリー音楽堂(Berklee Performance Center)にてオーケストラとともにエアギターを演奏した人物でもある[2]

近年ではゴリラのぬいぐるみと常に出かけている。ぬいぐるみの詳細を聞かれると、「彼女はシャラポワ」と答えるという。2015年3月21日にドグマ風見と共にニコニコ生放送が行われた「Deadly Premonition レッドシーズプロファイル コンプリートエディション〜ギネスに載った伝説のゲームにチャレンジ〜」では「実家の寺から参加」という形で出演していたが、後に実際に現地(岐阜)に登場した。その際、『僕の作品にはフォレスト・ケイスンなど、同じ名前のキャラクターがよく出てくる』という下りがあった。SWERY氏は「スターシステムを採用している。と書いていただくこともありますが、訂正します。スターシステムは顔が同じで、名前や役柄が違うもの。手塚治虫先生が発明された凄いシステム。僕のは名前が同じで、人物そのものが違う。所謂『襲名』なのである。『木村庄之助システム』とでも名付けよう。単に同姓同名とか言うのは勘弁な。」と発言している[3]

また、プレイ中にゲーム内容について出演者に指摘された際には、思い出せなかったり都合が悪くなるたびに「タントウジャナァアアアアアイ」(そこを担当したのは僕じゃない)と答えることにより明言を避け、その後の放送中も同じやりとりが繰り返された。

最近の活動 編集

2018年10月、自身のスタジオ株式会社White Owlsの記念すべき第一作となる『The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -』を発売。

ゲーム業界団体の主催するNAVIGTR (National Axademy of Video Game Trade Reviewers) Award 2018[4]での二冠を始め、イタリア、カターニアで開催されるエンタテインメントイベントEtna ComicsにおけるUzeta Award 2019[5]でも二冠を受賞。その他、北米最大のThe Game Award 2018[6] にノミネートされるなど世界中で多数の栄冠を獲得した。

日本では毎年京都で開催されているBit Summit(第7回)において、ゲームデザイン最優秀賞を受賞[7]している。

また、SWERY自身もイタリア、ローマで開催されたGame Rome 2019[8]において基調講演を行うと共に、ゲーム業界功労賞を受賞した。

現在、同時に複数のプロジェクトを抱えていると何度かメディアインタビューで答えている。

2018年5月にキックスターターでゴールを達成した『The Good Life』は2021年秋の完成を予定している。

2019年10月、IGN Japanのライブストリームを通じて、もう一人の日本のカルトクリエイターである須田剛一(通称 SUDA51)との合作企画『HOTEL Barcelona』[9]を発表。

イベントでは二人とも酔った状態で話していたため、真偽は定かではないが北米のDevolver Digital Gamesに100万ドルの予算で持ち込むらしい。

講演活動も積極的に行っており、2016年以降、クロアチアで開催されているReboot Developにて毎年講演を行っている他、2016年11月にはインドのハイデラバードで行われたNasscom Game Developers Conferences2016で招致講演、2017年9月にはシアトルで開催されているPAX WESTで、2018年3月にはボストンで開催されているPAX EASTで講演やステージを行っている。

2019年3月にはサンフランシスコで開催されたGame Developers Conference及び、同年6月にイタリア、カターニヤで開催された2019 Etna Comics、11月にローマで開催されたGameRome2019にて「'The Missing': An Attempt at Complete Cohesion of Gameplay and Narrative」(The MISSING:ゲームプレイと物語の完全な融合を目指す試み)と題した講演を行い、GameRome2019ではゲーム業界功労賞を受賞している。

2020年7月、前作から10年ぶりとなる続編『Deadly Premonition 2: A Blessing in Disguise』を発表。海外ユーザーからの指摘によりLGBTQに関わる一部シナリオを訂正するも、前作のファンからは「続編としての完璧な体験を提供している」とも評される。

2020年12月、中国テンセントゲームズ主催のTGDC2020にてゲームシナリオの構築方法に関する講演を行っている。

2021年、コロナ禍の中で開催されたモスクワ国際ホラー映画&アワードにおいてホラージャンルへの貢献が評価され、映画およびゲーム業界功労賞を受賞。

作品 編集

その他の作品 編集

その他の動画 編集

インタビュー記事 編集

講演 編集

脚注 編集

外部リンク 編集