Speed (Kenの曲)

Kenの楽曲、シングル(2006年)
Ken > Speed

Speed」(スピード)は、日本ロックバンドL'Arc〜en〜CielギタリストKenの1作目のシングル。2006年8月23日発売。発売元はDanger Crue Records

Speed
Kenシングル
初出アルバム『IN PHYSICAL
A面 Speed
B面 Empty Rooms
The Shadow of Your Smile
リリース
規格 マキシシングル
ジャンル ロック
時間
レーベル Danger Crue Records
作詞・作曲 Ken
プロデュース Ken
チャート最高順位
  • 週間4位(オリコン
  • 登場回数5回(オリコン)
Ken シングル 年表
Speed
2006年
Deeper
2009年
IN PHYSICAL 収録曲
ETERNAL REST
(5)
Speed
(6)
Deeper
(7)
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解説 編集

ロックバンド・L'Arc〜en〜CielギタリストKenがソロ名義で発表したデビューシングル。

L'Arc〜en〜CielやSONS OF ALL PUSSYS(通称:S.O.A.P.)といったバンドで活動を行ってきたKenにとって、これが初の単独名義でリリースとなった。ちなみに当初、KenはSONS OF ALL PUSSYSを2006年から再始動することを検討していたが、結果的にソロ名義でリリースすることにしている。

SONS OF ALL PUSSYSの活動を再始動しなかった理由について、Kenは「(2005年の)年末のS.O.A.P.のリハのとき、なんかもっと歌詞を伝えるようになりたいなぁ、なんてことを思いつつ。で、それはとにかく"Yeah!"って言ってるっていうものとはちょっと違うじゃないですか、歌詞を伝えることと。そんな気分になってるんだよねって話は、メンバーに伝えて。その後、しばらくそのままの状態だったのかな。で、年が明けてからも、S.O.A.P.っぽい曲がなかなかできないねぇ…みたいな感じで。そうこうしてる間も、メンバーそれぞれがチョコチョコ忙しくしてたっていうのもあって、なんとなくS.O.A.P.は離陸せずに今に至る、という感じかな[1]」と本作発売当時に述べている。また、Kenはソロ名義での活動に考えが向かっていった経緯について、「2月ごろになってから"なんか、ライヴやりたいなぁ"と思うようになってね。けど、それはバンドじゃなくて、ピアノとギターだけとか[1]」「L'Arc〜en〜Cielのライヴで秦野(猛行)さんがずっとキーボードを弾いてくれてるでしょ。で、ライヴツアー「AWAKE TOUR 2005」のときの秦野さんのインプロビゼーションとかも、本当に素晴らしいなと思いながらライヴをやってたから、一緒になんかできたらいいなと思った[1]」と語っている。

表題曲「Speed」は、アダルトな雰囲気の中に哀愁や切なさが内包されたギターロックナンバーに仕上げられている[2]。ちなみにこの曲は、L'Arc〜en〜Cielが2005年に開催したライヴツアー「ASIALIVE 2005」の後のオフ期間に、デモが制作されていた楽曲となっている。Kenはこの曲の制作経緯について「ツアーが終わって、確か、"毎月1曲作曲するぞ月間"を作ったんだけど、2ヵ月で挫折したシリーズの1曲[3]」と述懐している。この経緯から分かるように、この曲はソロ名義で発表するつもりで作られたわけではない。Kenは、この曲をソロシングルとして発表することにした経緯について「(ツアーの後に)休憩してる中で、ゆっくり音楽をやりたいなと。で、そのときにあった曲が「Speed」で、その時の自分のモードと合ってたんだよね[3]」「L'Arc〜en〜CielとかSONS OF ALL PUSSYSとかソロとか考えずに作曲してるとこからいつの間にか…なんですよね。で、そうやって作曲したものを聞いてるうち、この曲はこういうドラマーの方にたたいてほしいな、とかっていうことを考えたりしていて。だから、曲が先にあって、それを作品として出そうっていうことの延長線上にソロがあった、っていう感じなんですよね[4]」と述べている。余談だが、Kenの言う"毎月1曲作曲するぞ月間"にデモが制作されたもう1曲は、L'Arc〜en〜Cielとして2007年に発表したアルバム『KISS』に収録された「ALONE EN LA VIDA」だという[3]

また、表題曲のレコーディングには秦野猛行の他に、ベーシストのTAKASHI(ex.DIE IN CRIESBUG)と、ドラマーの村石雅行(FAZJAZ.jp、ex.KENSO)が参加している。KenはTAKASHIを招聘した理由について「何年か前のライヴイベント「天嘉」で、Sakuraと俺と、KyoさんとTAKASHIさんで一緒にREACTIONのカバー(「LONESOME KNIGHT」)をやったんだけど、そのとき、やっぱりいいなぁと思ったから[5]」と述べている。また、Kenは村石雅行を招聘した理由について「椎名林檎さんの曲でも叩いてて、そのプレイも好きだし、KENSOで叩いているところを見て、"なんじゃこりゃ!"っていうぐらい迫力があったんだよね。ただ、もちろんそのときはソロなんて考えてもいなかったから、一緒にやりたいもへったくれもなかったんだけど。で、今回、「Speed」を録りたいなと思ったときに、村石さんのことが頭に浮かんでね。けど、面識もないし、断られるかな…って思ったけど、頼んでみたら快く引き受けてもらえてね[5]」と述べている。

カップリングには、ゲイリー・ムーアの楽曲「エンプティ・ルーム」と、1965年に公開されたアメリカ映画『いそしぎ』のテーマソング「シャドウ・オブ・ユア・スマイル」のカバーが収録されている。

なお、Ken曰く「ゲイリー・ムーアのカバーをライヴでやりたい」という想いが、ソロワークスを始める一つの動機だったという。Kenは本作発売当時に受けた音楽雑誌『GiGS』のインタビューの中で、「エンプティ・ルーム」をカバーした理由について「ゲイリー・ムーアのカバーをライヴでやってみたら楽しいんじゃないかな、なんて考えた[1]」「実はそれ(ゲイリームーアの楽曲をカバーすること)は前から思ってたんだよ。S.O.A.P.でも"ゲイリー・ムーアの「エンプティ・ルーム」を演りたい"って、何回か言ってたけど、たぶん冗談だと思われたんだろうと思う(笑)[1]」「そもそも「エンプティ・ルーム」をライヴでやりたいから、レコーディングしたい。けどカバーだけだとおかしいかなと思って、タイトル曲を自分の曲にっていう順番だから[5]」と述べている。

また、Kenは「シャドウ・オブ・ユア・スマイル」をカバーした経緯について「何年か前にピアノの譜面を買ったら、たまたまこの曲が入ってたんだよね。弾いてみてカッコいいなと思ったから、ずっと練習してたんだよ[5]」と語っている。余談だが、当初Kenはベートーヴェンの「月光」をギターの多重録音でカバーしようと考えていたという[1]

本作は、CD+DVD盤とCD盤の2形態で発売されている。CD+DVD盤に付属するDVDには、表題曲「Speed」のミュージック・ビデオおよびメイキング映像が収録されている。また、両形態ともデジパック仕様になっている。

収録曲 編集

#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「Speed」KenKenKen
2.「Empty Rooms」Neil Carter, Gary MooreNeil Carter, Gary MooreKen
3.「The Shadow of Your Smile」 Johnny MandelKen
4.「Speed (karaoke)」 KenKen

初回生産限定盤付属DVD 編集

  1. Speed PV (with E.Piano ver.)
ディレクター:湯本美谷子
  1. Speed PV (karaoke)
  2. Off Shot (15min.)

参加ミュージシャン 編集

収録アルバム 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f 『GiGS』、p.6、シンコーミュージック・エンタテイメント、2006年7月号
  2. ^ "Ken (L'Arc~en~Ciel)/Speed". TOWER RECORDS ONLINE. 2024年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月29日閲覧
  3. ^ a b c 音楽と人』、p.20、USEN、2009年3月号
  4. ^ "Ken インタビュー/@ぴあ". ぴあ. 2021年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月16日閲覧
  5. ^ a b c d 『GiGS』、p.9、シンコーミュージック・エンタテイメント、2006年7月号