記事を編集しているときに、2回連続して改行キー(通常はEnterキー)を押して空白行を作ると、記事はそこから新しい段落になって表示されます(このような改行のことをこのページでは便宜的に2行改行と呼びます)。記事を読みやすくするために、「2行改行を適宜挿入して、文章を適切な長さの段落に区切ること」は重要です。

一方、編集中に1回だけ改行キーを押して、空白行を作らずにすぐ次の行から文を始めると、記事では、段落は新しくならずに、改行した箇所にスペースが表示されます(このような改行のことをこのページでは便宜的に1行改行と呼びます)。下記のように、1行改行には長所もありますが、多くの短所がありますので、1行改行の使用はできるだけ避けるべきです。

また、br要素を挿入することにより(その箇所に<br />を挿入します)、段落を改めずに強制的に改行することもできますが、の中など特殊な場合を除いては、このような改行もできるだけ使用しないことが推奨されています(Help:ページの編集#段落・改行Wikipedia:スタイルマニュアル#段落を参照)。

1行改行の長所 編集

編集中に、段落内で改行を頻繁に入れることを好む編集者がいます。例えば1文ごとに改行を入れると、編集ウインドウが見やすくなり、長い段落の中でも、編集したい文を見つけやすくなります。そのために、他の文と入れ替えたり、編集しやすくなったりもします。記事を書くときは、文を単位として構成を考えることが多いですから、これは意味があることです。また、段落中に改行を入れるのを支持する人は、版間での差分(記事の過去の編集で変わったところを表示する画面)が見やすくなると主張します。版間での差分の画面では、文章を改行から改行までを単位として、変更のあった箇所を色違いの強調表示にし、文脈を示すために、変更箇所の前後の改行までを表示してくれる機能があるからです。

また、いくつかのエディタ・ソフトウエアでは、長い行をうまく扱えません。そういうエディタでは、画面の右端で(単語の途中で)文字を折り返し表示するか、あるいはまったく折り返し表示をしないか、いずれかしかできません。これは、欧文など単語単位で組版する言語では不都合が多いため、エディタで編集をしてからウィキペディアに投稿する編集者の中には、文中の頻繁な改行を好む人もいます(ただし、これはウィキペディアのルールの問題というよりはむしろ、各編集者が長い行をうまく扱えるエディタを使うよう心がけるという問題でしょう)。

1行改行の短所 編集

しかし、この編集中に1回だけ入力した改行が、記事の見た目に何らかの影響を及ぼしてしまう場合があります。たとえば、リンクや、太字斜体 の指定は、途中で改行が入ると改行の後には効果が及びません(これは意図的な仕様で、まちがって段落全体が1つのリンクになってしまったりしないようになっています)。また、*、#、;、:などの箇条書きのマークアップを使用したリストの途中で改行してしまうと、ウィキテキスト言語(ウィキペディアの使用するMediaWikiのマークアップ言語)ではそこでリストが終わり、リストではない新しい段落が始まると解釈されてしまいます。したがって、定義リストのマークアップ(:)を応用してインデントしている文中でも、改行を使うとインデントはそこで解除されてしまい、インデント無しの新たな段落が始まることになってしまいます。

更に、日本語のように分かち書きをせず、文の間や単語の間に空白をいれない言語の場合には、文中に不自然な空白が生じる事にもなります。

例:

入力

金管楽器の構造は'''至って単
純である'''。すなわち
* 息を吹き込む唄口
* 音量を増大させるための朝顔
を持ち、それらは
円筒または円錐状の管で繋がれている。

出力

金管楽器の構造は至って単 純である。すなわち

  • 息を吹き込む唄口
  • 音量を増大させるための朝顔

を持ち、それらは 円筒または円錐状の管で繋がれている。

さらに、版間の差分を比較する上で、改行を入れておくことがどのように役立つのかはっきりさせるのは実は難しいところです。なぜなら、改行を入れることによるメリットは、どうやら表示される文章の量が減ることぐらいしかないからです。実際、無秩序に入れた改行のせいで、ソフトウエアの機能がうまく発揮されないこともあります。例えば段落全体が表示される代わりに、一文が改行でいくつにも区切られていて、文の一部しか表示されないことです。

関連項目 編集