平岡昇
平岡 昇(ひらおか のぼる、1904年9月19日 - 1985年12月3日)は、日本のフランス文学者・翻訳家。東京大学名誉教授。
経歴
編集福岡市出身。1923年福岡県立中学修猷館[1]、1925年旧制福岡高等学校文科丙類[2]を経て、1928年東京帝国大学文学部仏文学科[3]を卒業し、研究室副手を務める。
1949年東大教養学部助教授、1954年教授としてフランス語、フランス文学を教え、1965年定年退官、名誉教授、早稲田大学第一文学部教授。1975年定年退職。
18世紀フランスの人権思想などの研究家で、翻訳が多数ある。作家の安岡章太郎は親類にあたる。
著書
編集共編著
編集翻訳
編集- 『作家の心理 ボオドレエル・フロオベエル・スタンダアル ポオル・ブウルジエ 』(山本書店) 1935年
- 『作家論』 (イポリット・テエヌ、秋田滋共訳、芝書店) 1935年
- 『シェイクスピアからミルトンまで』(テーヌ、河内清共訳、大山書店) 1937年
- 『詩人の運命 ステルロ』(アルフレッド・ド・ヴィニー、青木書店) 1939年。改題『ステロ』岩波文庫 1952年
- 『仏蘭西文芸思潮叢書 第8 パスカル小論』(サント・ブーヴ、白水社) 1939年
- 『ボードレール全集 第3巻 審美渉猟』(佐藤正彰等と共編、河出書房) 1939年
- 『孤愁 マリ・ボニファの生涯』(ジャック・ド・ラクルテル、河内清共訳、実業之日本社) 1940年
- 『近代心理論集 1』(ブールジェ、弘文堂書房) 1940年
- 『英国文学史』(テーヌ、創元社) 1940年
- 『悪魔の恋』(ジャック・カゾット、渡辺一夫共訳、逍遥書院) 1948年、のち新版・国書刊行会、世界幻想文学大系 1976年
- 『フランス史』上・下(アンドレ・モロワ、新潮社) 1952 - 1953年、のち新潮文庫
- 『禁じられた遊び』(フランソワ・ボワイエ、ダヴィッド社) 1953年
- 『ベートーヴェンの生涯』(ロマン・ロラン、河出文庫) 1955年
- 『文芸批評』(J・C・カルローニ、ジャン・C・フィルー、白水社、文庫クセジュ) 1956年
- 『ファーブルの昆虫記 1』(実業之日本社) 1957年
- 『クリスチーヌの冒険』(O・ボーケール、講談社、世界少女小説全集13) 1957年
- 『人間不平等起原論』(ルソー、本田喜代治共訳、岩波文庫) 1957年、改版 1972年
- 『ファーブル昆虫記』全3巻(白水社) 1959 - 1960年、のち新版
- 『作家の秘密』(シャルル・ブレバン、紀伊国屋書店) 1959年
- 『ファーブル伝』(ジョルジュ=ヴィクトール・ルグロ、野沢協共訳、白水社) 1960年、のち新版 1990年ほか。講談社文庫でも再刊
- 『印象派』(モーリス・セリュラス、丸山尚一共訳、白水社、文庫クセジュ) 1962年、のち改版 1992年
- 『ラモーの甥』(ディドロ、本田喜代治共訳、岩波文庫) 1964年
- 『社会契約論』(ルソー、根岸国孝共訳、角川文庫) 1965年
- 『エミール』(ジャン=ジャック・ルソー、 河出書房新社、世界の大思想17) 1966年、のち新版
- 『自然と社会』(ルソー、白水社) 1967年、のち新版(抜粋の編訳)
- 『パスカル』(アルベール・ベガン、安井源治共訳、白水社) 1977年
- 『百科全書』(ジャック・プルースト、市川慎一共訳、岩波書店) 1979年
- 『文芸批評の新展望』(ピエール・ブリュネル、川中子弘共訳、白水社、文庫クセジュ) 1985年
参考文献
編集- 平岡昇先生略歴「比較文学年誌」(早稲田大学)1987年