森本和夫
森本 和夫(もりもと かずお、1927年12月6日 - 2012年10月1日)は、日本のフランス文学者、翻訳家、道元研究家。東京大学名誉教授。
経歴
編集奈良県生まれ。東京府立第十一中学校(現・東京都立江北高等学校)東京大学文学部仏文科卒業。同大学院中退、1960年東京大学教養学部助教授(フランス語)、のち教授、1988年定年退官、名誉教授。
はじめサルトルなど実存主義に始まり、メルロ=ポンティ、ロラン・バルト、ジャック・デリダなどを日本に紹介した。 その後フランス思想との関連から道元への関心を深め、『正法眼蔵』の読解を行なっている。 禅をヨーロッパに広めたことで知られる弟子丸泰仙の手引きで坐禅に入った[1]。
著書
編集- 『文学者の主体と現実』(現代思潮社) 1960
- 『存在の破砕』(現代思潮社) 1964
- 『家庭無用論 現代にとって家庭とは何か』(三一書房、三一新書) 1966
- 『実存主義とマルクス主義』(現代思潮社) 1967
- 『文学の主体と現実』(現代思潮社) 1969
- 『沈黙のエロス 評論集』(現代思潮社) 1970
- 『超家庭への透視 家庭無用論』(現代思潮社) 1971
- 『道元とサルトル 「存在」と「無」の哲学』(講談社現代新書) 1974
- 『沈黙の言語』(東京大学出版会、UP選書)1976
- 『反西洋と非西洋』(春秋社) 1981
- 『道元を読む』(春秋社) 1982
- 『正法眼蔵花開いて世界起る』(大蔵出版) 1982
- 『海と空と光と(正法眼蔵講読 1)』(春秋社) 1983
- 『鏡と時と夢と(正法眼蔵講読 2)』(春秋社) 1984
- 『正法眼蔵入門』(朝日選書) 1985
- 『禅のすすめ 道元に学ぶ』(潮文社) 1986
- 『正法眼蔵を読む』(春秋社) 1988
- 『デリダから道元へ <脱構築>と<身心脱落> 』(福武ブックス) 1989、のちちくま学芸文庫 1999
- 『『正法眼蔵』読解』全10巻(筑摩書房) 2003 - 2005:ちくま学芸文庫と単行愛蔵版が同時刊行
共編著
編集翻訳
編集- 『ヒューマニズムとテロル』(モーリス・メルロ=ポンティ、現代思潮社) 1959
- 『マルクス主義と実存主義』(編訳、人文書院) 1963
- 『エロスの涙』(ジョルジュ・バタイユ、現代思潮社) 1964、のちちくま学芸文庫 2001
- 『弁証法的理性批判 第1巻 実践的総体の理論 第2』(平井啓之共訳、人文書院、サルトル全集27) 1965
- 『零度の文学』(ロラン・バルト、現代思潮社) 1965、のち改題『エクリチュールの零度』(ちくま学芸文庫) 1999
- 『婚姻の原理 結婚を超えるための結婚論集』(編訳、現代思潮社) 1971
- 『疎外と工業社会』(フランソワ・ペルー、紀伊国屋書店) 1971
- 『正法眼蔵』(河出書房新社、日本の古典12 道元) 1973
- 『シュールレアリスム宣言集』(アンドレ・ブルトン、現代思潮社) 1975
- 『Satori体験 フランス人の参禅記』(ジャック・ブロス、ティビーエス・ブリタニカ) 1980
- 『迷える心を超えて フランスからの禅入門』(ロラン・レッシュ、河出書房新社) 1998
- 『言葉にのって』(ジャック・デリダ、林好雄, 本間邦雄共訳、ちくま学芸文庫) 2001
- 『ニーチェは、今日?』(ジャック・デリダ, ジル・ドゥルーズ, ジャン・フランソワ・リオタール, ピエール・クロソウスキー、林好雄, 本間邦雄共訳、ちくま学芸文庫) 2002
アンリ・ルフェーヴル
編集- 『マルクス主義の現実的諸問題』(アンリ・ルフェーヴル、現代思潮社) 1958
- 『総和と余剰』第1、5、6部(ルフェーヴル、現代思潮社) 1959 - 1961
- 『都市への権利』(ルフェーヴル、筑摩叢書) 1969、のちちくま学芸文庫 2011
- 『『五月革命』論 突入 - ナンテールから絶頂へ』(ルフェーヴル、筑摩書房) 1969
- 『現代世界における日常生活』(ルフェーヴル、現代思潮社) 1970