足立和浩
人物編集
埼玉県浦和市(現・さいたま市浦和区)生まれ。1960年、東京都立新宿高等学校卒業。1965年、東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻修士課程入学。森本和夫の指導を受けた。1967年、修士課程修了、東大教養学部助手。1972年、ジャック・デリダの『グラマトロジーについて』をいち早く翻訳、1973年、立教大学専任講師、1975年、東京都立大学助教授。1981年、哲学奨励山崎賞受賞。1987年、急逝。
日本ではまだほとんど知られていない時代に、デリダの主著を日本語訳した人物である。当時、沢崎浩平、豊崎光一とともに、フランス現代思想の翻訳者の早世が相次いだ。
著書編集
- 『戯れのエクリチュール』(現代思潮社、1978年)ISBN 4329000717
- 『人間と意味の解体: 現象学・構造主義・デリダ』(勁草書房、1978年)ISBN 4326150882
- 『知への散策: エクリチュールをめぐって』(白水社、1980年)ISBN 4560048479
- 『笑いの戦略: 山崎賞選考委員会』(河出書房新社、1984年)ISBN 4309240712
- 『笑いのレクチュール』(青土社、1986年)
翻訳編集
- ジャック・デリダ『根源の彼方に グラマトロジーについて』現代思潮社、1971年 - 1972年
- 『サルトル全集 28 弁証法的理性批判 3』平井啓之共訳 人文書院、1973年
- R・D・レイン、D.G.クーパー『理性と暴力 サルトル哲学入門』番町書房、1973年
- 『マルセル・モースの世界』(アルク誌 みすず書房、1974年)
- ジル・ドゥルーズ『ニーチェと哲学』国文社、1974年
- ポール・フルキエ『哲学講義 2』竹田篤司共訳 筑摩書房、1976年/ちくま学芸文庫、1997年
- アンドレ・ブルトン『通底器』現代思潮社、1978年
- クリスチャン・シャバニス『死をめぐる対話』吉田葉菜共訳 時事通信社、1986年
- ジュリア・クリステヴァ『ポリローグ』白水社、1986年
参考編集
- 「足立和浩助教授略歴・研究業績」(沢崎浩平教授・足立和浩助教授追悼号) 人文学報(都立大)1989-03