永島まなみ
永島 まなみ(ながしま まなみ、2002年10月27日 - )は、日本中央競馬会(JRA)所属の騎手。高橋康之厩舎(栗東トレーニングセンター)所属。父は地方競馬の兵庫県競馬組合に所属していた元騎手で現在は調教師の永島太郎。
永島まなみ | |
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第29回マーメイドS表彰式(2024年6月16日) | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 兵庫県 |
生年月日 | 2002年10月27日(22歳)[1] |
身長 | 159.8 cm[1] |
体重 | 45.4 kg[1] |
血液型 | A型[1] |
騎手情報 | |
所属団体 | 日本中央競馬会(JRA) |
所属厩舎 | 高橋康之(栗東) |
バレット | 永島みなみ |
エージェント | 吉井慎一[2] |
初免許年 | 2021年 |
免許区分 | 平地・障害 |
2021年に古川奈穂とともに藤田菜七子以来5年ぶりのJRA所属女性騎手としてデビューした。粘り強さを持ち味とする[3]。
来歴・人物
兵庫県で生まれる。騎手だった父親に憧れて5歳から乗馬を始める。
2015年、ジョッキーベイビーズ関西地区予選に出場。
2018年、競馬学校騎手課程37期生として入学。在学中から直接指導を受けていた栗東トレーニングセンター・高橋康之厩舎に所属。
2021年、騎手免許を取得[4]。
同期には、小沢大仁、永野猛蔵、角田大和、古川奈穂、松本大輝、横山琉人、西谷凜がいる。
目標騎手として、武豊と岩田康誠(2006年まで父・太郎と同じ兵庫県競馬に所属していた)を挙げている[1]。
2021年
2月9日、JRA騎手免許試験に合格[5]。
3月6日、小倉競馬第2Rでデビュー。6番人気のフェイトリッパーに騎乗して4着だった[6]。
3月14日、中京競馬第2Rでアクイールに騎乗して初勝利を挙げた[7]。
4月10日、新潟競馬第7Rでランランウィングに騎乗。オパールシャルム騎乗の藤田菜七子に次いで2着となり、JRA史上初の女性騎手によるワンツーフィニッシュを飾った[8]。なお、この日は古川奈穂も新潟で騎乗しており、3R・4R・9Rで女性騎手3人の同一レース騎乗が実現した。これは1998年9月13日中山第2Rの牧原由貴子・田村真来・板倉真由子の3人以来23年ぶりの出来事となった[8]。
4月17日、新潟第7Rでモノポリーアイズに騎乗して3着。このレースでは古川奈穂がクラウンデザイアーで1着、2着に藤田菜七子のキムケンドリームが入り、JRA史上初の女性騎手によるワンツースリーとなった[9][10]。
5月16日、新潟第3Rをベルゼールで勝利。同日の新潟第6Rでは藤田菜七子が勝利しており、2000年12月10日に細江純子と西原玲奈が同日に勝利を挙げて以来20年ぶりとなる、複数の女性騎手による同日勝利となった[11]。
9月22日、園田競馬場で行われたヤングジョッキーズトライアルラウンドに出場した。兵庫県競馬の調教師である父・太郎が見守る中、チェリーウラノスに騎乗して1着となり園田での初勝利となった[12]。
2022年
5月15日、中京1Rで12番人気(単勝173.7倍)のガレットジョーカーに騎乗して勝利。単勝万馬券、3連単は73万超の高配当となった[13]。
2023年
3月15日、姫路競馬12Rタンポポ賞で、父・永島太郎調教師の管理するメイショウオニテに騎乗して1着となり、初めての親子コンビを勝利を飾った[14]。レース後の口取りでは、太郎師が騎手時代に着用していた勝負服をまなみが身にまとって写真撮影した。
4月23日、第1回福島競馬で7勝を挙げて開催リーディングとなる。JRAで女性騎手が開催リーディングを獲得したのは、2019年の藤田菜七子(第3回新潟競馬)以来2人目となった[15]。
5月3日、騎手控室でのスマートフォンの使用により、2023年5月13日から2023年6月11日まで30日間の騎乗停止となった[16]。6月18日、阪神8Rでカネフラに騎乗してJRA復帰後初勝利を挙げた[17]。
10月14日、新潟競馬11レース・飛翼特別にてアジアノジュンシンに騎乗して1着となり、デビュー以来メイン競走での初勝利を挙げた。
12月10日、阪神ジュベナイルフィリーズでスウィープフィートでGI初騎乗[18]。結果は7着だが人気より上位着順となる[18]。
この年、30日間の騎乗停止があったにも関わらず、今村聖奈が記録した女性年間最多勝利の51勝にはわずかに届かなかったが、女性騎手で史上2人目となる50勝を達成した[19]。
2024年
3月3日、小倉1Rにて14番人気(単勝115・6倍)のラブカムーンに騎乗し、自身3度目の単勝万馬券となる勝利に導いた[20]。
3月23日、中京1Rの3歳未勝利で1着となり、中央・地方交流を合わせ101勝として見習い騎手(免許取得5年未満で100勝以下)を卒業した[21]。
6月16日、第29回マーメイドSにて前走2勝クラス勝ちから格上挑戦の4番人気で最軽量タイのハンデ50キロのアリスヴェリテに騎乗、スタートから先手を主張し、前半1000mを58秒3のペースで後続を大きく引き離した逃げを打つと、直線向いても脚色は鈍ることなく2着に2馬身差をつけて逃げ切り1着となり、10度目の重賞挑戦で初勝利を挙げる[22]。JRA所属の女性騎手による3人目のJRA重賞勝利となった[23]。
7月6日の小倉3Rでヨシノヤッタルデーに騎乗し1着となり、女性騎手として藤田菜七子に続く2人目のJRA通算100勝を達成した[24]。初騎乗から通算1688戦目で、女性騎手では藤田菜七子の通算2150戦目を抜いて最速となる[24]。
騎乗成績
概要
日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初出走 | 2021年3月6日 | 2回小倉7日2R | 3歳未勝利 | フェイトリッパー | 16頭 | 6 | 4着 |
初勝利 | 2021年3月14日 | 2回中京2日2R | 3歳未勝利 | アクイール | 9頭 | 4 | 1着 |
重賞初騎乗 | 2023年7月2日 | 3回中京2日11R | CBC賞 | アビエルト | 12頭 | 11 | 12着 |
重賞初制覇 | 2024年6月16日 | 4回京都6日11R | マーメイドステークス | アリスヴェリテ | 16頭 | 4 | 1着 |
GI初騎乗 | 2023年12月10日 | 5回阪神4日11R | 阪神ジュベナイルフィリーズ | スウィープフィート | 18頭 | 9 | 7着 |
年度別成績
中央競馬
年度 | 1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 表彰 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 | 7 | 7 | 9 | 268 | .026 | .052 | .086 | |
2022年 | 21 | 17 | 18 | 418 | .050 | .091 | .134 | |
2023年 | 50 | 37 | 42 | 619 | .081 | .141 | .201 | |
中央 | 78 | 61 | 69 | 1305 | .060 | .107 | .159 |
出典: JRA日本中央競馬会 騎手名鑑の過去成績より
地方競馬
年度 | 1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 | 1 | 0 | 0 | 8 | .125 | .125 | .125 |
2022年 | 4 | 4 | 5 | 20 | .200 | .400 | .650 |
2023年 | 14 | 12 | 5 | 57 | .246 | .456 | .543 |
地方 | 19 | 16 | 10 | 85 | .224 | .412 | .529 |
出典: 地方競馬全国協会 データ情報より
代表騎乗馬
重賞競走優勝馬
- アリスヴェリテ(2024年マーメイドステークス)
エピソード
2022年11月の福島開催から、4歳年上の姉・永島みなみがバレットを務めている。みなみは高校卒業後にまなみや家族のサポートを目指し、専門学校に3年通って鍼灸師の資格を取得。鍼灸師の仕事と並行して競馬開催日にまなみのバレットとしてサポートしている[25]。
注釈
出典
- ^ a b c d e “永島 まなみ(2021年 ルーキーズ)”. 日本中央競馬会. 2021年4月13日閲覧。
- ^ 騎乗依頼仲介者一覧(栗東) JRA公式ホームページ 2024年10月17日時点
- ^ “永島まなみ騎手、この日2勝目で今年30勝到達「持ち味を生かすように競馬しました」/京都7R”. 日刊スポーツ (2023年10月8日). 2023年10月8日閲覧。
- ^ “菜七子以来、女性騎手5年ぶり誕生 古川奈穂さん&永島まなみさん”. netkeiba.com. 2021年4月13日閲覧。
- ^ “2021年度 調教師・騎手免許試験合格者 JRA”. 日本中央競馬会. 2021年4月13日閲覧。
- ^ “5年ぶり誕生の女性騎手 永島まなみデビュー戦4着「向上していきたい」【小倉2R 3歳未勝利】”. 中日スポーツ. (2021年3月6日) 2021年4月13日閲覧。
- ^ “永島まなみ、12戦目でデビュー初勝利!女性騎手では2位タイ 師匠の馬でのVに喜び”. netkeiba.com. 2021年4月13日閲覧。
- ^ a b “JRA史上初の女性騎手ワンツー!菜七子&まなみが決めた 23年ぶり女性3騎手対決も”. netkeiba.com. 2021年4月13日閲覧。
- ^ “【4歳以上1勝クラス】(新潟7R) 古川奈穂騎手騎乗のクラウンデザイアーが勝利してJRA史上初の女性騎手ワンツースリー | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年4月17日閲覧。
- ^ “JRA史上初の女性騎手ワンツースリー!古川奈がデビュー6勝目”. サンケイスポーツ. (2021年4月17日) 2021年4月17日閲覧。
- ^ “女性騎手20年ぶり同日2人勝利 まなみ3勝目、菜七子は連日V | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年5月17日閲覧。
- ^ “永島まなみ“地元”園田で初星 父・太郎師も祝福「勝ってくれて良かった」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年9月23日閲覧。
- ^ 永島まなみが単勝万馬券で今年5勝目「真面目な馬なので最後までしっかり走ってくれました」 - 東スポ競馬 2022年5月15日
- ^ “永島まなみ騎手、初の“親子タッグ”成功 姫路12Rを父・太郎師の管理馬で勝利 - 共通 | 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年7月10日閲覧。
- ^ “永島まなみ、福島開催リーディング!19年秋の藤田菜七子以来、女性騎手2人目の快挙 - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年6月15日閲覧。
- ^ “騎手控室にスマホ持ち込みネット閲覧、調整ルームで通話も JRA若手6人騎乗停止 - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年6月28日閲覧。
- ^ “騎乗停止明けの永島まなみ、JRA復帰後初勝利 今村聖奈、古川奈穂に続いた - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年6月28日閲覧。
- ^ a b “【阪神JF】永島まなみ騎手のG1初騎乗 スウィープフィートは7着”. UMATOKU | 馬トク - スポーツ報知' (2023-12-10JST15:59:00+0900). 2023年12月10日閲覧。
- ^ “永島まなみ、自己最高50勝と大躍進!女性年間歴代最多には1勝届かず 今村聖奈は昨年から半減の25勝 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年6月28日閲覧。
- ^ 永島まなみが自身3度目の“単勝万馬券”演出…小倉1Rを14番人気馬で「走り出せば真面目ですね」今年のJRA6勝目に笑顔 - 中日スポーツ・東京中日スポーツ 2024年3月3日
- ^ “【中京1R】永島まなみ 101勝で見習騎手卒業「まだ課題は多いですが…」 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年3月24日閲覧。
- '^ “【マーメイドS】永島まなみ騎手が最軽量ハンデ&格上挑戦のアリスヴェリテで大逃げ打ち初タイトル JRA女性騎手3人目の快挙”. UMATOKU | 馬トク - スポーツ報知 (2024-06-16JST15:44:00+0900). 2024年6月16日閲覧。
- ^ 前2例は、藤田菜七子(2018年カペラS)、今村聖奈(2022年CBC賞)
- ^ a b “永島まなみ騎手が女性騎手2人目のJRA通算100勝「もっと上を目指せるように頑張りたいです」”. UMATOKU | 馬トク - スポーツ報知' (2024-07-06JST11:45:00+0900). 2024年7月6日閲覧。
- ^ 永島まなみ騎手活躍の影に姉の存在あり バレットのみなみさん「落ち着ける場所であれば」 - UMATOKU 2023年3月28日
関連項目
外部リンク
- 2021年 ルーキーズ永島 まなみ - 日本中央競馬会
- 永島 まなみの騎手情報 - 競馬ラボ