あきづき (護衛艦・2代)

海上自衛隊の護衛艦、あきづき型護衛艦1番艦

あきづきローマ字JS Akizuki, DD-115)は、海上自衛隊護衛艦あきづき型護衛艦 (2代)の1番艦。艦名は「秋の月」に由来し、旧海軍の防空駆逐艦秋月型駆逐艦1番艦「秋月」、海上自衛隊の自衛艦隊及び護衛艦隊旗艦を務めたあきづき型護衛艦 (初代)あきづき」など伝統ある名称であり知名度が高いことから選定された[1]。なお、この名を受け継ぐ日本の艦艇は3代目に当たる。

あきづき
基本情報
建造所 三菱重工業 長崎造船所
運用者  海上自衛隊
艦種 汎用護衛艦(DD)
級名 あきづき型
建造費 750億円
母港 佐世保
所属 第1護衛隊群第5護衛隊
艦歴
計画 平成19年度計画
発注 2007年
起工 2009年7月17日
進水 2010年10月13日
竣工 2012年3月14日
要目
基準排水量 5,050トン
満載排水量 6,800トン
全長 150.5m
最大幅 18.3m
深さ 10.9m
吃水 5.4m
機関 COGAG方式
主機 SM1Cガスタービンエンジン × 4基
出力 64,000PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
速力 最大30kt
乗員 約200名
兵装 62口径5インチ単装砲 × 1基
高性能20ミリ機関砲CIWS) × 2基
90式SSM 4連装発射筒 × 2基
Mk.41 Mod29 VLS (32セル)
HOS-303 3連装短魚雷発射管 × 2基
搭載機 SH-60K 哨戒ヘリコプター ×1/2機
C4ISTAR MOFシステムSUPERBIRD B2)
海軍戦術情報システム
OYQ-11 ACDSリンク 11/14/16
FCS-3A FCS
レーダー FCS-3A 多機能レーダー × 1基
OPS-20C 対水上レーダー × 1基
ソナー OQQ-22 統合ソナー・システム
電子戦
対抗手段
NOLQ-3D 統合電子戦システム
Mk.137 6連装デコイ発射機 × 4基
その他 曳航具4型 対魚雷デコイ
投射型静止式ジャマー (FAJ) 4連装発射機 × 1基
自走式デコイ (MOD) 4連装発射機 × 1基
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本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはあきづき型護衛艦 (2代)を参照されたい。

艦歴 編集

「あきづき」は、中期防衛力整備計画に基づき平成19年度計画5,000トン型護衛艦2244号艦として、三菱重工業長崎造船所で2009年7月17日に起工され、2010年10月13日に命名・進水[2]、2011年7月28日に公試開始、2012年3月14日に就役し、第1護衛隊群第5護衛隊に編入された。定係港は佐世保基地

2015年7月5日第22次派遣海賊対処行動水上部隊として護衛艦「さわぎり」と共にソマリア沖・アデン湾に向けて佐世保基地から出航[3]、任務を終了後の同年12月18日に帰国した[4]

2021年4月18日、第5次派遣情報収集活動水上部隊として佐世保基地から出港。乗員全員に対しPCR検査を実施すると共に、日本近海において14日間にわたり訓練等を行い、乗員の健康観察を実施した後、中東方面に向け進出し、2021年5月後半に「すずなみ」から任務を引き継いだ[5][6]。任務終了後の帰国途上の10月19日から23日にかけて、南シナ海において米海軍駆逐艦ミリウス」と[7]、10月25日には沖縄東方において米海軍駆逐艦「ベンフォールド」、オーストラリア海軍駆逐艦「ブリスベン」と共同訓練を実施した[8]。同年10月30日、佐世保に帰港した[9]

歴代艦長 編集

歴代艦長(特記ない限り2等海佐
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
艤装員長
- 高田昌樹 2010.10.13 - 2012.3.14 防大29期  ありあけ艦長 あきづき艦長
 艦長
01 髙田昌樹  2012.3.14 - 2013.8.19 防大29期  あきづき艤装員長 佐世保海上訓練指導隊指導部長  
02 渕 孔 2013.8.20 - 2015.1.29   艦艇開発隊艦艇第2科長 艦艇開発隊
03 麻生康晴 2015.1.30 - 2016.12.19 まきなみ艦長  
04 石井和徳 2016.12.20 - 2018.5.9 艦艇開発隊艦艇第2科長 自衛艦隊司令部
兼 護衛艦隊司令部
05 那須靖司 2018.5.10 - 2019.4.7 せんだい艦長 海上自衛隊第1術科学校教官
兼 研究部員
06 柴田悟朗 2019.4.8 - 2020.7.16 防大44期 統合幕僚監部指揮通信システム部
指揮通信システム課
情報業務群電子情報支援隊研究指導科長
07 中澤憲弥 2020.7.17 - 2022.3.17 防大47期 第4護衛艦隊司令部幕僚 海上自衛隊幹部学校 2022.1.1
1等海佐昇任
08 清 香織 2022.3.18 - 2023.8.17 早稲田大学
55期幹候
自衛艦隊司令部 海上自衛隊幹部学校付 2023.7.1
1等海佐昇任
09 小松大祐 2023.8.18 -

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ 海上自衛隊公式サイト:命名・進水式なおこのページでは基準排水量約5,000トン全長150.5m 幅18.3m 深さ10.85mとなっている
  2. ^ MSN産経ニュース新型護衛艦「あきづき」進水に歓声、三菱重工長崎造船所2010年10月13日
  3. ^ 派遣海賊対処行動水上部隊の交代について (PDF)
  4. ^ アデン湾における派遣海賊対処行動に従事した艦艇の入港について (PDF)
  5. ^ 派遣情報収集活動水上部隊護衛艦「あきづき」の出港について 2021年4月6日、統合幕僚監部 (PDF)
  6. ^ 防衛省・自衛隊 [@ModJapan_jp] (2021年4月18日). "【大西防衛大臣政務官の動静】". X(旧Twitter)より2021年4月18日閲覧
  7. ^ 日米共同訓練について2021年10月24日、海上幕僚監部 (PDF)
  8. ^ 日米豪共同訓練について2021年10月26日、海上幕僚監部 (PDF)
  9. ^ 派遣情報収集活動水上部隊の帰港について2021年10月15日、統合幕僚監部 (PDF)

参考文献 編集

関連項目 編集