玄武岩(げんぶがん、: basalt[1])は、苦鉄質火山岩の一種。深成岩斑れい岩に対応する。

玄武岩
火成岩
玄武岩
構成物
主要構成物 輝石かんらん石斜長石
他構成物 磁鉄鉱
プロジェクト:地球科学Portal:地球科学
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火山岩のQAPF図;
Q:石英、A:アルカリ長石、P:斜長石、F:準長石

火成岩は全岩化学組成(特にSiO2の重量%)で分類され、そのうち玄武岩はSiO2が45 - 52%で斑状組織を有するもの。斑晶は肉眼で見えないほど小さい場合もある。肉眼での色はっぽいことが多いが、ものによっては灰色に見えることもあり、また含まれる鉄分酸化によって - 紫色のこともある。

成分・種類

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斑晶および石基として、有色鉱物である輝石かんらん石無色鉱物である斜長石等を含む。アルカリ玄武岩はケルスート閃石英語版金雲母を含むこともある。

玄武岩マグマを生じる上部マントル部分溶融度が大きければソレアイト玄武岩 (tholeiitic basalt) 、部分溶融度が小さければアルカリ玄武岩 (alkali basalt) となる。

化学組成[2]
成分 アルカリ
玄武岩
洪水
玄武岩
海洋島
玄武岩
深海底
玄武岩
島弧
玄武岩
SiO2 45.4 50.01 50.51 50.68 51.9
TiO2 3.00 1.00 2.63 1.49 0.80
Al2O3 14.70 17.08 13.45 15.60 16.00
Cr2O3 -00 -00 -00 -00 -00
Fe2O3 4.10 -00 1.78 -00 -00
FeO 9.20 10.01 9.59 9.85 9.56
MnO -00 0.14 0.17 -00 0.17
MgO 7.80 7.84 7.41 7.69 6.77
CaO 10.50 11.01 11.18 11.44 11.80
Na2O 3.00 2.44 2.28 2.66 2.42
K2O 1.00 0.27 0.49 0.17 0.44
P2O5 -00 0.19 0.28 0.12 0.11
合計 98.70 99.99 99.77 99.70 100.0

生成される場所

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玄武岩は地球表面で最も一般的に見られる岩石であるが、その生成する場所を列記する。玄武岩質溶岩は流動性が高く、高い火山噴火した場合遠くまで流れて溶岩流となり、平坦な場所で噴出すると平らな台地を形成する。

玄武岩には磁鉄鉱が含まれており弱い磁気を帯びている。この磁気の方向は溶岩が冷えて固まる時の地磁気の影響を受けている。地磁気は平均すると数万年単位でNとSが入れ替わるので、玄武岩の磁気を測定すれば噴火時期特定の有力なデータとなる。

名前の由来

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玄武洞(玄武洞公園内)

英語名 basalt の語源は、ギリシャ語βάσανοςbasanos試金石の意味)に関係あるからとも、この岩石が豊富に産出されたヨルダン東部のバシャンBashan聖書ではオグ王国とされているところ)に由来し lapis basanitis 「Bashan の石」の意ともいわれている(なおベイサナイト(バサナイト、バサン岩)英語版ドイツ語版の語源に関しても同様の説がある)。

玄武岩の日本語訳は、兵庫県城崎温泉の近くにある玄武洞にちなんで小藤文次郎1884年明治17年)に命名したものである[3]。玄武洞は約165万年前に噴火した溶岩流で、六角形柱状節理が見事な玄武岩の岩山にある洞窟。ちなみに玄武とは、中国神話方位を司る神(四神)のうち、北方に相当するが合体した神体で、黒色の意味もある。

用途・加工法

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イタリアを拠点とするカメラ関連機器メーカーのジッツオが過去に、玄武岩を素材に用いた三脚を生産・販売していた。

脚注

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  1. ^ 文部省 編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、26頁。ISBN 4-8181-8401-2 
  2. ^ 国立天文台 編「おもな火成岩の化学組成」『理科年表 平成20年』丸善、2007年、631頁。ISBN 978-4-621-07902-7 
  3. ^ 土`山明, 宮脇律郎, 宮島宏, 長瀬敏郎, 豊遥秋, 坂野靖行, 土谷信高, 下林典正「日本鉱物科学会の国石選定事業と国石「ひすい」」『岩石鉱物科学』第46巻第3号、日本鉱物科学会、2017年、108-115頁、doi:10.2465/gkk.46.H 

参考文献

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関連項目

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