アンドルー・レイノルズ
アンドルー・レイノルズ(Andrew Rannells、1978年8月23日 - )は、アメリカ合衆国の俳優、歌手である。アンドリュー・ラネルズとも表記される。
アンドルー・レイノルズ Andrew Rannells | |
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ペイリー・フェストにて(2015年) | |
本名 | Andrew Scott Rannells |
生年月日 | 1978年8月23日(46歳) |
出生地 | アメリカ合衆国 ネブラスカ州 オマハ |
職業 | 俳優、歌手 |
活動期間 | 1995年 - |
レイノルズはトニー賞にノミネートされた、2011年のミュージカル『ブック・オブ・モルモン』のエルダー・プライス役で知られている。オリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディングのアルバム『ブック・オブ・モルモン』は、2012年のグラミー賞を受賞した。
また、2016年にリバイバル上演されたミュージカル『Falsettos』のウィザー役でもトニー賞にノミネートされた。
ブロードウェイでよく知られた出演作は、他に、『ヘアスプレー』、『ジャージー・ボーイズ』、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、『ハミルトン』がある。
"Rannells"(レイノルズ)は"Reynold"(レイノルド)を元にして"Reynals"(レイノルズ)の変化したものとみなされている[1]。
経歴
編集アンドルー・スコット・レイノルズはネブラスカ州オマハに、ロナルド・レイノルズとシャーロット夫妻の第4子として生まれた[2]。レイノルズ一家はオマハ近くのクレイトンパークに住んでいた[2] 。5人兄弟であり、一家はアイルランド系とポーランド系の両方の出自がある[2][3]。
レイノルズはアワー・レディ・オブ・ルーデス高校と男子校のクレイトン予備校に通学していた[3][4]。また、エミー・ギフォード・チルドレンズ・シアターで受講し、オマハ・コミュニティ・プレイハウス、ファイアーハウス・ディナー・シアター、ダンディー・ディナー・シアターに出演していた[2][5]。
高校卒業後、1997年にニューヨークに移り、メリーマウント・マンハッタン大学のシアターで2年間学んだ。その後、役を得るためのオーディションを受け始めた[6]。
キャリア
編集2001年から2004年までの3年間は、ニューヨークにあるアニメーション制作会社の"4Kids Entertainment"で仕事をしていた。当時は、"4Kids"や"DIC"でのテレビ番組とテレビゲームの声優の仕事が中心であった[7]。
ブロードウェイに登場する以前は、地方のシアター公演で、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、『モダン・ミリー』、『ミス・サイゴン』などのミュージカルに出演していた[8]。転機となったのは、2002年にテキサス州オースティンにあるザッカリー・スコット・シアター・センターで上演された『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のヘドウィグ役であった[9]。この役の優れた業績に対して、2002年9月に"B. Iden Payne Awards"の主演男優賞を受賞した[10]。
2005年、レイノルズはブロードウェイで上演されていたミュージカル『ヘアスプレー』に、リンク・ラーキン役で出演[11]。本作がブロードウェイでの初舞台であり、ブレイクを果たす[3]。翌2006年、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』のボブ・ゴーディオ役でUSツアーに参加した。
アニメ『サウスパーク』のクリエイターであるトレイ・パーカーとマット・ストーンによって製作され、『アベニューQ』のロバート・ロペスの作曲によるミュージカル『ブック・オブ・モルモン』が、2011年3月24日から上演された。レイノルズはオリジナルキャストのエルダー・プライス役で出演し、好評のため2012年6月10日まで出演を続けた。この作品でレイノルズはトニー賞のミュージカル主演男優賞にノミネートされた。また、レイノルズが参加したオリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディングのアルバム『ブック・オブ・モルモン』は、2012年のグラミー賞で最優秀ミュージカル・シアター・アルバムに選ばれた[12]。
2012年に映画『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』に出演し、マニーというストリッパーの役を演じた。テレビ番組では、2012年から2013年に放送された『New Normal おにゅ~な家族のカタチ』にブライアン・コリンズ役で出演した[13][14]。
2015年10月27日から11月29日まで、ブロードウェイミュージカル『ハミルトン』に、ジョージ三世役で出演。ただし、ジョナサン・グロフが『ルッキング』のドラマ撮影予定を終了するまでのための代役であった[15]。
私生活
編集レイノルズは、高校の頃から自身がゲイであることを自覚していた[16][3]。18歳の時に家族に打ち明けたが、家族はすでにそのことを悟っていた[17]。シアターでの友人たちには明らかにしていたが、高校に通っていた頃までは周りにオープンにはしていなかった[3]。
出演作品
編集舞台
編集上演年 | 邦題 原題 |
役名 原表記 |
備考 |
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2000 – 2001 | Pokémon Live! | James | バリトン/テノール |
2004 | It’s karate, kid! | Johnny Lawrence | オフ・オフ・ブロードウェイ 会場:テアトロ・ラ・ティー |
2005 | ヘアスプレー Hairspray |
フェンダー/リンク・ラーキン Fender / Link Larkin |
ブロードウェイ/リプレイスメント[18] 会場:ニール・サイモン劇場 |
2006 | The 60's Project | Performer | ワールドプレミア(イギリス・チェスター) 会場:テリス劇場 |
2006 | One Step Forward | ニュー・ミュージカルズ・フェスティバル 会場:ニュー・ワールド・ステージズ | |
2007 | ジャージー・ボーイズ Jersey Boys |
ボブ・ゴーディオ Bob Gaudio |
USツアー(第1回全国ツアー)[19] |
2009 | ブロードウェイ/リプレイスメント 会場:オーガスト・ウィルソン劇場 | ||
2010 | Smokey Joe’s Cafe | 会場:ペーパー・ミル・プレイハウス | |
2010 | Lysistrata Jones | Michelangelo "Mick" Jackson | オリジナルキャスト[20] 会場:ダラス・シアター・センター |
2011 | ブック・オブ・モルモン The Book of Mormon |
エルダー・プライス Elder Price |
オリジナルキャスト 会場:ユージン・オニール劇場 |
2014 | ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ Hedwig and the Angry Inch |
ヘドウィグ Hedwig |
リプレイスメント 会場:ベラスコ劇場 |
2015 | ハミルトン Hamilton |
ジョージ三世 King George III |
5週間の代役 会場:リチャード・ロジャース劇場 |
2016 | Falsettos | Whizzer | ブロードウェイ・リバイバル 会場:ウォルター・カー劇場 |
2018 | 真夜中のパーティー Boys in the Band |
ラリー Larry |
ブロードウェイ 会場:ブース劇場 |
映画
編集公開年 | 邦題 原題 |
役名 原表記 |
備考 |
---|---|---|---|
2010 | セックス・アンド・ザ・シティ2 Sex and the City 2 |
ウェディング・コーラス Wedding Chorus |
|
2012 | バチェロレッテ あの子が結婚するなんて! Bachelorette |
マニー Manny |
|
2015 | マイ・インターン The Intern |
キャメロン Cameron |
|
2016 | ウェディング・バトル アウトな男たち Why Him? |
ブライン・ペダーマン Blaine Pederman |
|
2020 | ボーイズ・イン・ザ・バンド The Boys in the Band |
ラリー Larry |
Netflix映画 |
ザ・プロム The Prom |
トレント・オリヴァー Trent Oliver |
||
私の人生、代役に頼んでみた The Stand In |
ニコ Nico |
テレビシリーズ
編集放映年 | 邦題 原題 |
役名 原表記 |
備考 |
---|---|---|---|
2012 – 2017 | GIRLS/ガールズ Girls |
イライジャー・クランツ Elijah Krantz |
計35話出演 |
2012 – 2013 | New Normal おにゅ~な家族のカタチ The New Normal |
ブライアン・コリンズ Bryan Collins |
計22話出演 |
2013 – 2014 | ママと恋に落ちるまで How I Met Your Mother |
ダーレン Darren |
計2話出演 |
2015 | The Knick/ザ・ニック The Knick |
フレイジャー・H・ウィンゴー Frazier H. Wingo |
計4話出演 |
2016 | Another Period | Bertram Harrison Fusselforth VII | 計3話出演 |
2016 | Drunk History | John A. Roebling | 第4シーズン第8話 "Landmarks" |
2017 | ふたりは友達? ウィル&グレイス Will & Grace |
レジー Reggie |
第9シーズン第4話 "Grandpa Jack" |
2018 | ロマノフ家の末裔 〜それぞれの人生〜 The Romanoffs |
デヴィッド・パットン David Patton |
第5話『虚像の調べ』 |
2019 - | Black Monday | Blair Pfaff | 計30話出演 |
2021 | Girls5eva | Kev | 計3話出演 |
テレビアニメーション
編集声優
編集- Street Sharks-Streex, Shrimp Louie,1995-1997
- Archie's Weird Mysteries-Archie Andrews,1999
- Yu-Gi-Oh! Duel Monsters(遊戯王デュエルモンスターズ)-Mako Tsunami, Noah Kaiba, Leon von Schroeder/Leon Wilson,2000
- Cubix-Connor(Lead role),2001
- Shaman King(シャーマンキング)-Len Tao,2001
- Liberty's Kids-Alexander Hamilton(Guest role),2002
- Ultimate Muscle,2002
- Tokyo Mew Mew(東京ミュウミュウ)-Dren, Wesley J. Coolridge III,2002
- Teenage Mutant Ninja Turtles(ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ),2003
- Comedy Bang! Bang!-Quinn Abernathy,"Clark Gregg Wears a Navy Blazer & White Collared Shirt",2013
- One Piece(ONE PIECE)-(Young Roronoa Zoro)ゾロ幼少期,2004
- Yu-Gi-Oh! GX2005(遊戯王GX)-Wheeler the Chimpanzee,Belowski,2005
- The Simpsons(ザ・シンプソンズ)-Himself,"How Lisa Got Her Marge Back",2016
- Sofia the First(ちいさなプリンセス ソフィア)-Morris(モーリス),"Beauty Is the Beast",2016
- Big Mouth(ビッグ・マウス)-Matthew(マシュー),2017
- Welcome to the Wayne-Andrei,3 episodes,2017
- Vampirina-King Peppy,The Plant Predicament/Mummy Mayhem",2017
テレビゲーム
編集声優
編集- Yu-Gi-Oh! Capsule Monster Coliseum-Mako Tsunami,2004
- Bully(BULLY)-Bif Taylor,2006
- Yu-Gi-Oh! Duel Links(遊戯王デュエルリンクス)-Mako Tsunami,2016
ディスコグラフィ
編集ミュージカル・シアター・アルバム
編集受賞とノミネート
編集年度 | 賞 | 部門 | 作品 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2011 | トニー賞 | ミュージカル主演男優賞 | ブック・オブ・モルモン The Book of Mormon |
ノミネート |
ドラマ・デスク賞 | ミュージカル主演男優賞 | ノミネート | ||
2012 | グラミー賞 | 最優秀ミュージカル・シアター・アルバム賞 | 受賞 | |
2013 | OFTA賞 | コメディ・シリーズ部門 最優秀ゲスト男優賞 | GIRLS/ガールズ Girls |
ノミネート |
ゴールド・ダービー賞 | 最優秀コメディ・ゲスト男優賞 | ノミネート | ||
ドリアン賞 | ライジング・スター賞 | ノミネート | ||
2014 | ゴールド・ダービー賞 | 最優秀コメディ・ゲスト男優賞 | GIRLS/ガールズ Girls |
ノミネート |
批評家協会テレビ賞 | コメディ・シリーズ部門 最優秀ゲスト・パフォーマー賞 | ノミネート | ||
2015 | Broadway.com オーディエンス賞 | 男優部門 フェイバリット・リプレイスメント賞 | ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ Hedwig and the Angry Inch |
ノミネート |
2016 | ハミルトン Hamilton |
ノミネート | ||
2017 | ミュージカル部門 フェイバリット助演男優賞 | Falsettos | 受賞 | |
トニー賞 | ミュージカル助演男優賞 | ノミネート | ||
2021 | 批評家協会テレビ賞 | コメディ・シリーズ部門 最優秀助演男優賞 | Black Monday | ノミネート |
出典
編集- ^ “Surname Database: Rannells Last Name Origin” (英語). The Internet Surname Database. 2019年6月18日閲覧。
- ^ a b c d Fischbach, Bob (May 1, 2011). “He has drive — and now Broadway”. Omaha World-Herald 6 April 2014閲覧。
- ^ a b c d e f Taylor, Aisha (February 11, 2014). “girl on guy 126: andrew rannells” (audio podcast). girl on guy. 6 April 2014閲覧。
- ^ Miller, Bruce R. (2011年). “'Nebraska native finds stardom in 'Book of Mormon'”. Sioux City Journal. December 23, 2011閲覧。
- ^ Francke, Warren (September 9, 2012). “Omaha’s Andy Now in New Normal: Oompa-Loompa Before Mormon Missionary”. The Reader (Omaha). オリジナルの7 April 2014時点におけるアーカイブ。 6 April 2014閲覧。
- ^ Yi, David (June 9, 2011). “'The Book of Mormon' star Andrew Rannells: college dropout turned actor gets suited up for the Tonys”. NY Daily News December 23, 2011閲覧。
- ^ Rapkin, Mickey (9 June 2011). “Q&A: The Book of Mormon's Andrew Rannells”. GQ. 29 June 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。14 April 2013閲覧。
- ^ Broadway.com Staff (30 December 2008). “Andrew Rannells Tapped to Play Bob Gaudio in Jersey Boys”. Broadway Buzz. Broadway.com. 17 May 2014閲覧。
- ^ [1]
- ^ Faires, Robert (4 October 2002). “Articulations”. The Austin Chronicle. 17 May 2014閲覧。
- ^ Truitt, Brian (June 9, 2011). “Rannells relishes first Tony nomination”. USA Today 6 April 2014閲覧。
- ^ Hetrick, Adam (June 6, 2012). “"Two By Two": Josh Gad and Andrew Rannells Will Be Succeeded By Jared Gertner and Nic Rouleau in Book of Mormon”. Playbill. オリジナルの29 August 2012時点におけるアーカイブ。 26 October 2012閲覧。
- ^ Goldberg, Lesley (February 22, 2012). “'The Hangover Star Joins NBC's Ryan Murphy Comedy”. The Hollywood Reporter. February 28, 2011閲覧。
- ^ Miller, Bruce (November 24, 2012). “Andrew Rannells sends up boss in 'New Normal'”. Sioux City Journal 6 April 2014閲覧。
- ^ “Tony Nominee Andrew Rannells Will Step In for Jonathan Groff in Hamilton on Broadway”. Broadway.com. 2015年11月29日閲覧。
- ^ Siegel, Miranda (May 29, 2012). “Andrew Rannells on His Girls Character, Slapping Marnie, and His New Ryan Murphy Show”. Vulture-New York 26 October 2012閲覧。
- ^ Martin, Denise (January 29, 2013). “Andrew Rannells: The Boy Scout With the Dirty Mouth”. Vulture-New York. 6 April 2014閲覧。
- ^ Joy, Cara (November 11, 2005). “Andrew Rannells to Star as Hairspray's Next Link Larkin”. broadway.com. 2014年5月18日閲覧。
- ^ Aradi, Cathi (March 3, 2008). “JBB EXCLUSIVE: Interview With Andrew Rannells!”. jerseyboysblog.com. 2014年5月18日閲覧。
- ^ Liner, Elaine (28 January 2010). “The Dallas Theater Center's World Premiere, Give It Up! Asks The Audience To Give Up More Than Two And A Half Hours To Its Redbull-buzzed Idiocy”. Dallas Observer 30 December 2017閲覧。