ウィリアムズ・FW33 (Williams FW33) は、ウィリアムズF12011年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。2011年の開幕戦から実戦投入された。

ウィリアムズFW33
ルーベンス・バリチェロが駆るFW33 2011年イタリアGPにて
カテゴリー F1
コンストラクター ウィリアムズ
デザイナー サム・マイケル(テクニカルディレクター)
エド・ウッド(チーフデザイナー)
先代 ウィリアムズ・FW32
後継 ウィリアムズ・FW34
主要諸元
エンジン コスワース・CA2011k
タイヤ ピレリ
主要成績
チーム AT&T ウィリアムズ
ドライバー ルーベンス・バリチェロ
パストール・マルドナド
出走時期 2011年
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
通算獲得ポイント 0
出走優勝表彰台ポールFラップ
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概要 編集

 
FW33のリアビュー。上反角のついたドライブシャフトが見える。
 
前方から見たリアサスペンションの構成。アッパーアームがリアウイング支柱に接続している。

FW33はディフューザーの効率を高めるため、リアエンドが極めてコンパクトに設計された。リアサスペンションをプルロッド式に変更し、新開発の小型トランスミッションの下側にリンクした。リアデッキが極端に低いため、ドライブシャフトにはアップライト側に向けて14度の上反角が付けられており(通常は最大で6〜7度)[1]、アッパーウィッシュボーンの支持点はリアウィングの中央支柱にある。

KERSは2009年に開発途上だった自社開発のフライホイール式を採用すると思われたが、リアエンドの空力パッケージ面から通常のバッテリー式を選択した。2012年にフライホイール式を採用する可能性もあったが[2]、通常方式を継続使用した。

シーズン中にはレッドブル方式のエキゾーストブローを導入。また、エンジンカウル後方にレッドブルと似た丸型の放熱口を設けた。

2011年シーズン 編集

何度か予選トップ10に入る速さは見せたものの、中団グループの入賞争いに遅れをとり、シーズン獲得ポイントは5点に止まった(2009年以前であればノーポイントとなっていた)。序盤戦の成績不振により、テクニカルディレクターのサム・マイケルとチーフ・エアロダイナミシストのジョン・トムリンソンが同年限りで辞任することが発表され[3]、チームCEOアダム・パーも辞任を考えたと発言した[4]。チームは初めて株式公開したが、株価は6ヶ月間で40%下落した[5]

サム・マイケルによれば、革新的なリアセクションのコンセプト自体は機能したが、コスワースエンジンの形状によりエンジンカウルのデザインを絞り切れず、狙っていた空力効果を得られなかったという[6]2012年からはコスワースに代わり、ルノーエンジンを搭載することが決定した。

記録 編集

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 ポイント ランキング
AUS
 
MAL
 
CHN
 
TUR
 
ESP
 
MON
 
CAN
 
EUR
 
GBR
 
GER
 
HUN
 
BEL
 
ITA
 
SIN
 
JPN
 
KOR
 
IND
 
ABU
 
BRA
 
2011 11   バリチェロ Ret Ret 13 15 17 9 9 12 13 Ret 13 16 12 13 17 12 15 12 14 5 9位
12   マルドナド Ret Ret 18 17 15 18 Ret 18 14 14 16 10 11 11 14 Ret Ret 14 Ret

脚注 編集

  1. ^ Williams FW33 - innovative rear packaging - Formula1.com 2011年2月15日
  2. ^ ウィリアムズ、2012年のフライホイール式KERS搭載を示唆 F1-Gate.com 2011年2月21日
  3. ^ ウイリアムズ、マイケルと契約せず コフランが就任 - AUTOSPORT web 2011年5月3日
  4. ^ アダム・パー 「私も辞任を申し出た」 - F1-Gate.com 2011年5月3日
  5. ^ ウィリアムズが再び勝つことはない? - スポーツナビ F1ニュース 2011年9月6日
  6. ^ 『オートスポーツ2月2日号』第1323号、イデア、2012年1月、66頁。