メインメニューを開く
エクレア

エクレアフランス語: éclairフランス語発音: [eklɛʁ] エクレール、英語発音: [eiˈklɛər] エイクアー、[ˈeiklɛə] イクレア)は、フランス発祥の洋菓子(シュー菓子)の一種[1]

シュークリームのバリエーションの一つで、細長く焼いたシュー皮カスタードクリームホイップクリームを挟み、上からチョコレートモカキャラメルイチゴ抹茶などの風味のフォンダン(糖衣)をかけたものである。カスタードクリームにコーヒーラム酒の風味をつけたり、果物風味のフィリングピュレを挟むこともある。また、フォンダンに絵画のプリントを施したり、カラフルな色彩に染めるなどの処理を加えた商品もある[2]。一口サイズに作られたものはプチフール(小さな焼き菓子)に含まれる。

フランスの洋菓子店ではもっとも基本的な菓子とされ、日本のシュークリームやショートケーキの位置づけに近い。「リュードパッッシー」のパティシエ長島正樹によると、自由度が高く、シェフの個性が試されるスイーツだとされている[3]

名称編集

代表的なチョコレートのアイシングをかけた品は、仏語でエクレール・オ・ショコラéclair au chocolat)と呼ばれる。

エクレール」とはフランス語で「稲妻」の意味である[1]。この名前の由来にはいくつか説があり、焼いた表面にできる割れ目が稲妻に似ているために名付けられたという説、焼く際の音が落雷の音に似ているからという説、アイシングのフォンダンがぎらりと光るからという説[1]、ストレートに落ちる稲妻のように棒状(バトン状)に成形されているからとする説[1]、稲妻が落ちるのと同じくらい一瞬で食べられてしまうからという説[1][4]など多数ある。これらのうち学術団体アカデミー・フランセーズの辞書は稲妻が落ちるのと同じくらい一瞬で食べられてしまうからという説を採用している[1]

歴史編集

 
エクレアを焼く菓子職人

エクレアの起源についてははっきりしていない。一説によると19世紀初頭にフランスで生まれたとされており、その時点では "pain à la Duchesse"という名前がつけられていた[5] or "petite duchesse" until 1850.[6]

具体的にはエクレアの原型となるものはアントナン・カレームが考案した「デュシャス」と呼ばれる菓子(指状に細長く成形したシュー生地にフォンダンかカラメルをかけた菓子)だとされている[1]。エクレアはカレームの死後、1850年頃にフランスのリヨンで考案されたともいわれているが考案者の名前は残されていない[1]

オックスフォード英語辞典では、英語の語彙に初めてエクレアが現れた年を1861年としている[7][8]。現存するアメリカ合衆国初のエクレアのレシピは、1884年に刊行されたD・A・リンカーン夫人によるボストン料理学校の料理書に含まれている。

日本において、エクレアの知名度が高まったのは、児童作家・大石真著の『チョコレート戦争』がきっかけであるという説がある。一方、エクレアの別表記であるエクレールは、1927年西條八十が童謡『お菓子と娘』の中で取り上げており、橋本国彦の曲によって広まっていたという事実もある。

派生型編集

 
ロング・ジョンの一種

カナダおよび米国の一部の地域ではロング・ジョンとして知られているバー状のドーナッツをエクレアとして販売しており[9]メープルシロップ風味のものはメイプル・バー(maple bar)と呼ばれることがある。

 
ルリジューズ

また、フランス国内においても、ルリジューズ(Religieuse,修道女の意)と呼ばれる派生型があり[10] 、チョコレートをかけた小さなシュークリームを2つに重ねたものである。

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h 山本ゆりこ『フランス伝統菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』誠文堂新光社、2019年、13頁。
  2. ^ 大森由紀子『フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来』29頁 世界文化社
  3. ^ 谷あつこ (2007年6月). “スイーツの仕事人 谷あつこの会いたい、聞きたい&食べたい”. at food. 2009年11月19日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年9月8日閲覧。
  4. ^ Éclair Archived 2014-01-04 at the Wayback Machine., Dictionnaire de l'Académie française, 8th edition
  5. ^ (Gouffé 1873, p. 288)
  6. ^ (Montagné 1961, p. 357, Duchesses)
  7. ^ Oxford English Dictionary, 1861. Petit Larousse, 1863.
  8. ^ Gouffé, Jules (1873). “Entremets détachés” (French) (PDF). Le Livre de Pâtisserie. Paris: Hachette. p. 288. http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k107860n.image.f310 2009年3月24日閲覧. "On a changé, depuis une vingtaine d'années, le nom de ces gâteaux [pains à la duchesse] : on les désigne actuellement sous le nom d'éclairs." 
  9. ^ Krispy Kreme Doughnuts”. www.krispykreme.com. 2017年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月4日閲覧。
  10. ^ Monday (2010年3月8日). “Seeking Sweetness in Everyday Life - CakeSpy - Ultra Violet: The Blackcurrant Violet Religieuse from Laduree, Paris”. CakeSpy. 2012年8月26日閲覧。

関連項目編集