エゾユズリハ(蝦夷楪[4]・蝦夷譲葉、学名: Daphniphyllum macropodum subsp. humile)は、ユズリハ科ユズリハ属常緑低木。多雪地の林に生える。

エゾユズリハ
福島県会津地方 2009年5月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ユキノシタ目 Saxifragales
: ユズリハ科 Daphniphyllaceae
: ユズリハ属 Daphniphyllum
: ユズリハ D. macropodum
亜種 : エゾユズリハ
D. m. subsp. humile
学名
Daphniphyllum macropodum Miq. subsp. humile (Maxim. ex Franch. et Sav.) Hurus. (1954)[1]
シノニム
和名
エゾユズリハ(蝦夷譲葉)

特徴

編集

雌雄異株[4]。太平洋側の温暖な地方に分布するユズリハが、本州の日本海側の多雪地帯に適応した亜種[4]

高さは1 - 3メートル (m) ほどになり[4]は粘性があり、しなって折れにくい[4]。幹は下部でよく枝分かれする[4]樹皮は赤褐色で浅い縦筋があり、皮目がまばらにある[4]。枝は緑色で滑らか、葉痕が目立つ[4]

は枝に互生し、長さ3 - 5センチメートル (cm) の葉柄を持ち、葉の形は楕円形から倒卵状長楕円形で長さ9 - 20 cm、幅5 - 6 cm、基部は円形またはくさび形で、先は短く尖る。ユズリハよりもやや小さく、葉質は薄い[4]。葉の縁は全縁で、表面は光沢を持ち、裏面はやや緑白色を帯びる。

花期は5 - 6月、には花被がなく、葉腋から総状花序を出す。果期は10-11月、長い果柄を持つ卵形の果実をつける。

冬芽は卵形で赤みを帯びる[4]

分布と生育環境

編集

北海道本州中部地方以北の日本海側に分布し[4]、多雪地の林床に自生する。ユキツバキヒメモチヒメアオキツルシキミハイイヌガヤなどの日本海要素の常緑地這植物とともに、ブナ林などの林床にみられる。

近縁種

編集

脚注

編集

参考文献

編集
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、216頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 佐竹義輔ほか 編『日本の野生植物 木本Ⅰ』平凡社、1989年。
  • 福嶋司・岩瀬徹 編著『図説 日本の植生』朝倉書店、2005年。