エリダヌス座
エリダヌス座(エリダヌスざ、Eridanus)は、トレミーの48星座の1つ。全天の星座の中で6番めに大きい。
Eridanus | |
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属格形 | Eridani |
略符 | Eri |
発音 | [ɨˈrɪdənəs] Erídanus, 属格:/ɨˈrɪdənaɪ/ |
象徴 | the River |
概略位置:赤経 | 3.25 |
概略位置:赤緯 | −29 |
正中 | 12月 |
広さ | 1138平方度 (6位) |
主要恒星数 | 24 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 87 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 5 |
3.0等より明るい恒星数 | 4 |
10パーセク以内にある恒星数 | 12 |
最輝星 | アケルナル(α Eri)(0.46等) |
最も近い星 | ε Eri;(10.5光年) |
メシエ天体数 | 無し |
流星群 | 無し |
隣接する星座 |
くじら座 ろ座 ほうおう座 みずへび座 きょしちょう座(角で接する) とけい座 ちょうこくぐ座 うさぎ座 オリオン座 おうし座 |
南端にあるα星は、全天21の1等星の1つであり、アケルナル[1]と呼ばれる。
なお、星座の南端部やアケルナルは、九州南部や沖縄などを除いて日本の多くの地点で見る事はできない。
主な天体編集
恒星編集
「エリダヌス座の恒星の一覧」も参照
国際天文学連合が固有名を定めている恒星は以下の通り[2]。
- α星:アケルナル (Achernar) は、エリダヌス座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[3]。これは最も平らにつぶれている星の1つである。観測によると、その半径が自転軸よりも赤道で約50%大きい。この原因は、アケルナルが非常に高速で自転しているためである。
- β星:クルサ[1] (Cursa)
- γ星:ザウラク[1] (Zaurak)
- ε星:ラーン (Ran) 。この星は比較的太陽から近く、また、恒星として太陽に近い性質を持つので、SF小説家に好んで使われた。この星は最低でも1つの惑星を持っていると考えられている。1960年の「オズマ計画」では、このε星の電波観測が行われたが、文明の痕跡とみなされる信号は得られなかった。
- ζ星:ジバル(Zibal)
- η星:アザー[4] (Azha)
- θ星:アカマル[5] (Acamar)
- ο1星:ベイド[5] (Beid)
- ο2星:ケイド[5] (Keid) 。最初に発見された白色矮星を伴星に持つ三重連星。
- τ2星:アンゲテナル[5] (Angetenar)
- υ2星:テーミン[5] (Theemin)
- υ3星:ベーミン[5] (Beemin)
- HD 18742:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でミャンマーに命名権が与えられ、主星はAyeyarwady、太陽系外惑星はBaganと命名された[6]。
- HD 30856:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でブルキナファソに命名権が与えられ、主星はMouhoun、太陽系外惑星はNakanbéと命名された[6]。
- HIP 12961:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でプエルトリコに命名権が与えられ、主星はKoeia、太陽系外惑星はAumatexと命名された[6]。
- WASP-22:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でグアテマラに命名権が与えられ、主星はTojil、太陽系外惑星はKoyopa'と命名された[6]。
- WASP-50:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でタイ王国に命名権が与えられ、主星はChaophraya、太陽系外惑星はMaepingと命名された[6]。
- WASP-79:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でパナマに命名権が与えられ、主星はMontuno、太陽系外惑星はPolleraと命名された[6]。
以下の恒星も固有の名称で呼ばれることがある。
その他に、以下の恒星が知られている。
星団・星雲・銀河編集
その他編集
由来と歴史編集
エリダヌス座のモデルとなった川には諸説ある。ヒュギーヌスや偽エラトステネスはナイル川であるとしたが、他のギリシャ・ローマ時代の著述家はイタリア北部のロンバルディア平原を流れるポー川のことであるとした[7]。
神話編集
オウディウスやアラトスは以下の話を伝えている。太陽神ヘーリオスの息子パエトーンが、父に会いにいき、天を走る馬車に乗ることを乞い、許しを得た。しかし、彼には天の馬車を御する技量がなく、馬車は暴走してしまった。暴走を食い止めるために大神ゼウスは雷を落とした。パエトーンはエーリダノス川に落ち、死んでしまった[7]。
呼称と方言編集
日本では、エリダン座と呼んだ時代がある。
出典編集
- ^ a b c d 原恵 2007, p. 217.
- ^ “IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)”. 国際天文学連合 (2018年9月7日). 2020年1月13日閲覧。
- ^ “Results for NAME ACHERNAR”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2013年1月15日閲覧。
- ^ 原恵 2007, pp. 217-218.
- ^ a b c d e f 原恵 2007, p. 218.
- ^ a b c d e f “Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月10日閲覧。
- ^ a b c Ian Ridpath. “Star Tales - Eridanus”. 2014年2月4日閲覧。
参考文献編集
- 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』恒星社厚生閣、2007年2月28日、新装改訂版第4刷。ISBN 978-4-7699-0825-8。