オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)は、アメリカのジョージア州オーガスタにあるゴルフ場。
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブAugusta National Golf Club | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() 10番ホール | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
所在地 |
![]() ジョージア州オーガスタ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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開業 | 1932年 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
運営 | プライベート・コース | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
設計 |
ボビー・ジョーンズ、 アリスター・マッケンジー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トーナメント | マスターズ・トーナメント | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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概要編集
毎年4月上旬に開かれるマスターズ・トーナメントの開催コースとして名高い。1932年、ボビー・ジョーンズとゴルフコース設計家アリスター・マッケンジーとの設計によってオープンした。
コースのメンバーは世界中に約300名いるが、当然会員希望者は多く、会員になるためには数十年程度待たなければならないと言われているほど難しい。プライベート・コースのため、コース会員の同伴か、マスターズの運営ボランティア等でないと一般人はプレーできず、一般人がプレーするのも大変に難しい。開設以来、女性会員は認められていなかったが(会員同伴のプレーはできる)、2012年8月20日、元アメリカ合衆国国務長官のコンドリーザ・ライスと実業家のダーラ・ムーア(Darla Moore)の2人を初めての女性会員として迎え入れた[1]。また、2019年からは女性アマチュア選手によって争われる「オーガスタ・ナショナル女子アマチュアゴルフ選手権」が開催されている。
歴史編集
1934年の第1回マスターズでは、ホートン・スミス(1908年-1963年)が初代優勝者となった。それ以来、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは「ゴルフの祭典」マスターズの開催地として知られている。他の3つのゴルフメジャー大会が毎年会場を変えて行われるのに対し、マスターズだけは毎年同じオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで行われるため、他のメジャー大会とは異なる趣を持っている。
また、このコースに隣接してすべてがパー3の9ホールで構成されるショートコースがあり、マスターズトーナメントの開会前日に行われるアトラクション「パー3コンテスト」という大会の舞台にもなっている。
コース編集
大会が歴史を重ねるにつれて何度かの大規模なコース改造も行われてきた。長年ラフの存在しないコースだったが1998年にファーストカットが設けられた。また2002年にはトム・ファジオの監修のもとで大々的なコース改造が行われ、コース全長が約300ヤード伸ばされた。その後さらに距離は伸ばされて現在は全長7,445ヤード、パー72のコースになっている。
マスターズコミッティーは「これ以上大幅に長くする必要が生じた場合は『マスターズボール』を導入する」と示唆している。
全18ホールに、個々の名前(和名など[1])が与えられている。
- 1番ホール:ティー・オリーブ(Tea Olive)、パー4、455ヤード 最多ストローク8打(2007)ジープミルカシン他3名
- 2番ホール:ピンク・ドッグウッド(Pink Dogwood - 桃色のハナミズキ)、パー5、575ヤード 最多ストローク10打(2006)デビットデュバール他1名
- 3番ホール:フラワーリング・ピーチ(Flowering Peach - 桃の花)、パー4、350ヤード 最多ストローク8打(1980)ダグラスBクラーク
- 4番ホール:フラワーリング・クラブ・アップル(Flowering Crab Apple - 野生のリンゴの花)、パー3、240ヤード 最多ストローク7打(2000)ダグフォード他3名
- 5番ホール:マグノリア(Magnolia)、パー4、455ヤード 最多ストローク8打(1964)ジェリーバーバー他3名
- 6番ホール:ジュニパー(Juniper)、パー3、180ヤード 最多ストローク7打(1997)アーノルドパーマー他1名
- 7番ホール:パンパス(Pampas)、パー4、450ヤード 最多ストローク8打(1981)リチャードボンタッキー他1名
- 8番ホール:イエロー・ジャスミン(Yellow Jasmine)、パー5、570ヤード 最多ストローク12打(1935)フランクウォルシュ
- 9番ホール:カロライナ・チェリー(Carolina Cherry)、パー4、460ヤード 最多ストローク8打(2006)クレインオグデン他2名
- 10番ホール:カメリア(Camellia)、パー4、495ヤード 最多ストローク9打(2009)ダニーリー
- 11番ホール:ホワイト・ドッグウッド(White Dogwood - 白いハナミズキ)、パー4、505ヤード [11番から13番まで「アーメン・コーナー」と呼ばれる]最多ストローク9打(2006)チャールズハウエル他3名
- 12番ホール:ゴールデン・ベル(Golden Bell)、パー3、155ヤード 最多ストローク13打(1980)トムワイスコフ
- 13番ホール:アザレア(Azalea)、パー5、510ヤード 最多ストローク13打(1978)中嶋常幸
- 14番ホール:チャイニーズ・ファー(Chinese Fir)、パー4、440ヤード 最多ストローク8打(1993)ニックプライス
- 15番ホール:フィレットホーン(Firethorn)、パー5、530ヤード 最多ストローク13打(2018)セルジオガルシア
- 16番ホール:レッドバッド(Redbud)、パー3、170ヤード 最多ストローク11打(1950)ハーマンバロン
- 17番ホール:ナンディナ(Nandina)、パー4、440ヤード 最多ストローク7打(2004)丸山茂樹他16名
- 18番ホール:ホーリー(Holly)、パー4、465ヤード 最多ストローク8打(2010)カミーロビジェガス他5名
グリーン編集
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブはとりわけグリーンの難度が高いことで有名で、“ガラスのグリーン”、“オーガスタのグリーンには魔女が棲(す)む”とよく言われる。グリーンは小さな傾斜と大きな傾斜が重なりあっており、しかも速くてなかなか止まらないので、パッティングセンスが問われるものでもある。雨が降ると湿り風が吹き、10番のカメリアでは湿り風に捕まるとミスをすると言われている。また雨はグリーンを更に速くしてしまい、これもスコアを落とす原因ともなっている。マスターズに挑戦するゴルファーの中には、コンクリートで舗装された駐車場でパット練習をする者がいる程である。
アーメン・コーナー編集
11番ホールから13番ホールは「アーメン・コーナー」と呼ばれ神に祈らなければ無事に通れないと言われるほど難しい。1978年のマスターズでは中島常幸が13番ロングホールで13打も叩いてしまったことで日本でも有名になった。なお13打という数字は、13番ホールでは現在も最多記録であり、マスターズ全体でも1980年に12番ホールで13打を叩いたトム・ワイスコフ(1973年全英オープン優勝者)、2018年に15番ホールで13打を叩いたセルヒオ・ガルシア(2017年マスターズ優勝者)と並び最多タイ記録である。
芝編集
1980年まではバミューダ芝だったが1981年からベント芝に変更された。
アザレア編集
13番ホールには1600本ものアザレアが植栽されている。「マスターズの時期に花が満開になるよう、植える前に種子を氷漬けしている」という都市伝説があるが、実際に一度だけオーナーが氷漬けしたことがあるという。
会員編集
歴代会長編集
- クリフォード・ロバーツ (1934 to 1976)
- ウィリアム・レーン (1976 to 1980)
- ホード・ハーディン (1980 to 1991)
- ジャクソン・T・スティーブンス (1991 to 1998)
- ウィリアム・"フーティー"・ジョンソン (1998 to 2006)
- ビリー・ペイン (2006–2017)
- フレッド・リドリー (October 16, 2017–future)
メディア編集
脚注編集
- ^ ゴルフ場の女人禁制、本場英国にも 門戸開放か近く結論 朝日新聞DIGITAL 稲垣康介(2017年3月9日)2017年7月1日閲覧