カルニオディスクス
カルニオディスクス(学名: Charniodiscus)は、エディアカラ紀の化石生物の一種である。砂地の海底に固着し、濾過摂食を行っていたと考えられている。
カルニオディスクス | ||||||||||||
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イギリスのチャーンウッドの森で発見された C. concentricus の化石(雄型)
2022年の研究で推測された復元図
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分類 | ||||||||||||
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学名 | ||||||||||||
Charniodiscus Ford, 1958 | ||||||||||||
種 | ||||||||||||
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特徴
編集カルニオディスクスは器官として付着根、茎部、葉状体を有する。付着根の形状は球根状で、茎部はしなやかである。葉状体には体節があり、先端は尖っていた。カルニオディスクスには2つの生活形があったとされる。一つは茎部が短く葉状体が肥大した形、もう一つは茎部が長く、小さな葉状体が付着根から約 50cm の高さに位置する生活形である。形態は刺胞動物のウミエラ類に似ているが、現生の動物界の外に位置する系統であると考えられている。
種は葉状体の体節数で区別される。末端の突起の有無や、各部の比率は分類形質でない。
2022年の研究では、カルニオディスクスの葉状体は円錐形をしており、複数の「葉」を折り畳んでいたと考えられるようになった。従来復元されていたような、平たい葉状体を持つものはArboreaという別属に分類される[1]。
分布
編集カルニオディスクスの化石はイギリスのチャーンウッドの森で初めて発見され、1958年にトレバー・D・フォードによって命名された[2]。Charniodiscus concentricus という学名は、フォードが記載したものが本種の付着根のみであり、それが二重の同心円(concentic)構造から成っていたことに由来している。後に葉状体が Charnia masoni として発見されたが、これも本属に近縁な生物の一部分であることが明らかとなった。チャルニアは葉状体の分岐構造がカルニオディスクスと異なる。
脚注
編集- ^ Pérez-Pinedo, Daniel; McKean, Christopher; Taylor, Rod; Nicholls, Robert; McIlroy, Duncan (2022). “Charniodiscus and Arborea Are Separate Genera Within the Arboreomorpha: Using the Holotype of C. concentricus to Resolve a Taphonomic/Taxonomic Tangle”. Frontiers in Earth Science 9. doi:10.3389/feart.2021.785929/full. ISSN 2296-6463 .
- ^ Ford TD (1958). “Pre-cambrian fossils from Charnwood Forest”. Proceedings of the Yorkshire Geological Society 31 (3): 211-7. doi:10.1144/pygs.31.3.211.
参考文献
編集- Glaessner MF, Daily B (1959). “The Geology and Late Precambrian Fauna of the Ediacara Fossil eserve”. Records of the South Australian Museum 13: 369-407. retrieved 26 January 2008