ガリビエ峠(ガリビエとうげ フランス語: Col du Galibier)とは、フランスグルノーブル近郊にあるドーフィネ・アルプ南域に位置する、標高2642m地点のツール・ド・フランスのアルプス超えステージではほぼ毎年欠かさず登場する定番の難所として知られる。以前は標高2645mと表示されていたが、2012年現在峠にある標識には「2642m」と表示されている。

ガリビエ峠
Col du Galibier
所在地 フランス
オート・アルプ県及びサヴォワ県
座標 北緯45度3分50.4秒 東経6度24分29秒 / 北緯45.064000度 東経6.40806度 / 45.064000; 6.40806
標高 2,642 m
山系 アルプス山脈
ガリビエ峠の位置(フランス内)
ガリビエ峠
ガリビエ峠 (フランス)
ガリビエ峠の位置(アルプス山脈内)
ガリビエ峠
ガリビエ峠 (アルプス山脈)
プロジェクト 地形
テンプレートを表示
北麓から見たガリビエ峠
ガリビエ峠からの風景
峠の標

概要

編集

サン・ミシェル・ド・モーリエンヌとブリアンソンを結ぶ道路における峠の一つ。なおこの区間の道路は、冬季は積雪量が多いため車両通行止め区間となる。

以前はトンネルの区間にあたる標高2556mの地点が最高地点であったが、老朽化のために1976年にトンネルが閉鎖され、峠を越える現在のルートに変更された結果、標高が高くなった。なおトンネルは2002年に改修工事のうえで再供用されており、自動車のみ利用することができる。

  • 峠北部に位置するサン・ミシェル・ド・モーリエンヌを起点とした場合、途中でテレグラフ峠(標高1566m)を挟み、水平距離起算で34.8kmの地点にあたり、平均斜度は6.1%。高低差は2120m。
  • テレグラフ峠から一旦下った先、スキーリゾート地として知られるヴァロワールから起算すると水平距離にして18.1kmの地点にあたり、平均斜度は6.8%、標高差は1237m、最大勾配斜度は11%。
  • 峠南部に位置する、ロータレ峠(標高2058m)から起算すると、水平距離にして8.1kmの地点にあたり、標高差は585mだが、平均斜度は6.9%、最大勾配斜度は12.1%となる。

ツール・ド・フランス

編集

ツールにおいて当峠が最初にコース設定されたのは1911年エミール・ジョルジュが最初に当峠を通過した選手となった。ただし当時は今とは違い、沿道に観客は全くいなかった。トンネルの南側に、ツール・ド・フランス産みの親である、アンリ・デグランジュの記念碑があり、傍には「アンリ・デグランジュのみやげもの」という店屋もあって、当峠付近に来る観光客で大いに賑わっているという。ツール・ド・フランスでは全ステージ中の最高標高地点を最初に通過した選手にアンリ・デグランジュ賞として賞金がかけられるが、当地より高いコースになり得る地点はほとんどないため、ここがコースになる場合は対象になる場合が多い。また上記の通り、1976年のトンネル閉鎖に伴う標高地点変更により、1979年からはカテゴリー超級地点となった。

2011年大会のみ、当地がステージゴール地点に設定された。

1947年以降の当峠1位通過選手は下記参照。

ガリビエ峠・歴代首位通過選手

編集
ステージ カテゴリー 1位通過選手
2022 12 超級  アントニー・ペレス英語版
2022 11 超級  ワレン・バルギル
2019 18 超級  ナイロ・キンタナ
2017 17 超級  プリモシュ・ログリッチ
2015 20 落石の恐れがあるため迂回
2011 19 超級  アンディ・シュレク
2008 17 超級  シュテファン・シューマッハー
2007 9 超級  マウリシオ・ソレール
2006 16 超級  ミカエル・ラスムッセン
2005 11 超級  アレクサンドル・ヴィノクロフ
2003 8 超級  ステファノ・ガルゼッリ
2002 16 超級  サンティアゴ・ボテーロ
2000 15 超級  パスカル・エルベ
1999 9 超級  ホセ・ルイス・アリエタ
1998 15 超級  マルコ・パンターニ
1996 9 積雪による悪天候のため迂回
1993 10 超級  トニー・ロミンゲル
1992 14 超級  フランコ・キオッチョーリ
1989 17 超級  ヘルトヤン・テュニス
1987 21 超級  ペドロ・ムニョス
1986 18 超級  ルイス・エレラ
1984 18 超級  フランシスコ・ロドリゲス
1980 17 超級  ヨハン・デミュインク
1979 17 超級  ルシアン・バンインプ
1974 11 1  ビセンテ・ロペスカリル
1973 8 1  ルイス・オカーニャ
1972 14a 1  ヨープ・ズートメルク
1969 10 1  エディ・メルクス
1967 10 1  フリオ・ヒメネス
1966 16 1  フリオ・ヒメネス
1964 8 1  フェデリコ・バーモンテス
1959 18 2  シャルリー・ゴール
1957 10 1  マルセル・ヤンセン
1955 8 1  シャルリー・ゴール
1954 19 1  フェデリコ・バーモンテス
1952 11 1  ファウスト・コッピ
1948 14 2  ルシアン・テセール
1947 8 1  フェルモ・カメッリーニ

当峠がゴール地点

編集
  • 2011年、当峠がツール・ド・フランスに登場してから100周年にあたることを記念し、第18ステージがゴール地点となった。
ステージ カテゴリー スタート地点 区間優勝選手 総合首位選手
2011 18 超級 ピネローロ  アンディ・シュレク  トマ・ヴォクレール

ラ・マーモット

編集

ツール・ド・フランスの名だたる峠を結んで獲得標高5000mを超えるこのグランフォンドでは、通常ブールドワザンからグランドン峠、テレグラフ峠、ガリビエ峠を通ってラルプデュエズ頂上にゴールするコースが設定される。