ザ・ゴールドフィンチ (映画)
『ザ・ゴールドフィンチ』(The Goldfinch)は、2019年のアメリカ合衆国のドラマ映画。監督はジョン・クロウリー。主演はアンセル・エルゴート。共演はオークス・フェグリー、アナイリン・バーナード、フィン・ウルフハード、サラ・ポールソン、ルーク・ウィルソン、ジェフリー・ライト、ニコール・キッドマンら。
ザ・ゴールドフィンチ | |
---|---|
The Goldfinch | |
監督 | ジョン・クロウリー |
脚本 | ピーター・ストローハン |
原作 |
ドナ・タート 『ゴールドフィンチ』 |
製作 |
ニーナ・ジェイコブソン ブラッド・シンプソン |
出演者 |
アンセル・エルゴート オークス・フェグリー アナイリン・バーナード フィン・ウルフハード サラ・ポールソン ルーク・ウィルソン ジェフリー・ライト ニコール・キッドマン |
音楽 | トレバー・グレッキス |
撮影 | ロジャー・ディーキンス |
編集 | ケリー・ディクソン |
製作会社 |
アマゾン・スタジオ[1] カラー・フォース[1] |
配給 | ワーナー・ブラザース[1] |
公開 |
2019年9月8日(トロント国際映画祭) 2019年9月13日 劇場未公開 |
上映時間 | 149分[2] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $40,000,000[3] |
興行収入 | $9,430,149[4] |
ストーリー
編集13歳の時にメトロポリタン美術館での爆発テロで母親を失ったテオドア・“テオ”・デッカーは、テロの悲劇によって人生を変えられ、高級住宅街に住む裕福な家族への元に引っ越すことになる。その後も、友情、恋愛、裏切り、ドラッグ、父親との確執など波乱万丈な人生を余儀なくされる。そんなテオの数少ない希望の1つは、爆発の後の美術館から密かに持ち出していたカレル・ファブリティウスの絵画、『ゴシキヒワ』(The Goldfinch)だった。
キャスト
編集- テオドア・“テオ”・デッカー
- 演 - アンセル・エルゴート、日本語吹替 - 細谷佳正
- オードリーとラリーの息子。
- 若き日のテオ
- 演 - オークス・フェグリー、日本語吹替 - 東内マリ子
- サマンサ・バーバー
- 演 - ニコール・キッドマン、日本語吹替 - 田中敦子
- チャンスの妻で、一見冷淡だが、内に優しさを持つ裕福なプラット、キットシー、アンディの母親。孤児になったテオを家に迎え入れる。
- ボリス・パヴリコフスキ
- 演 - アナイリン・バーナード、日本語吹替 - 梶川翔平
- テオの親友になるウクライナ移民の息子。
- 若き日のボリス
- 演 - フィン・ウルフハード、日本語吹替 - 斎賀みつき
- ザンドラ
- 演 - サラ・ポールソン、日本語吹替 - ニケライ・ファラナーゼ
- 娼婦。ラリーの元ガールフレンド。
- ラリー・デッカー
- 演 - ルーク・ウィルソン、日本語吹替 - 森宮隆
- テオの虐待的な父親で、オードリーの夫。俳優だったが落ちぶれ、現在はギャンブル依存症やアルコール依存症になっている。
- ジェームズ・“ホビー”・ホバート
- 演 - ジェフリー・ライト、日本語吹替 - 辻親八
- テオの師匠。また、ピッパの法的後見人で、ウェルティーのパートナー。
- ピッパ
- 演 - アシュリー・カミングス
- テオの片思いの相手。
- 若き日のピッパ
- 演 - エイミー・ローレンス
- チャンス・バーバー
- 演 - ボイド・ゲインズ
- サマンサの夫で、プラット、キットシー、アンディの父親。
- キットシー・バーバー
- 演 - ウィラ・フィッツジェラルド、日本語吹替 - 柚木尚子
- テオの婚約者。また、プラットの妹・アンディの姉で、チャンスとサマンサの娘。
- プラット・バーバー
- 演 - ルーク・クラインタンク
- アンディとキットシーの兄で、チャンスとサマンサの息子。
- 若き日のプラット
- 演 - ジャック・ディファルコ
- アンディ・バーバー
- 演 - ライアン・フォウスト、日本語吹替 - 柚木尚子
- テオの学校の友達。また、プラットとキットシーの弟で、チャンスとサマンサの息子。
- ルシウス・リーヴ
- 演 - デニス・オヘア
- テオの秘密を発見した危険なアート・コレクター。
- ミスター・シルヴァー
- 演 - ピーター・ジェイコブソン
- ウェルトン・“ウェルシー”・ブラックウェル
- 演 - ロバート・ジョイ
- ホビーのパートナー。
- オードリー・デッカー
- 演 - ヘイリー・ウェスト
- テオの母親で、ラリーの妻。
製作
編集2014年7月、小説の映画化権がワーナー・ブラザースとラットパック=デューン・エンターテインメントに、取引を仲介するICMパートナーズと共に売却された[6]。2年後の2016年、ジョン・クロウリーが監督を務めることが決定した[7]。2017年8月、ワーナー・ブラザースはアマゾン・スタジオとの契約を締結し、協調融資を行った。Amazonはプロジェクトの予算の3分の1を出資し、ワーナーの全世界での劇場公開後のAmazonプライム・ビデオでのストリーミング配給権を取得した[3]。
2017年10月4日、2ヶ月のキャスティングリサーチの後、ベイビー・ドライバーでのブレイク後のアンセル・エルゴートが主人公のテオドア・“テオ”・デッカーとしてキャスティングされた[8]。同日、撮影監督のロジャー・ディーキンスはバラエティに、本作が『ブレードランナー 2049』の次のプロジェクトだと明かした[9]。10月後半、アナイリン・バーナードがキャストに加わった[10]。2017年11月15日、サラ・ポールソンがキャストに加わった[11]。11月後半、トレバー・グレッキスが本作のサウンドトラックを作曲することが決定した[12]。2017年12月、ウィラ・フィッツジェラルドとアシュリー・カミングスがキャストに加わった[13][14]。2018年1月、ジェフリー・ライト、ルーク・ウィルソン、フィン・ウルフハード、ルーク・クラインタンクがキャストに加わった[15][16][17][18]。1月後半、撮影が開始したと同時に、残りのキャストが発表された[19]。
撮影
編集主要な撮影は、2018年1月23日にニューヨークで始まり[19][20]、残りの撮影は、2018年4月3日にアルバカーキで行われた[21]。
マーケティング
編集映画の映像は、2019年4月2日のシネマコンで初公開された[22]。2019年5月28日、本作の最初の公式画像とティーザーポスターが公開された[23][24]。翌日、最初の公式予告編が公開された[25]。
封切り
編集本作は、2019年9月8日の第44回トロント国際映画祭で世界初上映される[26]。本作は当初2019年10月11日に公開される予定だったが、2019年9月13日に前倒しされた[27][28]。
作品の評価
編集映画批評家によるレビュー
編集本作に対する批評家の評価は伸び悩んでいる。Rotten Tomatoesでは108個の批評家レビューのうち24%が支持評価を下し、平均評価は10点中4.46点となった。サイトの批評家の見解は「『ザ・ゴールドフィンチ』は、原作を誤って扱い複雑な物語を平面化してしまい、美しい撮影までも不活性にさせてしまう。」となった[29]。MetacriticのMetascoreは41個の批評家レビューに基づき、加重平均値は100点中40点となった。サイトは本作の評価を「賛否両論または酷評」と示している[30]。
興行収入
編集出典
編集- ^ a b c “Film releases”. Variety Insight. January 28, 2018閲覧。
- ^ “The Goldfinch”. British Board of Film Classification. July 17, 2019閲覧。
- ^ a b “Amazon Studios, Warner Bros. Teaming on ‘The Goldfinch’ (EXCLUSIVE)”. Variety (Variety Media, LLC) April 30, 2018閲覧。
- ^ “The Goldfinch (2019)”. The Numbers. 2020年7月19日閲覧。
- ^ “ザ・ゴールドフィンチ(字幕/吹替)”. iTunes. 2020年7月19日閲覧。
- ^ Fleming Jr., Mike (July 28, 2014). “Warner Bros, RatPac Close Deal For Donna Tartt’s Pulitzer Winner ‘The Goldfinch’” (英語). Deadline Hollywood January 25, 2018閲覧。
- ^ Fleming Jr., Mike (July 20, 2016). “‘Brooklyn’ Helmer John Crowley To Direct Donna Tartt’s Pulitzer Novel ‘Goldfinch’”. Deadline Hollywood July 20, 2016閲覧。
- ^ Kroll, Justin (October 4, 2017). “Ansel Elgort Offered Lead Role in ‘Goldfinch’ Adaptation” (英語). Variety (Variety Media, LLC) January 25, 2018閲覧。
- ^ Tapley, Kristopher (October 4, 2017). “Roger Deakins on ‘Blade Runner 2049’ and That Elusive First Oscar”. Variety (Variety Media, LLC) July 23, 2019閲覧。
- ^ Kroll, Justin (October 12, 2017). “‘Dunkirk’ Actor Aneurin Barnard Lands Key Role in ‘Goldfinch’ Adaptation (EXCLUSIVE)” (英語). Variety (Variety Media, LLC) January 25, 2018閲覧。
- ^ Kroll, Justin (November 15, 2017). “Sarah Paulson Joins ‘The Goldfinch’ Adaptation at Warner Bros. (EXCLUSIVE)” (英語). Variety (Variety Media, LLC) January 25, 2018閲覧。
- ^ filmmusicreporter (November 27, 2017). “Trevor Gureckis Scoring John Crowley’s ‘The Goldfinch’”. Film Music Reporter (Film Music Reporter) July 23, 2019閲覧。
- ^ N'Duka, Amanda (December 6, 2017). “Willa Fitzgerald In Talks To Join Ansel Elgort In ‘The Goldfinch’” (英語). Deadline Hollywood January 25, 2018閲覧。
- ^ Kroll, Justin (December 18, 2017). “Ashleigh Cummings Joins Warner Bros.’ ‘The Goldfinch’ Adaptation (EXCLUSIVE)” (英語). Variety (Variety Media, LLC) January 25, 2018閲覧。
- ^ Kroll, Justin (January 10, 2018). “Jeffrey Wright to Play Hobie in ‘The Goldfinch’ Adaptation (EXCLUSIVE)” (英語). Variety (Variety Media, LLC) January 25, 2018閲覧。
- ^ “Luke Wilson Joins Ansel Elgort in 'The Goldfinch' (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter January 25, 2018閲覧。
- ^ “'Stranger Things' Star Finn Wolfhard Joins Ansel Elgort in 'The Goldfinch' (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter January 25, 2018閲覧。
- ^ Kroll, Justin (January 19, 2018). “Luke Kleintank Joins ‘The Goldfinch’”. Variety. Variety Media, LLC. April 16, 2018閲覧。
- ^ a b “Filming is Underway on Warner Bros. Pictures and Amazon Studios’ Powerful Drama "The Goldfinch"” (英語). BusinessWire. (January 23, 2018) January 24, 2017閲覧。
- ^ Torres, Libby (January 26, 2018). “Tartt House Film: The Goldfinch Begins Shooting in the Village”. Bedford+Bowery April 30, 2018閲覧。
- ^ Grant, Justina (April 2, 2018). “Warner Bros. movie of best-selling book brings production to Albuquerque”. Deadline Hollywood April 30, 2018閲覧。
- ^ “‘The Goldfinch’ Adaptation First Look Promises Faithful Treatment of Donna Tartt’s Beloved Novel”. IndieWire. (April 2, 2019) May 29, 2019閲覧。
- ^ “See exclusive trailer, first photos of Ansel Elgort and Nicole Kidman in 'The Goldfinch'”. (May 28, 2019) May 29, 2019閲覧。
- ^ “The Goldfinch Movie Poster Tells the Story of a Stolen Life”. (May 28, 2019) May 29, 2019閲覧。
- ^ “THE GOLDFINCH - Official Trailer 1”. (May 29, 2019) May 29, 2019閲覧。
- ^ Lang, Brent (July 23, 2019). “Toronto Film Festival: ‘Joker,’ ‘Ford v Ferrari,’ ‘Hustlers’ Among Big Premieres”. Variety. July 23, 2019閲覧。
- ^ McNary, Dave (November 30, 2017). “‘Shaft’ Sequel and Ansel Elgort’s ‘Goldfinch’ Get 2019 Release Dates” (英語). Variety (Variety Media, LLC) January 25, 2018閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (March 22, 2019). “Warner Bros. Release Date Changes: ‘The Goldfinch’ Goes Earlier In Fall, ‘Superintelligence’ Shifts & Ben Affleck Drama Dated”. Deadline Hollywood. March 22, 2019閲覧。
- ^ “The Goldfinch (2019)”. Rotten Tomatoes. September 9, 2019閲覧。
- ^ “The Goldfinch reviews”. Metacritic. September 9, 2019閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (August 26, 2019). “Can ‘Hustlers’ Really Deliver Record $26M Live-Action Opening For Jennifer Lopez & STX? – Box Office Forecast”. Deadline Hollywood. August 26, 2019閲覧。
- ^ McClintock, Pamela (August 22, 2019). “Jennifer Lopez's 'Hustlers' Tracking for $24M Debut”. The Hollywood Reporter. August 22, 2019閲覧。