スイススカイダイバーSwiss Skydiver2017年3月10日 - )は、アメリカ合衆国競走馬。おもな勝ち鞍に2020年アラバマステークスプリークネスステークス2021年ビホルダーマイルステークスがある。

スイススカイダイバー
プリークネスステークス優勝時のスイススカイダイバー
プリークネスステークス優勝時
欧字表記 Swiss Skydiver
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 2017年3月10日[1] [2]
Daredevil
Expo Gold
母の父 Johannesburg
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 WinStar Farm, LLC[2]
馬主 Peter J. Callahan[2]
調教師 Kenneth G. McPeek(アメリカ[2]
競走成績
生涯成績 16戦7勝[2]
獲得賞金 2,216,480ドル[2]
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経歴 編集

シャンペンステークス勝ち馬であるデアデビル(Daredevil)の初年度産駒にあたる馬で、2018年のキーンランドイヤリングセールにおいて、馬主ピーター・キャラハンの代理人として赴いていたケネス・マクピーク調教師に35,000ドルで落札された。マクピークは「私はモアザンレディの父系が大好きなのです。そして母父のヨハネスブルグというのも好きにならざるを得ないし、おまけに2代前の父はストライクザゴールドだ。彼女は美しいパッケージだ」とその血統の良さを気に入っていることを早いうちから語っていた[3]

スイススカイダイバーのデビュー戦は2019年11月16日のことで、チャーチルダウンズ競馬場で行われたダート7ハロンの未勝利戦で5馬身半差の初勝利を収めた[3]。同年はこのほか、11月30日のオプショナルクレーミング競走に出走して2着になっている[3]。2020年シーズンの年頭はガスパリアステークス(タンパベイダウンズ・ダート7ハロン・グレード外)で5着、レイチェルアレクサンドラステークス(フェアグラウンズ・8.5ハロン・G2)で3着と勝ちきれなかったが、続く3月28日のガルフストリームパークオークス(ガルフストリームパーク・ダート8.5ハロン・G2)で優勝すると、その翌戦のファンタジーステークス(オークローンパーク・ダート8.5ハロン・G3)も連勝、その勢いで6月6日に順延されていたサンタアニタオークスサンタアニタパーク・ダート8.5ハロン・G2)をも制覇した。ここでマクピークはスイススカイダイバーを牡馬に挑戦させようとブルーグラスステークス(キーンランド・ダート9ハロン・G2)に登録、結果アートコレクター(Art Collector)に敗れたが2着に入った[3]。その後再び牝馬路線に戻り、8月15日に行われたアラバマステークス(サラトガ・ダート10ハロン・G1)を楽勝、ケンタッキーオークスにも挑んだが、同父のシーデアズザデビル(Shedaresthedevil)に1馬身半差で敗れた[3]

この年の大競走の多くはCOVID-19の影響で順延されており、プリークネスステークスも10月3日の開催となっていた。この競走にはケンタッキーダービー優勝馬のオーセンティックや先述のアートコレクターなどが11頭が参戦しており、唯一の牝馬であったスイススカイダイバーは単勝12.70倍とあまり人気ではなかった[4]。レースは序盤からオーセンティックとスイススカイダイバーが先頭を争う展開になり、直線に入るころにはほぼ2頭のマッチレースの様相を呈していた。スイススカイダイバーはこれをクビ差で制し、レイチェルアレクサンドラ以来の史上6頭目の牝馬のプリークネスステークス優勝を成し遂げた[3]。敗れた2着オーセンティックと3着馬の間は9馬身3/4という大きな着差がついており、勝ちタイム1:53.28はセクレタリアトが記録したレコードタイムに次ぐものであった[3]。その後、11月のブリーダーズカップ・ディスタフではモノモイガールの7着に敗れたが、この年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬のタイトルを獲得した。

古馬となった2021年シーズン初戦は3月のビホルダーマイルステークス。レースでは3番手の好位から直線で楽に抜け出すと後続に2馬身3/4差をつけて快勝する。4月のアップルブロッサムハンデキャップではモノモイガールとの再戦で注目を集めたが、伏兵レトルースカの3着と敗退。

夏に入りホイットニーステークスは4着、パーソナルエンスンステークスは5着と精彩を欠き、このレースを最後に現役を引退。その後2021年11月9日に開催されたファシグ・ティプトン社ノベンバーセールにて、吉田勝己により470万ドル(約5億3000万円)で落札された[5][6]

競走成績 編集

出典:Racing Post[7]、JRA-VAN Ver.World[8]、Equibase[9]

年月日 競馬場 レース名 距離
(馬場)
頭数 枠番 馬番 着順 騎手 斤量
(lb)
タイム 着差 1着(2着)馬
2019.11.16 チャーチルダウンズ 未勝利戦 ダ1400m(良) 11 6 6 1着 T.ガファリオン 118 1:23.93 5 1/2馬身 (Saxony)
0000.11.30 チャーチルダウンズ アローアンス・オプショナルクレーミング ダ1600m(不) 12 2 2 2着 T.ガファリオン 118 - 1/2馬身 Bayerness
2020.01.18 タンパベイダウンズ ガスパリアS ダ1400m(良) 11 3 3 5着 A.キニョネス 118 - - Two Sixty
0000.02.15 フェアグラウンズ レイチェルアレクサンドラS G2 ダ1700m(良) 7 3 3 3着 B.ヘルナンデスJr. 122 - 6 1/2馬身 Finite
0000.03.28 ガルフストリームパーク ガルフストリームパークオークス G2 ダ1700m(良) 12 6 6 1着 P.ロペス 122 1:43.54 3 1/4馬身 (Lucrezia)
0000.05.01 オークローンパーク ファンタジーS G3 ダ1700m(良) 14 3 3 1着 B.ヘルナンデスJr. 121 1:42.00 2 1/2馬身 (Venetian Harbor)
0000.06.06 サンタアニタパーク サンタアニタオークス G1 ダ1700m(良) 4 1 1 1着 M.スミス 124 1:43.20 4馬身 (Speech)
0000.07.11 キーンランド ブルーグラスS G2 ダ1800m(良) 13 7 7 2着 M.スミス 118 - 3 1/2馬身 Art Collector
0000.08.15 サラトガ アラバマS G1 ダ2000m(良) 7 5 5 1着 T.ガファリオン 121 2:03.04 3 1/2馬身 (Bonny South)
0000.09.04 チャーチルダウンズ ケンタッキーオークス G1 ダ1800m(良) 9 7 7 2着 T.ガファリオン 121 - 1 1/2馬身 Shedaresthedevil
0000.10.03 ピムリコ プリークネスS G1 ダ1900m(良) 11 4 4 1着 R.アルバラード 123 1:53.28 クビ Authentic
0000.11.07 キーンランド BCディスタフ G1 ダ1800m(良) 10 5 5 7着 R.アルバラード 121 - 8 1/4馬身 Monomoy Girl
2021.03.14 サンタアニタパーク ビホルダーマイルS G1 ダ1600m(良) 7 1 1 1着 R.アルバラード 124 1:36.18 2 3/4馬身 (As Time Goes By)
0000.04.18 オークローンパーク アップルブロッサムH G1 ダ1700m(良) 6 3 3 3着 R.アルバラード 122 - 6 1/2馬身 Letruska
0000.08.07 サラトガ ホイットニーS G1 ダ1800m(良) 5 3 3 4着 I.オルティスJr. 119 - 10 3/4馬身 Knicks Go
0000.08.28 サラトガ パーソナルエンスンS G1 ダ1800m(良) 9 4 4 5着 J.オルティス 124 - 8 3/4馬身 Letruska

繁殖成績 編集

繁殖入り初年度となった2022年はキングマンと交配。その後、北海道安平町ノーザンファームに移動した。

2023年2月15日、初仔となる牝馬を出産した[10]

誕生年 馬名 毛色 厩舎 馬主 戦績 出典
1 2023年 キングマン

血統表 編集

スイススカイダイバー血統 (血統表の出典)[§ 1]

Daredevil
アメリカ 2012 栗毛
父の父
More Than Ready
アメリカ 1997 黒鹿毛
*サザンヘイロー Halo
Northern Sea
Woodman's Girl Woodman
Becky Be Good
父の母
Chasethewildwind
アメリカ 1994 栗毛
*フォーティナイナー Mr. Prospector
File
Race the Wild Wind Sunny's Halo
Redpath

Expo Gold
アメリカ 2008 栗毛
*ヨハネスブルグ
アメリカ 1999 鹿毛
*ヘネシー Storm Cat
Island Kitty
Myth *オジジアン
Yarn
母の母
Clouds of Gold
アメリカ 1999 栗毛
Strike the Gold Alydar
Majestic Gold
Cloudy Colors Personal Flag
Getoffofmycloud
母系(F-No.) (FN:5-i) [§ 2]
5代内の近親交配 Halo 4x5, Mr. Prospector 4x5x5, Raise a Native 5x5 [§ 3]
出典
  1. ^ [11], [1]
  2. ^ [11]
  3. ^ [11], [1]


脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ a b c Swiss Skydiver”. equineline.com. 2020年10月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Horse Profile for Swiss Skydiver”. equibase.com. 2022年5月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g Evan Hammonds (2020年10月3日). “Swiss Skydiver Turns Back Authentic to Win Preakness”. Blood Horse. 2020年10月4日閲覧。
  4. ^ Preakness S. Grade 1”. equibase.com (2020年10月3日). 2020年10月4日閲覧。
  5. ^ 日本円で5億3000万円超! 吉田勝己氏が昨年の米最優秀3歳牝馬スイススカイダイバーを購入”. netkeiba.com (2021年11月10日). 2022年5月21日閲覧。
  6. ^ Christine Oser, Molly Rollins and Lauren Gash (2021年11月9日). “Swiss Skydiver Tops Yoshida's Purchases at $4.7M”. Blood Horse. 2022年5月21日閲覧。
  7. ^ Swiss Skydiver | Race Record & Form | Racing Post”. Racing Post. 2024年3月9日閲覧。
  8. ^ スイススカイダイバー(Swiss Skydiver) | 競馬データベース | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World. 2024年3月9日閲覧。
  9. ^ Horse Profile for Swiss Skydiver | Equibase is Your Official Source for Thoroughbred Racing Information”. Equibase. 2024年3月9日閲覧。
  10. ^ スイススカイダイバーの初仔が日本で誕生、キングマン産駒の牝馬JRA-VAN Ver world、2023年4月18日配信・閲覧
  11. ^ a b c 血統情報:5代血統表|Swiss Skydiver(USA)”. JBISサーチ. 2022年5月21日閲覧。