タムシバ
タムシバ(田虫葉、学名:Magnolia salicifolia)はモクレン科モクレン属の落葉小高木。別名を「ニオイコブシ」といい、花には芳香がある。早春に白い6弁花を葉に先立って咲かせる。
タムシバ | |||||||||||||||||||||
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タムシバ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Magnolia salicifolia (Sieb. et Zucc.) Maxim. | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
タムシバ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
willow-leafed magnolia anise magnolia |
特徴編集
コブシに比べると幹回りも背丈も小さめである[1]。花はコブシに似るが、コブシが花の下に葉が一枚ついているのに対し、タムシバは花の下に葉がない[1]。ただし、葉の出現には個体差があるため花の咲き始めでは見分けにくい場合がある[1]。
葉はコブシの葉が広倒卵形であるのに対し、タムシバは広披針形または長楕円形で、かつタムシバの方が細長い。葉裏もタムシバの葉裏は白味を帯びている(コブシは緑色)。またタムシバの葉は噛むと独特の甘味がある[1]。
果実は袋果が集まった集合果で、タムシバの果実はコブシに比べるとやや小型で、形も捻じ曲がらない。
名称編集
「カムシバ(噛む柴)」の別名をもつが、これは葉や枝を噛むと独特の甘味がするためにこの名前がついた[1]。これが転じて和名の「タムシバ」となったといわれる[1]。
高木型と低木型編集
タムシバは西日本に分布する高木型と東日本に分布する低木型がある。高木型は雄しべ数40~60、雌しべ数30~50であり、低木型は雄しべ数50~70、雌しべ数15~40と大きく異なっており、これら2型は別種と考えられる(未記載)[2]。
用途編集
- 庭木
- コブシと同じように、その蕾が『辛夷』として漢方薬に利用される。
- 春先の新芽が食用とされた。