ダウントン・アビー (映画)

ダウントン・アビー』(Downton Abbey)は、マイケル・エングラー英語版監督、ジュリアン・フェロウズ脚本による2019年のイギリス・アメリカ合作の歴史時代劇映画である。2010年から2015年にかけてITVで放送されたフェロウズ製作の同名のテレビシリーズの続編であり、ヒュー・ボネヴィルローラ・カーマイケル英語版ジム・カーター英語版ミシェル・ドッカリーエリザベス・マクガヴァンマギー・スミスペネロープ・ウィルトンといった多くのキャストが続投する。時代設定は1927年であり、ジョージ5世メアリー王妃によるダウントン・アビー訪問が描かれる。

ダウントン・アビー
Downton Abbey
監督 マイケル・エングラー英語版
脚本 ジュリアン・フェロウズ
原作 ジュリアン・フェロウズ
ダウントン・アビー
製作
製作総指揮
出演者
音楽 ジョン・ラン英語版
撮影 ベン・スミサード
編集 マーク・デイ
製作会社
配給 イギリスの旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
アメリカ合衆国の旗 フォーカス・フィーチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 イギリスの旗 2019年9月9日 (レスター・スクウェア)
イギリスの旗 2019年9月13日
アメリカ合衆国の旗 2019年9月20日
日本の旗 2020年1月10日
上映時間 122分
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $13,000,000 – 20,000,000[2][3]
興行収入 $190,540,000[4]
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イギリスでは2019年9月13日に封切られた。日本では2020年1月10日に公開された[5]

プロット編集

テレビドラマシリーズの終了時点から1年半後の1927年に始まる。ジョージ5世メアリー王妃ヨークシャーへの行幸途中でダウントン・アビーを訪問するという通知が、ロバートとコーラのグランサム伯爵夫妻に来る。ロバートの母バイオレットは、王妃の女官でロバートの従妹であるレディ・モード・バグショーも一行の中にいると知る。バグショー家とクローリー家は、モードの財産の相続をめぐってもめていた。

王室の使用人たちが先乗りして来て、ダウントン・アビーの使用人たちを見下し国王夫妻の世話の仕事を独占する。伯爵の長女メアリーは執事のバローが国王夫妻を迎える任に不足だと考え、引退していた前執事のカーソンを一時的に執事に戻す。バローは抗議するが従う。

チェトウッド少佐がダウントン村に現れ、国王のパレード観覧の警備を確認する。だが死去した伯爵の三女の夫トム・ブランソンはチェトウッドを疑い始め、メアリーの助けを借りて彼が国王を狙撃するのを阻止する。チェトウッドはアイルランド独立派であり、かつて運動にかかわったトムを味方だと誤認していたことがわかる。

国王の一行がダウントン・アビーに着く。トムはレディ・バグショーの侍女のルーシー・スミスと知り合う。伯爵の次女イーディスと夫で侯爵のバーティーも着く。国王はバーティーに皇太子のアフリカ訪問同行を求め、妊娠したイーディスは困惑する。トムは庭で悲しむメアリー王女を見かけ、身分を知らずに助言を与える。アンナは王室使用人のロートンが盗みを働くのを目撃し、脅迫してイーディスのために衣装を修繕させる。ボイラーが故障するが、修理人が料理人助手のデイジーに色目を使ったことを気に入らない下僕のアンディは、修理されたボイラーを再び意図的に壊してしまう。

アンナと夫のジョン・ベイツは他の使用人たちと結託し、王室の使用人に対抗する。王室に仕えながらもダウントン・アビーの使用人に同情的なエリスはバローに協力し、王室の使用人の一部をロンドンに返す。他の王室の使用人たちは睡眠薬を飲まされ、また"誤って"部屋に閉じ込められる。代わりにダウントンの使用人たちが料理を作り、国王夫妻を給仕する。一時的にダウントン・アビーの下僕の職に戻っていたモールズリーは緊張のあまり、ダウントン・アビーの料理人が料理を作ったことを国王に漏らしてしまう。ロバートは謝罪するが、王妃は周囲の人間が奇妙な行動をとることには慣れていると言う。

同夜、バローとエリスはヨークに行く。エリスが両親に会っている間、パブで待っていたバローは男に誘われて同性愛者のクラブに行く。だが警察が取り締まりに来てバローら客を逮捕する。エリスが王室使用人の身分を利用してバローを釈放させ、自分も同性愛者であることを漏らし、二人は絆を結ぶ。

バイオレットは子のいないモードの財産をロバートが相続すべきだと主張するが、モードは侍女のルーシーを相続人としている。マートン男爵夫人となっている、メアリーの前夫マシューの母のイザベルは、ルーシーがモードの隠し子であると正しく推測する。これを知ったバイオレットはトムとルーシーを結婚させて財産をクローリー家に集めようと企む。メアリーの夫ヘンリー・タルボットが海外から戻り、ヘアウッドでの国王主催のパーティーに間に合う。メアリー王女はトムの助言のおかげで夫との関係が修復できたと両親に伝え、国王はトムに感謝する。王妃は国王を説得してバーティーをアフリカ訪問旅行から外してもらう。トムはルーシーを見つけ、テラスで二人だけで踊る。

国王訪問が終わり、メアリーはダウントン・アビーを維持することの難しさをアンナに漏らす。バイオレットは、ロンドンで診察を受けた結果、自分の寿命が長くないことを孫のメアリーに伝える。メアリーならダウントンの伝統を守れると勇気づける。デイジーはアンディを愛していることを確認し、結婚を考え始める。カーソンは、クローリー家が次の百年もダウントン・アビーに住んで守れるだろうと妻の家政婦長ヒューズに話す。

キャスト編集

※括弧内は日本語吹き替え[6]

クロウリー家

クロウリー家の使用人

王室

王室の使用人

その他

製作編集

 
ダウントン・アビーとして撮影に使われているハイクレア・カースル

構想編集

映画は2015年12月に52話目を以て完結した同名のテレビシリーズの続編であり、最終回である1925年の大晦日から約2年後となる1927年の秋が舞台となる[7][8][9]。2016年4月、映画化が検討中であり[10]ジュリアン・フェロウズが脚本の概要作業に取り組んでいることが明らかとなった[11]。脚本は2017年初頭にオリジナルキャストたちに配布された[12][13]

2018年7月13日、プロデューサーにより長編映画の製作が発表され[14]、2018年中旬に撮影が始まることが明らかとなった[15]。脚本はフェロウズにより執筆されており、監督にはブライアン・パーシヴァル英語版の起用が予定され、プロデューサーはフェロウズ、ギャレス・ニーム英語版、リズ・トラブリッジが就任した[16]。配給はフォーカス・フィーチャーズユニバーサル・ピクチャーズ・インターナショナルが手がけることとなった[17]

2018年8月末、パーシヴァルが監督を降板し、代わってマイケル・エングラー英語版が就任したことが報じられた。パーシヴァルはナイジェル・マーチャントと共にエグゼクティブ・プロデューサーを務める[18][19]

キャスティング編集

2018年7月、ヒュー・ボネヴィルエリザベス・マクガヴァンミシェル・ドッカリーローラ・カーマイケル英語版マギー・スミスらオリジナルキャストがテレビシリーズと同じキャラクターを演じることが報じられ[16][20]、その後さらにジョアン・フロガット英語版の続投も明らかとなった[21]。一方でローズ・マクレア役のリリー・ジェームズ[22][23]やジェームズ・ケント役のエド・スペリーアスは出演しないことが明らかとなった[24]

2018年8月、映画で新たに加わるキャストとしてイメルダ・スタウントンジェラルディン・ジェームズタペンス・ミドルトンサイモン・ジョーンズ英語版デヴィッド・ヘイグ英語版ケイト・フィリップス英語版スティーヴン・キャンベル・ムーア英語版が発表された[19]。プロデューサーはサイモン・ジョーンズとジェラルディン・ジェームズが王と女王、デヴィッド・ヘイグが王の執事を演じることを明かした[25]

2018年9月、最終シリーズでヘンリー・タルボットを演じたマシュー・グッドが短時間だけ登場することが明らかとなった[26]。またジム・カーター英語版ブレンダン・コイル英語版ケヴィン・ドイル英語版ハリー・ハデン=ペイトン英語版ロブ・ジェームズ=コリアーアレン・リーチフィリス・ローガン英語版ソフィー・マクシェラ英語版レズリー・ニコル英語版ペネロープ・ウィルトンが再出演し、さらに新たにマックス・ブラウン英語版が加わったことが報じられた[27][28]

撮影編集

主要撮影は2018年8月末にロンドンで始まった[29][19]。9月20日までにテレビシリーズの主要なロケ地となったハンプシャーのハイクレア・カースルで撮影が行われた[30][31]。また9月にはウィルトシャーラコック英語版でも撮影が行われた[32]。撮影は2018年11月に完了した[33]

公開編集

オーストラリアでは2019年9月12日、イギリスでは2019年9月13日、アメリカ合衆国では2019年9月20日に公開された[34]。プレミア上映は2019年9月9日にレスター・スクウェアで行われた[35]

評価編集

興行収入編集

批評家の反応編集

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは批評家の支持率は35件で83%、平均点は6.41/10となっている[36]Metacriticでは16件のレビューで加重平均値が60/100と示されている[37]

参考文献編集

  1. ^ 'Downton Abbey' Movie Officially a Go With Series Cast Returning”. Variety (2018年7月13日). 2018年7月14日閲覧。
  2. ^ Fuster, Jeremy (2019年9月17日). “'Ad Astra,' 'Downton Abbey' and 'Rambo' to Bring Box Office Back to Full Speed”. TheWrap. 2019年9月17日閲覧。
  3. ^ D'Alessandro, Anthony (2019年9月22日). “'Downton Abbey' $31M Opening Reps Record For Focus Features – Final Update”. Deadline Hollywood. 2019年9月22日閲覧。
  4. ^ Downton Abbey (2019)”. Box Office Mojo. 2020年1月15日閲覧。
  5. ^ 人気海外ドラマ『ダウントン・アビー』映画化、英国国王が伯爵家を訪問する騒動を描く”. ファッション・プレス. 2019年10月4日閲覧。
  6. ^ ダウントン・アビー”. ふきカエル大作戦!! (2020年1月10日). 2020年1月11日閲覧。
  7. ^ 'Downton Abbey' Movie: Story Takes Place 18 Months After Original Series” (2018年12月20日). 2019年7月31日閲覧。
  8. ^ Downton Abbey Is Returning, With The Original Cast, To The Movies”. forbes.com. Forbes (2018年7月15日). 2018年7月20日閲覧。
  9. ^ Picturehouse Cinemas Ltd. (2019). “Coming Soon: Downton Abbey”. Picturehouse Recommends May/June/July: 6. 
  10. ^ “Downton creator Julian Fellowes: 'Why the personal attacks hurt so much'”. The Telegraph. (2016年4月10日). https://www.telegraph.co.uk/technology/2016/04/10/downton-creator-julian-fellowes-why-the-personal-attacks-hurt-so/ 2018年7月14日閲覧。 
  11. ^ Julian Fellowes: I'm plotting Downton Abbey film”. bbc.co.uk/news. BBC News (2016年4月14日). 2018年7月14日閲覧。
  12. ^ Downton Abbey movie 'could be filmed this year'”. bbc.co.uk/news. BBC News (2017年3月20日). 2018年7月14日閲覧。
  13. ^ Downton Abbey's Phyllis Logan reveals production on the movie begins 'any minute now'”. Radio times. Immediate Media Company (2018年8月12日). 2018年8月12日閲覧。
  14. ^ Downton Abbey film (finally) confirmed”. bbc.co.uk/news. BBC News (2018年7月13日). 2018年7月14日閲覧。
  15. ^ Downton Abbey film confirmed to shoot this summer with series cast returning”. theguardian.com. The Guardian (2018年7月13日). 2018年7月14日閲覧。
  16. ^ a b Desta, Yohana. “It's Happening: Downton Abbey's Original Cast Is Reuniting for a Movie”. Vanity Fair. 2019年9月12日閲覧。
  17. ^ 'Downton Abbey' Movie Is on the Way”. The New York Times (2018年7月13日). 2018年7月14日閲覧。
  18. ^ 'Downton Abbey' Movie Due to Begin Filming as Cast Grows, Director Replaced”. Collider (2018年8月31日). 2019年9月12日閲覧。
  19. ^ a b c McNary, Dave (2018年8月30日). “Imelda Staunton, Geraldine James Join 'Downton Abbey' Movie”. Variety. 2019年9月12日閲覧。
  20. ^ Maggie Smith, 83, to Return for Downton Abbey Big Screen Movie Alongside TV Show's Main Cast”. People.com. 2019年9月12日閲覧。
  21. ^ A 'Downton Abbey' Movie Is Coming and Joanne Froggatt and Michelle Dockery Are Beyond Excited About It”. Access. KNBC (2018年7月13日). 2018年7月20日閲覧。
  22. ^ Lily James Reveals Why There's 'No Space' for Her in Downton Abbey Movie”. People (2018年7月15日). 2018年7月15日閲覧。
  23. ^ Corrodus, Corrine (2018年7月16日). “Lily James will not be returning for the Downton Abbey movie”. telegraph.co.uk (The Telegraph). https://www.telegraph.co.uk/tv/2018/07/16/lily-james-will-not-returning-downton-abbey-movie/ 2018年7月20日閲覧。 
  24. ^ Downton Abbey star Ed Speleers won't be returning for the film”. Digital Spy (2018年11月11日). 2018年11月13日閲覧。
  25. ^ “'Downton Abbey' is back with an all-new movie trailer”. Journal Post. (2019年5月24日). https://www.journalpost.com/entertainment/celeb/downton-abbey-is-back-with-an-all-new-movie-trailer/ 2019年5月26日閲覧。 
  26. ^ Matthew Goode confirmed for Downton Abbey movie – but he says he will only be "popping in at the end"”. Radio Times. 2019年9月12日閲覧。
  27. ^ D'Alessandro, Anthony (2018年9月19日). “'Downton Abbey' Movie Sets Fall 2019 Opening”. Deadline Hollywood. 2019年9月12日閲覧。
  28. ^ D'Alessandro, Anthony (2018年9月27日). “'Downton Abbey' Movie Adds 'The Royals' Max Brown”. Deadline Hollywood. 2019年9月12日閲覧。
  29. ^ The Downton Abbey Movie Has Officially Started Filming”. Cinemablend. Gateway Blend (2018年9月1日). 2018年9月2日閲覧。
  30. ^ Downton Abbey movie: FIRST images of the lavish country set are unveiled as filming on the eagerly anticipated film gets underway at Highclere Castle”. MSN Entertainment. MSN (2018年9月20日). 2018年9月25日閲覧。
  31. ^ DOWNTON ABBEY MOVIE CONFIRMED”. express.co.uk. Highclere Castle (2018年8月5日). 2018年8月12日閲覧。
  32. ^ Moore, Joanne (2018年10月1日). “Downton stars return to Lacock for movie filming” (英語). The Wiltshire Gazette and Herald. 2018年12月15日閲覧。
  33. ^ Allen Leech on Making 'Bohemian Rhapsody' and the 'Downton Abbey' Movie”. Collider. Collider (2018年11月8日). 2018年11月9日閲覧。
  34. ^ Everything you need to know about the Downton Abbey movie”. GoodHouseKeeping.co.uk (2018年11月2日). 2019年9月12日閲覧。
  35. ^ Downton Abbey' stars arrive for world premiere of movie spin-off”. CNN (2019年9月9日). 2019年9月9日閲覧。
  36. ^ Downton Abbey (2019)”. Rotten Tomatoes. Fandango. 2019年9月12日閲覧。
  37. ^ Downton Abbey reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2019年9月11日閲覧。

外部リンク編集