ディバタグAmmodorcas clarkei)は、ウシ科ディバタグ属に分類される偶蹄類。本種のみでディバタグ属を構成する(単型)。

ディバタグ
ディバタグ
ディバタグ Ammodorcas clarkei
保全状況評価
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウシ目 Artiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
: ウシ科 Bovidae
亜科 : ブラックバック亜科 Antilopinae
: ブラックバック族 Antilopini
: ディバタグ属 Ammodorcas
: ディバタグ A. clarkei
学名
Ammodorcas clarkei
(Thomas, 1891)
和名
ディバタグ
英名
Clarke's gazelle
Dibatag
分布

分布

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エチオピア東部、ソマリア[1][2]

形態

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体長150-170cm[2]。尾長30-36cm[1]。肩高80-88cm[1][2]体重20-32kg[1][2]。頸部は非常に長い[1][2]。尾は細長く先端は踵に達し、基部の断面は円形[1]。背面の毛衣は赤や赤紫がかった灰褐色で、眼の周囲や腹面、臀部の毛衣は白い[1][2]。正中線および吻端から眼にかけて暗赤褐色の筋模様が入り、これらの筋模様の間に白い筋模様が入る[1][2]

脳頭蓋(眼窩より後方の頭骨)は顔面頭蓋(眼窩後端より前の部分)の1/3と短い。[1]眼下部にある臭腺(眼下腺)は眼窩の中にある[1][2]。吻端の体毛が無く露出した板状の皮膚(鼻鏡)は狭く、上唇は突出し可動性がある[1][2]。四肢は非常に長い[1][2]。後肢基部の内側(鼠蹊腺)や蹄の間(蹄間腺)には臭腺が無い[1][2]

オスにのみ後方へ湾曲した後に先端が前方へ向かう、「く」やアルファベットの「L」字状の角がある[1]。角長25-34cm[1]。角の基部は断面が円形で、5-10の節がある[1]。乳頭の数は4[1]

生態

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サバンナ雨季には草原にも生息する[2]。単独やペア、もしくはオス1頭、メス3-5頭からなる小規模な群れを形成し生活する[1]薄明薄暮性で、昼間は木陰や茂みの中で休む[2]。危険を感じると頸部や尾を直立させ反らしながら逃げる[1][2]。和名や英名(Dibatag)は「尾を立てる」という意味のソマリ語に由来する[1]

食性は植物食で、主に木の芽やを食べるが、果実も食べる[1][2]。高い場所にある木の葉は後肢だけで直立しながら食べる[1]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は12か月[2]。主に3-5月に1回に1頭の幼獣を産む[2]

人間との関係

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放牧、紛争、毛皮目的の乱獲などにより生息数は激減している[2]。また旱魃によっても生息数が減少している[2]。エチオピアでは1971年に法的に狩猟が禁止されているが、密猟される事もある[2]

関連項目

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参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』、東京動物園協会1988年、84-85頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社2000年、166頁。

外部リンク

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