ハマベブドウ英語: seagrapebaygrapeCoccoloba uvifera)は、タデ科被子植物の一つである。フロリダ州中南部、バハマ大アンティル諸島及び小アンティル諸島バミューダ諸島等を含む熱帯アメリカおよびカリブ海地域の沿岸部が原産である。

ハマベブドウ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: タデ科 Polygonaceae
: ハマベブドウ属 Coccoloba
: ハマベブドウ C. uvifera
学名
Coccoloba uvifera
(L.) L.

果実

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晩夏に、直径約2cmでブドウのような大きな房を作る緑色の果実が実る[2]。果実は徐々に熟して紫色になる。各々の果実が、体積の大部分を占める大きな種子を含む。

栽培

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約2℃の温度まで耐えられるが、を耐えることはできない[3]。葉は枯れる前に紅葉する。また他の植物とは異なり、種子は採集後、保存することができず、すぐに植える必要がある。

風に強く[4]、日陰には中程度の耐性、塩分には非常に強い耐性があるため、海岸の端に植えられることがある。また、観賞植物としても栽培される。果実は非常に味が良く、ジャムにしたり、生で食べたりする。

雄花雌花が異なる木で見られる雌雄異株であり、果実が成長するには他家受粉が必要である。ミツバチやその他の昆虫が、これらの植物の受粉を助ける[5]。雄花と雌花は花の見た目で区別でき、雄花では通常、枯れた花柄が見える[6]

種子か挿し木により増える。

利用

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フロリダ州南部の庭園では、人気のある観賞植物である。砂地を安定させるとともに、小動物の生息地としての役割も持つ。砂浜沿いにある樹高の高いハマベブドウは、ウミガメが近隣のビルからの光で動転するのを防ぐのにも役立っている。樹液は、の染色やなめしにも用いられる。木材は、家具の製造や薪、木炭の製造にも使われることがある。果実は、生のまま食べたり、ジェリーやジャムを作ったり、発酵させてワインを作ったりもする[7]

分類

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1696年、ハンス・スローンによってPrunus maritima racemosaレナード・プルークネットによってUvifera littoreaと初めて植物名が付けられた[8]。どちらの名前も「海のブドウ」というヨーロッパの見方を反映したものだった。一方、現地の人々は、これを「大きなクワ」とみなしていた。

カール・フォン・リンネの『植物の種』の初版(1753年)では、プルークネットの命名に基づいてPolygonum uviferaとし、flores non vidi(花は見られない)と付記した。その後、パトリック・ブラウンThe Civil and Natural History of Jamaica(1756年)で、この種のためにハマブドウ属(Coccoloba)が提案された。ブラウンの提案に基づき、リンネの第2版(1762年)[9]では、分類をCoccolobus uviferaと変更し、他の全ての名前を引用した。属名のCoccolobusは、ギリシャ語でブドウの一種を意味するkokkolobisに由来する[10]

ギャラリー

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出典

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  1. ^ IUCN SSC Global Tree Specialist Group.; Botanic Gardens Conservation International (2020). Coccoloba uvifera. IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T156770168A156770170. doi:10.2305/IUCN.UK.2020-1.RLTS.T156770168A156770170.en. https://www.iucnredlist.org/species/156770168/156770170 18 November 2021閲覧。. 
  2. ^ Alden, P. et al. (1998). National Audubon Society Field Guide to Florida. New York: Knopf
  3. ^ Conservation Plant Characteristics for Coccoloba uvifera”. US Department of Agriculture. 12 September 2013閲覧。
  4. ^ Llamas, Kirsten (2003). Tropical Flowering Plants: A Guide to Identification and Cultivation. Timber Press. pp. 223. ISBN 9780881925852. https://books.google.com/books?id=WxW4Scq6kU8C&pg=PA318 12 September 2013閲覧。 
  5. ^ Paris Permenter, John Bigley (2001). Antigua, Barbuda, St. Kitts and Nevis Alive!. Edison, NJ: Hunter Publishing. p. 123. ISBN 1556508808. https://books.google.com/books?id=qHygJbSbsCAC&pg=RA1-PT100 12 September 2013閲覧。 
  6. ^ Shaw, Carolyn (8 February 2008). “Delnor-Wiggins Pass State Park: Dune plants are tough enough to withstand harsh conditions”. naplesnews.com. 12 September 2013閲覧。
  7. ^ Sea grape”. University of Florida School of Forest Resources and Conservation (September 9, 2015). August 30, 2018閲覧。
  8. ^ Austin, p. 225.
  9. ^ Page 523. This edition is downloadable, Google Books, at [1].
  10. ^ Eckel, P. M. (2018年). “A Grammatical Dictionary of Botanical Latin”. Missouri Botanical Garden. May 24, 2019閲覧。
  • Austin, Daniel F. (2004). Florida Ethnobotany. CRC Press. ISBN 0-8493-2332-0  Preview available, Google Books.