ナデシコ目 (ナデシコもく、Caryophyllales)は、双子葉植物の一つで、ナデシコ科タイプ科とするものである。

ナデシコ目
Agrostemma githago(ナデシコ科)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
学名
Caryophyllales Juss. ex Bercht. & J. Presl1820[1]

本文参照

分類

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APG IIIでは33科を含む大きなグループで、大きく3つのクレードに分けることができる[2]

ナデシコ科を含むクレード

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初期に分岐した4科を除くと、クロンキスト体系のナデシコ目と一致する。これは子房の形態的特徴から中心子目 (Centrospermae) とも呼ばれたグループで、新エングラー体系のアカザ目に相当する。またナデシコ科を除きベタレイン系色素(テンサイツルムラサキヤマゴボウに含まれる赤紫色のベタニンなど)を含むのが特徴である。サボテン科、スベリヒユ科、ハマミズナ科など多肉植物も多い。Macarthuria(10種)・Hypertelis(8種)の2属には未だ科が割り当てられていない。

ラブドデンドロン科

シモンジア科

Asteropeiaceae

Physenaceae

Macarthuria

Microteaceae

ヒユ科

アカトカルプス科

ナデシコ科

Stegnospermataceae

Limeaceae

Lophiocarpaceae

Hypertelis

Barbeuiaceae

ハマミズナ科

ヤマゴボウ科

Gisekiaceae

Sarcobataceae

オシロイバナ科

ザクロソウ科

ヌマハコベ科

Halophytaceae

ディディエレア科

ツルムラサキ科

ハゼラン科

アナカンプセロス科

スベリヒユ科

サボテン科

ナデシコ科クレードの系統

食虫植物クレード

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ツクバネカズラ科を除く多くの種が食虫植物である。

モウセンゴケ科

ウツボカズラ科

ドロソフィルム科

ツクバネカズラ科

ディオンコフィルム科

食虫植物クレードの系統

タデ科を含むクレード

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フランケニア科

ギョリュウ科

イソマツ科

タデ科

タデ科クレードの系統

系統

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ナデシコ目系統樹(“†”で示されている箇所は、ブートストラップ法で80%以上の支持を得ておらず、50〜80%の間の支持に留まっている分類クレードである)[3]

ナデシコ目 Caryophyllales †
ナデシコ目中核クレード

サボテン科 Cactaceae

スベリヒユ科 Portulacaceae

アナカンプセロス科 Anacampserotaceae

ハゼラン科 Talinaceae

ツルムラサキ科 Basellaceae

ディディエレア科 Didiereaceae

ハロフィトゥム科 Halophytaceae

ヌマハコベ科 Montiaceae

ザクロソウ科 Molluginaceae

ヤマゴボウ科 Phytolaccaceae

ギセキア科 Gisekiaceae

サルコバトゥス科 Sarcobataceae

オシロイバナ科 Nyctaginaceae

ハマミズナ科 Aizoaceae

バルベウイア科 Barbeuiaceae

ケワ科 Kewaceae

ロフィオカルプス科 Lophiocarpaceae

リメウム科 Limeaceae

ステグノスペルマ科 Stegnospermataceae

ナデシコ科 Caryophyllaceae

アカトカルプス科 Achatocarpaceae

ヒユ科 Amaranthaceae

ミクロテア科 Microteaceae

マカルトゥリア科 Macarthuriaceae

アステロペイア科 Asteropeiaceae

フィセナ科 Physenaceae

シモンジア科 Simmondsiaceae

ラブドデンドロン科 Rhabdodendraceae

ディオンコフィルム科 Dioncophyllaceae

ツクバネカズラ科 Ancistrocladaceae

ドロソフィルム科 Drosophyllaceae

ウツボカズラ科 Nepenthaceae

モウセンゴケ科 Droseraceae

フランケニア科 Frankeniaceae

ギョリュウ科 Tamaricaceae

イソマツ科 Plumbaginaceae

タデ科 Polygonaceae

過去の分類体系

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ディディエレア科はスベリヒユ科、Sarcobataceaeはアカザ科、Stegnospermataceae・Barbeuiaceaeなどはヤマゴボウ科に含められていた。から分離された1属である。ホホバ科はトウダイグサ目に分類されることもある。

クロンキスト体系

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クロンキスト体系ではナデシコ亜綱のタイプ目である。APGにおけるタデ科・イソマツ科はそれぞれ単型の目とされ、ナデシコ目と併せ3目でナデシコ亜綱を認めている。モウセンゴケ科とウツボカズラ科はドロソフィルム科とともにウツボカズラ目とした。サラセニア科とのこりの科はスミレ目へと分類し、この2つの目はビワモドキ亜綱にふくまれる、としている。APGでのAsteropeiaceae と Physenaceae は、それぞれツバキ科フウチョウソウ科に分類されている。

被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnolliopsida
ナデシコ亜綱 Caryophyllidae
ナデシコ目 Caryophyllales
  • ヤマゴボウ科 Phytolaccaceae
  • アカトカルプス科 Achatocarpaceae
  • オシロイバナ科 Nyctaginaceae
  • ハマミズナ科 Aizoaceae
  • カナボウノキ科 Didiereaceae
  • サボテン科 Cactaceae
  • アカザ科 Chenopodiaceae
  • ヒユ科 Amaranthaceae
  • スベリヒユ科 Portulacaceae
  • ツルムラサキ科 Basellaceae
  • ザクロソウ科 Molluginaceae
  • ナデシコ科 Caryophyllaceae

新エングラー体系

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新エングラー体系ではクロンキストとほぼ同じタクソンを認識しているが、Centrospermaeの名称を使っている。日本語ではラテン名を意訳して中心子目とするか、アカザ目の名前を使う。

脚注

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  1. ^ ナデシコ目 Tropics
  2. ^ Caryophyllales in Stevens, P. F. (2001 onwards).”. 2012年11月2日閲覧。
  3. ^ Caryophyllales. In Stevens, P. F. (2001 onwards). Angiosperm Phylogeny Website. Version 9, June 2008 [and more or less continuously updated since].