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ピースウィンズ・ジャパン

認定特定非営利活動法人ピース ウィンズ・ジャパン(Peace Winds Japan=以下PWJ)は1996年2月に設立されたNGOであり、紛争地や災害被災地での人道支援を中心に活動してきたが、近年では、人道支援に加えて国内の地域再生、動物愛護活動などの多様な社会問題の解決に取り組んでいる。代表理事兼統括責任者は大西健丞(おおにし・けんすけ)。本部は広島県神石高原町

目次

概要編集

PWJは1996年2月に国内イラク北部のクルド人自治区での人道支援を目的として設立された団体。代表理事の大西氏は当時、別のNGOの一員としてイラク北部で人道支援に携わっていたが、このNGOが経営難で撤退。支援を途切れさせないため、独立を決意した。団体名の由来は「春の訪れを告げ、争いや苦難を忘れさせてくれる風――そんな「平和の風」のような存在になりたい」(大西著書「NGO、常在戦場(徳間書店)」より)。設立時、日本人スタッフは大西含め3人だった。クルド人を敵視するサダム・フセイン政権の攻撃にさらされる中、クルド人自治区で巡回医療や国内避難民キャンプの支援などにあたった。その後、支援地域を拡大し、これまで中東、アフリカ、アジアを中心に28の国と地域で難民支援や、自然災害の被災地支援などを続けてきた(2017年2月時点)。本部は広島県神石高原町。東京と佐賀に事務所を置くほか、海外でもイラクやケニア、東ティモール、ミャンマーなどに事務所を構えている。2016年2月に設立から20周年を迎えた。 紛争地や災害被災地で人道援助に取り組む傍ら、近年は国内の社会課題にも目を向け、活動のフィールドを広げている。2010年に災害救助犬の育成を始めたことをきっかけに、犬の「殺処分ゼロ」を目指す「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトを立ち上げた。2011年度に犬猫の殺処分数が全国ワーストだった広島県で、2016年4月から殺処分対象の犬たちを全頭引き取り、同県ではその後「殺処分ゼロ」を維持している。本部を置く神石高原町に犬舎を建設して犬を保護する一方、新しい飼い主を探すための拠点として、広島市、神奈川県藤沢市、東京都世田谷区、広島県福山市、東京都あきる野市に譲渡センターを開設した。2016年6月、こうした保護・譲渡の取り組みに加え、活動資金を調達するために神石高原町と協力してふるさと納税を活用したり、非営利型のペットショップのモデルを創出したりした点が評価され、革新的な取り組みを実施した団体に贈られる「第4回日経ソーシャルイニシアチブ大賞」を受賞した。 国内ではほかに、NPO誘致に積極的な佐賀県で、地元の伝統工芸品の新たな販路開拓や商品開発などを支援。神石高原町では観光施設の運営支援、瀬戸内海の無人島・豊島(愛媛県)では地元NPOと協力して島を舞台にしたアートと観光による地域活性化、など様々な活動に取り組んでいる。

ビジョン編集

「人びとが紛争や貧困などの脅威にさらされることなく、希望に満ち、尊厳を持って生きる世界をめざします。」

ミッション編集

「紛争や自然災害などにより、生命が脅かされている人びとに対し、 迅速に緊急人道支援を行います。 社会的基盤の崩壊などにより、困窮している人びとに対し、 自立のための復興・開発支援を行います。 支援地での活動を通じ、紛争の予防および解決に取り組みます。 支援の必要性に対する情報を発信し、市民の関心を喚起します。 援助システムをより効果的にするための提言を行い、その改善に取り組みます。」

主な沿革編集

  • 1996年 創設者の大西健丞が日本人スタッフ2人とPWJを立ち上げ、イラク北部で活動を開始。
  • 1999年 前年の特定非営利活動促進法(NPO法)施行を受け、NPO法人格を取得。東ティモールやコソボの紛争が起き、人道支援に入る。
  • 2001年 9・11テロ後のアフガニスタン空爆を受け、国内避難民に対する人道支援を開始。
  • 2003年 東ティモールで輸出産業を育てるコーヒー事業を始める。イラン地震緊急支援。
  • 2004年 新潟県中越地震に対応し、初の国内災害支援。インドネシア・スマトラ島沖地震・津波の被災地で緊急支援に入る。
  • 2005年 パキスタン地震の被災地で緊急支援を実施。
  • 2010年 国税庁から「認定NPO」に認められる。広島県神石高原町で災害救助犬の育成をスタート。
  • 2011年 東日本大震災の被災地で緊急支援に入る。
  • 2012年 イラクでシリア難民を支援。ケニアではソマリア難民を支援。
  • 2013年 本部を東京から広島県神石高原町に移転。首都での大地震を想定したリスク管理と、過疎や高齢化など国内の課題への取り組みを本格化させるため、本部機能を移した。
  • 2014年 広島土砂災害の被災地に災害救助犬とレスキューチームを派遣。災害救助犬が土砂の中から行方不明者を見つける。広島市と神奈川県藤沢市に、保護犬の飼い主を見つけるための譲渡センターが開設される。
  • 2015年 佐賀県に事務所を新設。ネパール地震の被災地で支援活動を開始。パレスチナ・ガザで支援事業が始まる。
  • 2016年 設立20年。熊本地震の被災地で支援活動を開始。12月に東京・世田谷に3カ所目となる譲渡センターを開設する。
  • 2017年 九州北部豪雨の被災地で支援活動を開始。10月にはバングラデシュでロヒンギャ難民支援を始めた。

活動地域(2018年1月時点)編集

海外

  • イラク
  • アフガニスタン
  • ガザ
  • 南スーダン
  • ケニア
  • ウガンダ
  • シエラレオネ
  • スリランカ
  • ミャンマー
  • バングラデシュ
  • ネパール
  • モンゴル
  • 東ティモール
  • ハイチ


日本

  • 東北
  • 熊本
  • 福岡
  • 佐賀
  • 広島
  • 瀬戸内

主な活動内容(2017年2月時点)編集

イスラム国などの影響で治安情勢が不安定なイラクでは、難民キャンプで仮設住宅を建て、水衛生施設を整備。越冬や越夏のための物資配布なども続ける。紛争による経済の停滞が続くパレスチナ・ガザでは、若手に雇用機会を提供するなどの雇用創出事業を手掛ける。2015年に大地震が起きたネパールでは、壊れた給水施設の修理や耐震技術を伝える研修などを実施。2016年10月にハリケーン「マシュー」が直撃したハイチでは、家屋を修理する材料を被災者に提供するなどして復興支援を続けている。ウガンダには、南スーダンで2016年7月に起きた内戦をきっかけに難民が押し寄せているため、水道網を整備したり、水タンクを設置したりしている。東ティモールでは1999年の独立紛争時の人道支援をきっかけに、輸出産業を育てるため、コーヒー豆の栽培から加工まで現地の生産者を支援する事業を継続している。

東日本大震災では発生直後から被災地入りした。緊急支援物資を配布し、漁業や商店の生計支援、子供支援などにあたった。現在も宮城県南三陸町で地元NPOと連携し、コミュニティ再生の支援を続けている。2016年の熊本地震時にはレスキュー隊と災害救助犬が出動し、行方不明者の捜索にあたったほか、テントやユニットハウスを活用して被災者がペットと一緒に寝泊まりできる避難所を開設した。

ピースワンコ・ジャパンプロジェクトは2017年2月1日から、犬猫の「殺処分ゼロ」の取り組みを広めることを目的として、「殺処分ゼロ・チャレンジ推進助成事業」を始めた。殺処分を減らす取り組みに挑戦する全国の民間非営利団体を対象に、一定の審査を経て、1件につき上限300万円を助成する、といった内容となっている。また、人気バンドSEKAI NO OWARIがPWJの活動に賛同し、ピースワンコ・ジャパンを応援するプロジェクト「ブレーメン」を昨年開始。CDの販売収益の一部がPWJに寄付されている。同年11月には、340頭の保護犬と保護猫が集まった大譲渡会「ブレーメンパーク」を幕張メッセで初開催した。

外部リンク編集