プロトアクチニウム

原子番号91の元素

プロトアクチニウム (: protactinium [ˌproʊtækˈtɪniəm]) は、原子番号91の元素元素記号Paアクチノイド元素の一つ。安定同位体は存在せず、すべてが放射性同位体である。

トリウム プロトアクチニウム ウラン
Pr

Pa

不明
Element 1: 水素 (H),
Element 2: ヘリウム (He),
Element 3: リチウム (Li),
Element 4: ベリリウム (Be),
Element 5: ホウ素 (B),
Element 6: 炭素 (C),
Element 7: 窒素 (N),
Element 8: 酸素 (O),
Element 9: フッ素 (F),
Element 10: ネオン (Ne),
Element 11: ナトリウム (Na),
Element 12: マグネシウム (Mg),
Element 13: アルミニウム (Al),
Element 14: ケイ素 (Si),
Element 15: リン (P),
Element 16: 硫黄 (S),
Element 17: 塩素 (Cl),
Element 18: アルゴン (Ar),
Element 19: カリウム (K),
Element 20: カルシウム (Ca),
Element 21: スカンジウム (Sc),
Element 22: チタン (Ti),
Element 23: バナジウム (V),
Element 24: クロム (Cr),
Element 25: マンガン (Mn),
Element 26: 鉄 (Fe),
Element 27: コバルト (Co),
Element 28: ニッケル (Ni),
Element 29: 銅 (Cu),
Element 30: 亜鉛 (Zn),
Element 31: ガリウム (Ga),
Element 32: ゲルマニウム (Ge),
Element 33: ヒ素 (As),
Element 34: セレン (Se),
Element 35: 臭素 (Br),
Element 36: クリプトン (Kr),
Element 37: ルビジウム (Rb),
Element 38: ストロンチウム (Sr),
Element 39: イットリウム (Y),
Element 40: ジルコニウム (Zr),
Element 41: ニオブ (Nb),
Element 42: モリブデン (Mo),
Element 43: テクネチウム (Tc),
Element 44: ルテニウム (Ru),
Element 45: ロジウム (Rh),
Element 46: パラジウム (Pd),
Element 47: 銀 (Ag),
Element 48: カドミウム (Cd),
Element 49: インジウム (In),
Element 50: スズ (Sn),
Element 51: アンチモン (Sb),
Element 52: テルル (Te),
Element 53: ヨウ素 (I),
Element 54: キセノン (Xe),
Element 55: セシウム (Cs),
Element 56: バリウム (Ba),
Element 57: ランタン (La),
Element 58: セリウム (Ce),
Element 59: プラセオジム (Pr),
Element 60: ネオジム (Nd),
Element 61: プロメチウム (Pm),
Element 62: サマリウム (Sm),
Element 63: ユウロピウム (Eu),
Element 64: ガドリニウム (Gd),
Element 65: テルビウム (Tb),
Element 66: ジスプロシウム (Dy),
Element 67: ホルミウム (Ho),
Element 68: エルビウム (Er),
Element 69: ツリウム (Tm),
Element 70: イッテルビウム (Yb),
Element 71: ルテチウム (Lu),
Element 72: ハフニウム (Hf),
Element 73: タンタル (Ta),
Element 74: タングステン (W),
Element 75: レニウム (Re),
Element 76: オスミウム (Os),
Element 77: イリジウム (Ir),
Element 78: 白金 (Pt),
Element 79: 金 (Au),
Element 80: 水銀 (Hg),
Element 81: タリウム (Tl),
Element 82: 鉛 (Pb),
Element 83: ビスマス (Bi),
Element 84: ポロニウム (Po),
Element 85: アスタチン (At),
Element 86: ラドン (Rn),
Element 87: フランシウム (Fr),
Element 88: ラジウム (Ra),
Element 89: アクチニウム (Ac),
Element 90: トリウム (Th),
Element 91: プロトアクチニウム (Pa),
Element 92: ウラン (U),
Element 93: ネプツニウム (Np),
Element 94: プルトニウム (Pu),
Element 95: アメリシウム (Am),
Element 96: キュリウム (Cm),
Element 97: バークリウム (Bk),
Element 98: カリホルニウム (Cf),
Element 99: アインスタイニウム (Es),
Element 100: フェルミウム (Fm),
Element 101: メンデレビウム (Md),
Element 102: ノーベリウム (No),
Element 103: ローレンシウム (Lr),
Element 104: ラザホージウム (Rf),
Element 105: ドブニウム (Db),
Element 106: シーボーギウム (Sg),
Element 107: ボーリウム (Bh),
Element 108: ハッシウム (Hs),
Element 109: マイトネリウム (Mt),
Element 110: ダームスタチウム (Ds),
Element 111: レントゲニウム (Rg),
Element 112: コペルニシウム (Cn),
Element 113: ニホニウム (Nh),
Element 114: フレロビウム (Fl),
Element 115: モスコビウム (Mc),
Element 116: リバモリウム (Lv),
Element 117: テネシン (Ts),
Element 118: オガネソン (Og),
Protactinium has a tetragonal crystal structure
91Pa
外見
銀白色
一般特性
名称, 記号, 番号 プロトアクチニウム, Pa, 91
分類 アクチノイド
, 周期, ブロック n/a, 7, f
原子量 231.03588
電子配置 [Rn] 7s2 6d1 5f2
電子殻 2, 8, 18, 32, 20, 9, 2(画像
物理特性
固体
密度室温付近) 15.37 g/cm3
融点 1841 K, 1568 °C, 2854 °F
沸点 ? 4300 K, ? 4027 °C, ? 7280 °F
融解熱 12.34 kJ/mol
蒸発熱 481 kJ/mol
原子特性
酸化数 2, 3, 4, 5(弱塩基性酸化物
電気陰性度 1.5(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 1st: 568 kJ/mol
原子半径 163 pm
共有結合半径 200 pm
その他
結晶構造 正方晶系
磁性 常磁性[1]
電気抵抗率 (0 °C) 177 nΩ⋅m
熱伝導率 (300 K) 47 W/(m⋅K)
CAS登録番号 7440-13-3
主な同位体
詳細はプロトアクチニウムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
229Pa syn 1.4 d α 5.58 225Ac
230Pa syn 17.4 d ε 1.310 230Th
β- 0.563 230U
231Pa ~100 % 32760 y α 5.149 227Ac
232Pa syn 1.31 d β- 0.31 232U
233Pa syn 26.967 d β- 0.571 233U
234mPa trace 1.17 min β- 2.29 234U
IT 0.0694 234Pa
234Pa trace 6.75 h β- 0.23 234U

銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は正方晶系であるが、800℃程に加熱すると体心立方格子が最も安定となる。比重は15.37(理論値)、融点は1575 °C沸点は4000 °C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。

空気中での酸化はゆるやか。酸に溶ける(やや難溶)。酸素、水蒸気と反応。酸素と反応すると表面が曇る。アルカリには不溶。展性、延性があり、化学的性質は、ニオブタンタルに類似する。安定な原子価は+5。

名称

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α崩壊するとアクチニウムになる。アクチニウム(actinium)の元になるもの(proto)という意味で、1918年protoactinium と名づけられた。その後1949年protactinium に短縮された。

歴史

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1871年メンデレーエフが91番元素として、その存在と性質を予言、エカタンタル (ekatantalum) と呼んだ[2]

当時はウラン崩壊の際に生じる核異性体のプロトアクチニウム234を偶然発見しただけであったが、その後1917年リーゼ・マイトナーオットー・ハーンがプロトアクチニウム231を発見した。

1961年には99.9 %純粋なプロトアクチニウムが作られるようになった。

用途

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プロトアクチニウムは存在量の少なさと強い毒性のためあまり用途はない。しかし、ウラン235α崩壊の際に生じるプロトアクチニウム231は核燃料に使用されると思われる。現在、プロトアクチニウム231は海底沈殿層の年代測定に利用されている。

存在

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プロトアクチニウムはウラン鉱に微量存在し、ウラン崩壊の際に極微量生成する。

同位体

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プロトアクチニウムは29の同位体が存在が確認されているが、安定同位体は存在せず、すべてが放射性である。天然には4つの同位体が存在し、最も半減期が長いのがプロトアクチニウム231で、32760年である。この元素には、2つの核異性体 217mPa(半減期1.15ミリ秒)と 234mPa(半減期1.17)が存在する。

人体毒性

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プロトアクチニウムは強い放射性と猛毒性を有し、プルトニウムアルファ線同等の強発癌性を有する。

プロトアクチニウムの化合物

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出典

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  1. ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds Archived 2012年1月12日, at the Wayback Machine., in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
  2. ^ 桜井弘『元素111の新知識』講談社、1998年、368頁。ISBN 4-06-257192-7 

関連項目

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