ヘラ (マーベル・コミック)
ヘラ(Hela)は、マーベル・コミックが出版するコミック作品に登場するキャラクターである。北欧神話の女神ヘルに基づいており、“アスガルド”の死の女神にして、“ヘルヘイム”と“ニブルヘイム”の長でもあり、ソーの敵として描写される。
Hela | |
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出版の情報 | |
出版者 | マーベル・コミック |
初登場 | 『ジャーニー・イントゥ・ミステリー』第102号(1964年3月)[1] |
クリエイター | スタン・リー ジャック・カービー |
作中の情報 | |
種族 | アスガーディアン |
所属チーム | ヘル・ローズ Death Gods ブラック・オーダー |
パートナー | フェンリス・ウルフ |
著名な別名 | Goddess of Death The Death Queen Mistress of the Darkness Miss Halja |
能力 |
発行履歴 編集
ヘラはスタン・リーとジャック・カービーによって創造され、1964年3月の『ジャーニー・イントゥ・ミステリー』第102号に初登場した[2]。
キャラクター経歴 編集
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その他のバージョン 編集
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MCU版 編集
『マーベル・シネマティック・ユニバース』(MCU)では、ケイト・ブランシェットが演じる。日本語吹替は下記を参照。
本項は、“アース616”(正史の宇宙)におけるヘラを主軸として表記する。
キャラクター像 編集
北欧神話の死者の国を支配する女神“ヘル”のモデルである、オーディンの第一子で、ソーの実姉にあたる死の女神。全身を包む黒を基調とし、緑のラインと“死のエネルギー”がめぐるタイトな衣装と闇のマント、際立つアイメイクが入った人相などの禍々しい外見に違わず奔放且つ傍若無人にして、力を貪欲に望む性格の持ち主で、かつてオーディンの片腕である死刑執行人として彼と共に“アスガルド”を強大な帝国に造り上げ、“九つの世界”の征服の際にオーディンの軍隊を指揮して恐怖をばらまいた[3][4][5]。
しかしオーディンが改心して、アスガルドを中心とした九つの世界の平和の統治を決めると、自身は手中に収めた土地の明け渡しの拒否とさらなる征服を訴えて父に反抗するが、“ヘル”へ追放された。しかし、それも間もなく自らポータルを開いてアスガルドへ舞い戻ろうとし、オーディンが阻止のために遣わせた“ヴァルキリー”を、1人の戦士を除いて全滅させた後に、オーディンによって再度ヘルへと投獄・封印された[3][4][5]。
だが地球暦2017年、オーディンが亡くなったことによって封印が解けて復活。再び九つの世界と全宇宙へ暴虐の限りを尽くして支配しようと動き出す。
『ホワット・イフ...?』版 編集
現在のところ、アース616とは異なる宇宙の一つにヘラの“変異体”の存在が確認されており、基本的なキャラクター像は正史のヘラと同等だが、力を失った状態での戦闘で窮地に追い込まれると命乞いをする姿も見せる。
能力 編集
ソーが投げつけて来た“ムジョルニア”を片手で受け止めて握り潰すほどのパワーや、熟練された白兵戦能力、衣装の自動修繕と後述の武器を無尽蔵に生成・出現させて撃ち出せる魔法を持ち[3][5]、包囲する大勢の敵を単独で一掃するほどの戦闘力を発揮する。またアスガルドから力を得ているため、アスガルドでは剣で身体を貫かれても平然としており、アスガルドに滞在するほど力が高まって強くなる。
武装 編集
- 兜
- 両掌で頭部をなぞりながら形作る枝角のような頭飾り。ヘラの意思と目的によって形が変わる[3][5]。
- “アース21818”では、タニリーア・ティヴァン/コレクターがコレクションする武器の一つとして登場し、ティ・チャラ/スター・ロードやヨンドゥ・ウドンタとの戦いで用いられる。
- ヘラの変異体はこの頭飾りを力の源として愛用し、オーディンの呪文がかかったことでムジョルニアと同様に、所有するに相応しくないものには持ち上げることができないようになる。
- ネクロソード(Necroswords)[3]
- ヘラが自らの力で生成し、愛用する黒曜石製の長剣。死のエネルギーによって輝く刀身[3]の逆向きの鉤により、一度刺さると刃を抜くのは困難である[3]。ヘラはこれを主武装とする。
- アース21818では、ヘラの兜と共にティヴァンがコレクションする武器の一つとして登場し、彼に用いられる。
- ネクロブレイド(Necroblades) [3]
- ヘラが自らの力で多数生成し、愛用する黒曜石製の短剣。形状と長さが数種類あり、投擲や弾丸のような射出攻撃にも使用される。
- ブラッドアックス(Bloodaxe)
- ヘラによって生製される強力な黒曜石製の諸刃の大斧。ヘラはこれでアスガルドの宮殿の武器庫の床を叩き壊した後に、彼女の部下となったスカージに託して、ヘイムダルの居所を白状しない国民の処刑にも振るわれかけた。しかし、最終的にはヘラへ反旗を翻すことを決意したスカージに手放される。
このほかにも、長槍のような武器を生成して行使するほか、太古の時代には“ムジョルニア”も愛用していたことが示唆されている。
各作品における描写 編集
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』
- 日本語吹替 - 天海祐希
- 本作でMCU初登場。オーディンによって永らくヘルに封印されていたが、彼が亡くなったことによって出現したポータルを通り、トンスベルグの海岸に姿を現すと、居合わせたソーとロキに圧倒的な力を見せつける。そこからロキがスカージに架けさせた“ビフレスト”を利用してアスガルドに帰還し、スカージを屈服させると共に、自身の存在とアスガルドの繁栄の真実を知らない現代のアスガルドの民たちに憤慨し、“ウォーリアーズ・スリー”と“エインヘリャル”を難なく抹殺した。
- さらに“永久の炎”の力でかつての自身の配下と“フェンリス”を復活させ、アスガルドの民たちに恐怖で震え上がらせつつ自らに仕えるように命じ、九つの世界と全宇宙へ暴虐の限りを尽くして支配しようと目論む。
- そこへ帰還したソーや、かつての因縁の関係であるヴァルキリー(ブリュンヒルデ)たちと決着をつけるために応戦。圧倒的なパワーでソーの雷神の力すらもほとんど受け付けず、アスガルドの民たちが避難船として乗船した“ステイツマン”にも攻撃し、反旗を翻したスカージまで容易く手にかけるなど猛威を振るい続けたが、最終的にアスガルドに固執したことが仇となり、ロキによって復活させられたスルトによって“ラグナロク”を引き起こされてしまった。アスガルドを滅ぼさせまいと、スルトに攻撃を仕掛けるが、スルトがアスガルドを滅亡させる一撃を受けたことによって滅びる。
- 『ホワット・イフ...?』シーズン2
- 声 - ケイト・ブランシェット(本編)、リブ・ザモーラ(幼少期)
- 日本語吹替 - 沢海陽子
- 第7話
- 第9話
その他のメディア 編集
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脚注 編集
- ^ Misiroglu, Gina Renée; Eury, Michael (2006) (英語). The Supervillain Book: The Evil Side of Comics and Hollywood. Visible Ink Press. ISBN 9780780809772
- ^ Rovin, Jeff (1987). The Encyclopedia of Super-Villains. New York: Facts on File. p. 155. ISBN 0-8160-1356-X[1]
- ^ a b c d e f g h ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 90 - 91
- ^ a b 超全集 2019, p. 185
- ^ a b c d キャラクター事典 2020, p. 46
参考文献 編集
- 『マーベル・スタジオ・ビジュアル・ディクショナリー』デアゴスティーニ・ジャパン、2019年。ISBN 978-4-8135-2270-6。
- 『アベンジャーズ マーベルヒーロー超全集』小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2019年。ISBN 978-4-09-227211-8。
- 『マーベル・スタジオ キャラクター事典』株式会社うさぎ出版、2020年。ISBN 978-4-418-19429-2。