マイ・ネーム・イズ・バディ
『マイ・ネーム・イズ・バディ』(My Name Is Buddy)は、アメリカ合衆国のギタリスト、ライ・クーダーが2007年に発表したスタジオ・アルバム。
『マイ・ネーム・イズ・バディ』 | ||||
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ライ・クーダー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
カリフォルニア州ヴァン・ナイズ サウンド・シティ・スタジオ[1] アディショナル・レコーディング:カリフォルニア州サンタモニカ オレンジ・ステラ・スタジオ、ニューヨーク州ビーコン、カリフォルニア州ロサンゼルス シャトー・マーティン[1] | |||
ジャンル | ロック、フォーク、アメリカーナ | |||
時間 | ||||
レーベル | ノンサッチ・レコード | |||
プロデュース | ライ・クーダー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ライ・クーダー アルバム 年表 | ||||
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背景
編集前作『チャヴェス・ラヴィーン』(2005年)、次作『アイ・フラットヘッド』(2008年)と共に、クーダーが「カリフォルニア三部作」として発表した作品の一つである[13]。
本作は「バディ」という名前のネコを主人公とした物語で、クーダーは、レコード店のマスコットであった「スーツケースの中で眠っていたネコ」の話を聞いて、本作のストーリーの着想を得た[14]。なお、「バディ」は本作のジャケットにも描かれており、本作の初回盤CDには、ストーリーおよび挿絵の記されたブックレットが付属している[14]。また、本作にはバディの友達であるネズミの「レフティ・ザ・マウス」、クー・クラックス・クランにより家を追われた盲目のヒキガエル「トム・トード牧師」といったキャラクターも登場する[15]。収録曲「レッド・キャット・ティル・アイ・ダイ〜死ぬまで赤い猫」は、参加ミュージシャンの名前がクレジットに明記されておらず、バディ(ボーカル、ギター)、レフティ・ザ・マウス(フィドル)、トム・トード牧師(タンブリン)の3匹でレコーディングされたという設定になっている[1]。
「J. エドガー」は、ジョン・エドガー・フーヴァーをブタに戯画化した曲である[16]。「グリーン・ドッグ」には、ジャッキー・テラソンやステフォン・ハリスといったジャズ・ミュージシャンがゲスト参加した[1]。
反響
編集母国アメリカのBillboard 200では168位に達した[12]。ノルウェーのアルバム・チャートでは4週トップ40入りし、最高10位を記録するヒットとなり、クーダー関連のアルバムとしては、リトル・ヴィレッジ名義のアルバム『リトル・ヴィレッジ』(1992年)以来15年ぶりに同国でトップ10入りを果たした[2]。全英アルバムチャートでは3週トップ100入りし、最高41位を記録した[6]。
評価
編集本作は第50回グラミー賞において最優秀コンテンポラリー・フォーク/アメリカーナ賞にノミネートされた[17]。
Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「全17曲ともそれぞれ強力で注目に値し、作品の全体像を完璧たらしめているので、一部の曲を選り抜くのは、ほとんど無意味な行為である」と評している[16]。また、ティム・アダムスは『オブザーバー』紙のレビューで満点の5点を付け「3匹の突飛なキャラクターと連れ立って、ダストボウル時代のブルース、ゴスペル、フォーク、ブルーグラスといったアメリカ固有の音楽を巡る旅路」と評している[15]。
収録曲
編集特記なき楽曲はライ・クーダー作。
- スーツケース・イン・マイ・ハンド〜スーツケースを手に - Suitcase in My Hand - 2:54
- キャット・アンド・マウス〜猫とネズミ - Cat and Mouse - 5:03
- ストライキ! - Strike! - 5:07
- J. エドガー - J. Edgar - 2:37
- フットプリンツ・イン・ザ・スノー〜雪の中の足跡 - Footprints in the Snow (Bill Monroe, Ry Cooder) - 3:07
- サンダウン・タウン(トム・トード牧師) - Sundown Town (The Reverend Tom Toad) (R. Cooder, Joachim Cooder) - 2:57
- グリーン・ドッグ - Green Dog - 7:33
- ザ・ダイイング・トラック・ドライヴァー〜死にそうなトラック運転手 - The Dying Truck Driver - 4:56
- クリスマス・イン・サウスゲート - Christmas in Southgate - 3:27
- ハンク・ウィリアムス - Hank Williams - 4:08
- レッド・キャット・ティル・アイ・ダイ〜死ぬまで赤い猫 - Red Cat Till I Die - 3:08
- スリー・コード・アンド・ザ・トゥルース〜3つのコードと真実 - Three Chords and the Truth (R. Cooder, J. Cooder) - 5:02
- マイ・ネーム・イズ・バディ - My Name Is Buddy - 3:12
- ワン・キャット、ワン・ヴォート、ワン・ビアー〜猫、投票、ビール - One Cat, One Vote, One Beer (R. Cooder, J. Cooder, Jared Smith) - 4:15
- カードボード・アヴェニュー〜ダンボール通り - Cardboard Avenue - 4:34
- ファーム・ガール - Farm Girl - 3:55
- ゼアーズ・ア・ブライト・サイド・サムホエア〜どこかに素晴らしい場所が - There's a Bright Side Somewhere (Traditional / new lyrics by R. Cooder) - 4:48
参加ミュージシャン
編集- ライ・クーダー - ボーカル、ギター、ベース、バホ・セクスト、マンドリン、バンジョー、キーボード
- ヴァン・ダイク・パークス - ピアノ(on #2, #5, #9, #17)
- ジャッキー・テラソン - ピアノ(on #7)
- レネ・カマチョ - ベース(on #5, #9)
- マイク・エリゾンド - ベース(on #10, #15, #16, #17)
- ヨアキム・クーダー - ドラムス(on #1, #3, #5, #7, #9, #10, #12, #13)、パーカッション(on #14, #15)、キーボード(on #14)
- ジム・ケルトナー - ドラムス(on #6, #12, #15, #16, #17)
- ステフォン・ハリス - ヴィブラフォン(on #7)、マリンバ(on #7)
- ローランド・ホワイト - ボーカル(on #1, #5, #8)、マンドリン(on #5, #8, #9, #15, #16)
- パディ・モローニ - ティン・ホイッスル(on #1, #17)、イリアン・パイプス(on #1)
- マイク・シーガー - バンジョー(on #1, #4)、フィドル(on #1, #3, #5, #9, #15, #16, #17)、ハーモニカ(on #3, #8)、ジューズ・ハープ(on #3)
- ピート・シーガー - バンジョー(on #4)
- フラコ・ヒメネス - アコーディオン(on #5, #9, #17)
- ジョン・ハッセル - トランペット(on #14)
- テリー・エヴァンス - ボーカル(on #6)
- ボビー・キング - ボーカル(on #6)
- Juliette Commagere - ボーカル(on #7, #16)
脚注
編集- ^ a b c d “My Name Is Buddy”. Nonesuch Records. 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b norwegiancharts.com - Ry Cooder - My Name Is Buddy
- ^ Ry Cooder - My Name Is Buddy - dutchcharts.nl
- ^ italiancharts.com - Ry Cooder - My Name Is Buddy
- ^ swedishcharts.com - Ry Cooder - My Name Is Buddy
- ^ a b RY COODER | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ ultratop.be - Ry Cooder - My Name Is Buddy
- ^ Ry Cooder - My Name Is Buddy - austriancharts.at
- ^ Ry Cooder - My Name Is Buddy - hitparade.ch
- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ “マイ・ネーム・イズ・バディ - ライ・クーダー”. オリコン. 2020年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月21日閲覧。
- ^ a b “Ry Cooder - Awards”. AllMusic. 2016年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月6日閲覧。
- ^ Ulin, David L (2011年12月4日). “Ry Cooder Has 'Los Angeles Stories' to Tell”. Los Angeles Times. 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b “Cooder's 'Buddy' Revives Tales of a Bygone America”. NPR (2007年3月6日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b Adams, Tim (2007年2月17日). “CD: Ry Cooder, My Name Is Buddy”. The Observer. Guardian News and Media. 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b Jurek, Thom. “My Name Is Buddy - Ry Cooder”. AllMusic. 2020年7月6日閲覧。
- ^ “Ry Cooder - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2020年7月6日閲覧。