マルケ州
Regione Marche
マルケ州の州旗
マルケ州の州旗
イタリアの旗 イタリア
地域中部イタリア
州都アンコーナ
面積9,694 km²
人口1,565,335 [1]2011-01-01
人口密度161.5 人/km2
アンコーナアスコリ・ピチェーノフェルモマチェラータペーザロ・エ・ウルビーノ
コムーネ246 (一覧
州知事Vito D'Ambrosio (2005年04月04日から)
公式サイト[1]

マルケ州(マルケしゅう、: Marche)は、イタリア共和国中部のアドリア海沿岸にある。州都はアンコーナ

地理 編集

位置・広がり 編集

イタリア共和国中部のアドリア海側に位置する州である[2]。州都アンコーナは、ペスカーラから北北西へ約140km、フィレンツェから東へ約184km、ボローニャから東南へ約200km、首都ローマから東北東へ約210kmの距離にある。

隣接する州および国は以下の通り。

主要な都市 編集

 
マルケ州の主要都市

人口4万人以上のコムーネは以下の通り。人口は2011年1月1日現在[1]

その他の主要都市としては、フェルモウルビーノなどが挙げられる。

行政区画 編集

 
マルケ州と各県

マルケ州は、以下の5県からなる。

左端の数字はISTATコード、アルファベット2文字は県名略記号を示す。人口は2011年1月1日現在[1]。面積の単位はkm²。

県名 綴り 県都 面積 人口
041 PS ペーザロ・エ・ウルビーノ県 Pesaro e Urbino ペーザロ 2,564 366,963
042 AN アンコーナ県 Ancona アンコーナ 1,940 481,028
043 MC マチェラータ県 Macerata マチェラータ 2,774 325,362
045 AP アスコリ・ピチェーノ県 Ascoli Piceno アスコリ・ピチェーノ 1,228 214,068
109 FM フェルモ県 Fermo フェルモ 784 177,914

文化・観光 編集

言語 編集

 
イタリアの言語分布

2006年の国立統計研究所(ISTAT)の統計によれば、6歳以上の住民の家庭内での会話における言語状況は以下の通り[3]。イタリア語(Italiano)、地方言語(Dialetto)、他の言語(Altra lingua)についてのデータで、左列が全国平均、右列がマルケ州の数値である。

家庭内の会話における使用言語 全国
イタリア語のみ、あるいは主にイタリア語 45.5% 38.0%
地方言語のみ、あるいは主に地方言語 16.0% 13.9%
イタリア語と地方言語の双方 32.5% 42.2%
他の言語 5.1% 5.6%

セニガッリア付近を東端としてイタリア半島を横断するラ・スペツィア=リミニ線(マッサ=セニガッリア線)と呼ばれるロマンス語等語線が引かれており、西ロマンス語と東ロマンス語の境界となっている。北部(マッサ=セニガッリア線以北)ではロマーニャ語(西ロマンス語に属するガロ・イタリア語エミリア・ロマーニャ語の変種)が話されている。中部では中央イタリア方言、南部ではナポリ語の南マルケ方言 (it:Dialetti marchigiani meridionaliが話される。

世界遺産 編集

州には世界遺産が一つある。

食文化 編集

山岳地帯でとれる木の実やキノコ、ジビエ、ハーブ、そしてアドリア海で取れる海の幸などが地の料理の食材である。中でもトリュフが代表格[4]

チーズ 編集

州内で唯一のDOP認証を受けているチーズ、カショッタ・ドゥルビーノペーザロ・エ・ウルビーノ県で生産されている[5]。他にも以下のようなチーズが生産されている[5]

フォルマッジョ・ディ・フォッサ (Formaggio di fossa)
タラメッロ(現在はエミリア=ロマーニャ州)が原産地で、アンブラ・ディ・タラメッロ (Ambra di Talamello) ともいい、穴の中で3箇月ほど保管するという特殊な工程を経て完成させるこのチーズは硫黄とトリュフの強い芳香を持つ。色は金色。
ペコリーノ・ディ・モンターニャ (Pecorino di montagna)
マルケ州の山で広く作られているペコリーノ。モンターニャは山のこと。
ペコリーノ・デイ・モンティ・シビッリーニ (Pecorino dei Monti Sibillini)
シビッリーニ山地で作られるペコリーノ。

その他、カセック (Casecc)、カプリーノ (Caprino)、スラッタート (Slattato)、ラヴィッジョーロ (Raviggiolo) 、カチョ・イン・フォルマ・ディ・リモーネ (Cacio in forma di limone) といったチーズがある。

編集

古代ローマのころから続くワインの歴史により、この地には4つのDOCGワインと15のDOCワインがある[4]。赤ワインも白ワインもある[6]

その他、以下のようなリキュール類もある[6]

ミストラ (Mistra)
アスコリ・ピチェーノ県マチェラータ県でよく見られる蒸留酒。原料はブドウとアニス。アニセッタ (Anisetta)と呼ばれるものは甘みがある。そのまま、あるいはコーヒーに入れて飲む。
ヴィン・コット (Vin Cotto)
州南部で見られる。沸騰させたブドウジュースが原料のリキュール。各家庭で作られ、とっておきのものとして重要なイベントのときに飲まれる。甘みがある。
ヴィン・サント (Vin Santo)
州北部で見られる。乾燥させたブドウが原料のリキュール。長期熟成させるもので、甘さと香りが特長。
ヴィーノ・ディ・ヴィッショラ (Vino di visciola)
イェージ周辺とペーザロ・エ・ウルビーノ県で見られる。野生のサクランボと赤ワインが原料のリキュール。

料理 編集

郷土料理としては魚介類スープのブロデット、干しダラ料理のストッカフィッソ・アッランコニターナ、ウサギ料理のコニーイオ・イン・ポルケッタなどがある[4][7]

スポーツ 編集

サッカー 編集

州内に本拠を置くプロサッカークラブとしては以下がある。所属リーグは2018-19シーズン現在。

4部リーグ(アマチュア最上位リーグ)のセリエDでは、エミリア=ロマーニャ州アブルッツォ州モリーゼ州のチームとともにジローネFに属する。マルケ州の地方リーグ(5部リーグ)として、エッチェッレンツァ・マルケ (it:Eccellenza Marcheがある。

交通 編集

主要な道路 編集

高速道路(アウトストラーダ)
国道

主要な鉄道 編集

おおむね北および西を優先し、通過点もしくはその近傍の地名を示す。〔 〕内は州外。

主要な港湾 編集

 
アンコーナ港

空港 編集

このほか、ゼネラル・アビエーションの空港が、ファーノ (it:Aeroporto di Fanoにある。

人物 編集

著名な出身者 編集

ゆかりの人物 編集

  • ポンペイウス - 共和政ローマの政治家・軍人。当地の名門の家系。

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c 国立統計研究所(ISTAT). “Total Resident Population on 1st January 2011 by sex and marital status” (英語). 2012年11月22日閲覧。
  2. ^ マルケ州”. イタリア政府観光局. 2018年6月24日閲覧。
  3. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “La lingua italiana, i dialetti e le lingue stranieri” (pdf) (イタリア語). p. 5. 2012年12月10日閲覧。
  4. ^ a b c イタリア・マルケ州政府観光局公式日本語サイト -ワイン&フード”. イタリア・マルケ州政府観光局公式日本語サイト. 2016年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月6日閲覧。
  5. ^ a b マルケ州のチーズ”. イタリア・マルケ州政府観光局公式日本語サイト. 2016年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月6日閲覧。
  6. ^ a b イタリア・マルケ州政府観光局公式日本語サイト -ワイン&フード”. イタリア・マルケ州政府観光局公式日本語サイト. 2016年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月6日閲覧。
  7. ^ マルケ州のおもな郷土料理も参照。ドルチェはマルケ州の伝統菓子を参照(ともにイタリア・マルケ州政府観光局公式日本語サイト)。

外部リンク 編集