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マリア・モンテッソーリ

モンテッソーリ教育(モンテッソーリきょういく、Montessori education または the Montessori method)は、20世紀初頭にマリア・モンテッソーリによって考案された教育法。

イタリアローマ医師として精神病院で働いていたモンテッソーリは知的障害児へ感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果を見せ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させた。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるようになる。

シュタイナー教育と共に、既存の教育に不信感を持つニューエイジャーの支持を集めた[1]

目次

歴史編集

 
オランダで最初のモンテッソーリ教室 1915年ハーグ

子供の家編集

1907年、ローマに最初に誕生した「子供の家(Casa dei bambini)」は、瞬く間に欧米を中心に世界各国に広がった。特にアメリカ合衆国では2度にわたってモンテッソーリ・ブームが起こり、アメリカ全土にその教育法が普及した。現在、アメリカの私立をはじめ数百の公立学校でもプログラムが導入され、3000ヶ所のモンテッソーリ・子供の家があるといわれる。日本には1960年代に紹介され、モンテッソーリ・プログラムを導入する幼稚園やモンテッソーリ教育を専門に行う「子供の家」が創設された。

モンテッソーリ教育法編集

モンテッソーリ教育法とは、基本的には子どもの発達モデルであり、その発達モデルに基づいた教育法である。この発達モデルには二つの基本的原則がある。第一に、子どもたちや発達途上の大人たちは、自己を取り巻く環境と相互作用することによって、心理的な自己の構築に取り組むものであると考える。第二に、特に6歳未満の子供たちの心理的発達には、先天的(生来的、生得的)な発達経路があると考える。モンテッソーリは、自らの観察に基づき、その発達モデルに則って準備された環境の中で、選択と行動の自由を与えられた子供たちは、それぞれの最適な発達のために自発的に行動するだろうと考えた。

モンテッソーリは、人間心理の普遍的で先天的な特徴を見出した。それは後に、息子であり共同研究者でもあるマリオ・モンテッソーリが1957年に「人間の傾向」として示したものである。その正確なリストについては、いくつか議論があるが、以下に挙げるものが明確に特定されている:[2]

  • 抽象化する
  • 活動する
  • コミュニケーションする
  • 正確さを求める
  • 探索する
  • (環境に対して)操作する
  • 順序づける
  • 配置する
  • 繰り返す
  • 自己改善する
  • 作業する (「目的をもって活動する」と呼ばれることもある)

モンテッソーリ教育法では、これらの「人間の傾向」が、発達のあらゆる段階で子供たちの振る舞いの原動力になっていると考える。そして教育とはその振る舞いに応ずるべきものであり、その振る舞いのために相応しい道具を提供すべきであると考えた。

そこで、モンテッソーリ教育は「準備された環境」(つまり、基本的な人間の特性、子どもたちの各年齢別の特性、そして子ども個々人の性格に合うように仕立てられた教育的環境)の中で自由活動を行うものとなる[3]。この教育環境の果たすべき機能は、子供たちの内側から出てくる心理的な方向づけに従って、子供たちがすべての分野で独立性を発達させることを容認し、それを援助することである。教育環境は、各年代の子どもたちに適したモンテッソーリ教具を提供することに加えて、次の特徴を満たすべきである:[4]:263–280

  • 移動と活動がしやすい配置とすること
  • 環境の美しさ、調和、清潔さ
  • 子どもの体格と、子どもの求めることに見合った寸法の建築、設備であること
  • 材質の制限。子供の発達を支える材質のみが用いられること
  • 整理整頓され、秩序があること
  • 教室内および教室外に自然があること

手短に言えば、モンテッソーリ学校の4つの中核的側面は、実生活、五感、数的能力、言語能力である。 モンテッソーリ学校に統合することができるいくつかの小さな側面は地理学、芸術、および園芸などがある。

発達段階編集

モンテッソーリは観察により、人間の発達における四つの異なる期間(あるいは段階)を見出した。それぞれ、出生~6歳、6~12歳、12~18歳、18~24歳とする。モンテッソーリは、各段階に異なる特徴、学習モード、活発な発達欲求があると考え、それぞれの段階に特有の教育的アプローチを求めた。[5][6]

第1段階編集

第1段階は出生から約6歳までである。モンテッソーリは、この期間の子どもは、肉体的・心理的に著しい発達を経験する中で、心理的な自己の構築と、身体機能の面での自立を目指して、具体的なこと、知覚的なことの探索と学習に取り組んでいると観察する。モンテッソーリは、この段階の子どもたちの振る舞いを説明するために、「吸収心」、「敏感期」、「正常化」などのいくつかの概念を提唱しました。

モンテッソーリは、五感、言語、文化、および概念の発達から来た情報など、環境からの知覚的刺激に、難なく同化していく幼児期の子どもの振る舞いを「吸収心」(absorbent mind)という言葉で説明した。モンテッソーリは、吸収心が第1段階に特有の力であり、子供が6歳に近づくにつれて吸収心が薄れると考えた。[7]

また、モンテッソーリは、この時期の子どもには特定の刺激に対して特別な感受性を持つ期間があることを観察から見出し、それを「敏感期」(sensitive periods)と呼んだ。 モンテッソーリ教育では、個々の幼児においてこの特別な感受性が現れている期間に、適切な教具と活動を使えるような教室環境とすることで、この特別な感受性に応じられるようにする。モンテッソーリは以下の「敏感期」とその時期を特定した:[4]:118–140

  • 言語の獲得 — 出生~約6歳
  • 小さな物体への興味 - 約1歳半~3歳
  • 順序 — 約1歳~3歳
  • 五感の洗練 - 出生~約4歳
  • 社会的な振る舞い — 約2歳半~4歳

最後に、モンテッソーリは3~6歳の子どもに、彼女が「正常化」(normalization)と名付けた心理的状態があることを観察から見出した。[8] 正常化は子どもの発達上の必要を満たすための活動への専念と集中から生じてくるもので、集中力と「自発的な規律、継続的に楽しんで行う作業、他者を援助する社会的感情、そして他者への思いやり」といった特徴を持つものである。[7]:207

第2段階編集

発達の第2段階は約6歳から12歳までである。モンテッソーリは、この期間の子どもの身体的、心理的な変化を観察し、これらの新しい特徴に応じる為の教室環境、レッスン、教具を開発した。身体的には、第2段階の初期に乳歯を喪失して足や胴が伸び、その後に一様な成長期間があると観察した。心理学的には、「群れの本能」(herd instinct)すなわち群れを作って行動し社会的になる傾向、および理由付けする力と想像力を観察した。 発達的には、彼女は第2段階の子供の取り組むことは、知的な独立、道徳観、そして社会組織の形成であると考えた。[9]:7–16

第3段階編集

発達の第3段階は約12歳から18歳までであり、青年期の期間を含む。モンテッソーリは、身体的には思春期と青年期の身体的、心理的な変化を第3段階の特徴とした。モンテッソーリは、この時期の子どもが抱える心理的な不安定さ、集中力の面での困難さ、創造的な傾向、そして「正義感と個人的尊厳感」の発達を強調した。モンテッソーリは、思春期の若者が自身の価値の評価を外部から得ようとする衝動を「価値付け」(valorization)という用語で説明する。モンテッソーリは、発達的には、第3段階の子供が取り組むことは、社会における大人の自己の構築であると考えた。[9]:59–81

第4段階編集

発達の第4段階は約18歳から24歳までである。モンテッソーリはこの時期についてはほとんど書き残しておらず、この時期のための教育プログラムも開発しなかった。モンテッソーリは、文明に影響を及ぼし文明を導くために、第3段階までのモンテッソーリ教育での経験によって、文化と科学の研究を完全に受け入れる準備ができた若い成人を思い描いていた。モンテッソーリは、この段階にはお金のための仕事という形での経済的自立が重要であると考えた。そして文化の研究は人の一生を通して続けることができるので、大学レベルの研究における年数の恣意的な制限は不要であると感じた。[9]:82–93

教育の実践編集

 
アメリカの教室 2007年
 
アメリカのモンテッソーリ教室

段階別プログラム編集

幼児向け(3歳以下)プログラム編集

3歳以下の子ども向けのモンテッソーリ教室は、いくつかの種類があり、多くの呼び名が使われている。「nido」(イタリア語で「巣」の意)クラスは生後約2か月~約14か月(または、しっかりと歩けるようになるまで)の少人数の子どもたちで編成する。「幼児コミュニティ」(Young Child Community)は約1歳~2歳半または3歳までの、より多人数の子どもたちで編成する。どちらの環境も、子どもたちの体格と能力に見合った教具と活動、運動能力を発達させる機会、自立性を発達させる活動を重視する。トイレでの自立も重視する場合が多い。いくつかの学校は、生後間もない乳児と親が一緒に参加する「親子教室」を設けている。[10]

就学前・園児向け編集

2歳半または3歳~6歳向けのモンテッソーリ教室は、モンテッソーリが1906年に初めてローマに設立した学校の名前「Casa dei Bambini」(イタリア語で「子供の家」の意)にちなんで、「子供の家」と呼ぶものが多い。またこの学級は「初等」(Primary)とも呼ばれる。典型的な教室は、子どもたち20~30人を複数学年を混ぜてクラス編成し、これに完全な訓練を受けた教師と助手を付ける。教室には通常、子ども用の大きさのテーブルと椅子が一つずつあるいは小さな集団状に配置される。子どもでも手が届く高さの棚が教室全体にわたって置かれており、その中に様々な教具が収められている。

多くの場合、最初のうちは教師が色々な活動を示し、その後は子どもの興味の赴くところに従って、ある程度自由に活動を選ばせる。モンテッソーリ教室における教師の役割は、それぞれの児童が自ら学習の経路を作り出していけるように、個々の児童の意見を聞きながら、児童を導くことにある。教室の教具は通常、実生活的なスキル(液体を注ぐ、液体をすくう、洗う、テーブルを磨く、掃くといったこと)に取り組む活動も含んでいる。また、五感の発達を促す教具、数的教具、言語教具、音楽的、芸術的、文化的の教具に加えて、ある程度の科学的な活動(「浮かぶもの、沈むもの」、「磁石に付くもの、付かないもの」、「ロウソクと空気」といったもの)も含む。[11]

子供の家での活動は、通常は実地指導であり、手に取って触れる教具によって概念を教える。例えば、書くことを教えるときには、児童たちは「紙ヤスリ文字」(sandpapepr letters)という教具を用いる。「紙ヤスリ文字」は、紙ヤスリを文字の形に切り出して、それを木板の上に貼り付けたものである。子供たちは、指でこの文字をなぞりながら、文字の形と、文字の発音を学ぶ。別の例を挙げると、算数の概念(特に掛け算)を教えるためには「数珠鎖」(bead chains)を使う。特に、10の倍数を教える場合は、数珠玉1粒を1と数え、数珠玉10粒を貫いた棒1本で、1×10を表す。次にこの棒を平面に10本並べて10×10を表す。さらにこの平面を10段積み上げて立方体を作り、10×10×10を表す。こうした教具によって、基本的な概念が具体的で確固たる理解として形成されるように助ける。この理解が、後に行う様々な学習の土台となる。

小学生向け編集

小学生向けのモンテッソーリ教室は、通常は複数の学年を混ぜた「6~9歳クラス」と「9~12歳クラス」とするが、「6~12歳クラス」とする場合もある。レッスンは通常、子どもたちの小グループに対して示された後、子どもたちは個人的な反応と興味の赴くところに従って、自分で自立的な作業を自由に行い、習った内容を再確認する。

モンテッソーリ教育者は、生物学、歴史学から神学に至るまで、幅広い科目を調べる学際的なレッスンを行う。これを「大レッスン」と呼ぶ。このような大レッスンは通常学期の初め頃に与えられ、年間を通して学ぶ上での基盤とする。 大レッスンはインスピレーションを提供し、新しい調査分野への扉を開くものである。[12]

レッスンは言語、算数、歴史、科学、芸術、その他を含む。児童主導で教室外の資料探しをすることは教育に不可欠のものである。[13] モンテッソーリは「宇宙教育」(cosmic education)という用語を使用して、提示するレッスンの範囲は宇宙的・普遍的なところまで広がっていくこと、また教育とは壮大な宇宙の中にある相互依存的な仕掛けの中で人間が果たす役割を子供たちが理解するのに役立つはずであるという考え方の両方を示す。

中高生向け編集

中高生向けのモンテッソーリ教育は、小学生以下向け教育と比べると、あまり開発さえていない。モンテッソーリは生前に青年期のための教育について教師養成プログラムや詳しい計画を確立しなかった。しかしながら、多くの学校が、小学生向けのプログラムを中高生向けレベルに拡張している。さらに、いくつかのモンテッソーリ教育組織は教師養成やオリエンテーションコースの開発を終えており、研究計画についてのゆるい合意も生まれつつある。モンテッソーリは「この観点からの我々の計画の本質的な改革は、次のように定義されるかもしれない:思春期の困難な時期には、町の慣れ親しんだ家庭環境を離れて自然に近い田舎の静かな環境に行くことが役に立つ。」と書いている。

青年(12~18歳)向けのいくつかのモンテッソーリ学校は、農村部に設置されている。

感覚教育編集

モンテッソーリ「子供の家」の教室に入ると、整然と並ぶ色とりどりの「教具」と呼ばれる木製玩具が目に飛び込んでくる。これらはモンテッソーリの感覚教育法に基づく教材で、モンテッソーリとその助手たちが開発した。モンテッソーリ教育法では教具の形、大きさは無論、手触り、重さ、材質にまでこだわり、子供たちの繊細な五感をやわらかく刺激するよう配慮がなされている。また、教具を通し、暗記でなく経験に基づいて質量や数量の感覚を養うことと、同時に教具を通して感じ取れる形容詞などの言語教育も組み込まれている。

教具編集

  • ピンク・タワー(pink tower):1cm3 - 100cm3 までの立方体
  • 円柱(cylinder blocks)
  • 茶色の階段(broad stair, Brown Stair)
  • 長さの棒(red rods)
  • 色付き円柱
  • 色板(Color tablets)
  • 幾何たんす(Geometric cabinet)
  • 幾何学立体(Geometric solids)
  • 二項式立方体(binomial cube)
  • 三項式立方体(trinomial cube)
  • 構成三角形(constructive triangles)
  • 実体認識袋(The mystery bag)
  • 触覚板(Rough and smooth boards)
  • 温覚筒(Thermic bottles)
  • 重量板(Baric tablets)
  • 圧覚板
  • 雑音筒(Sound cylinders)
  • 音感ベル(Bells)
  • 味覚びん
  • 嗅覚筒
  • 数の棒 (Spindle box)

自発性と「敏感期」編集

常に子供を観察し、そこから学ぶ姿勢を貫いたモンテッソーリは、感覚教育と同様に重要と説いたのは、子供の中の自発性を重んじることである。どの子供にもある知的好奇心は、何よりその自発性が尊重されるべきで、周囲の大人はこの知的好奇心が自発的に現われるよう、子供に「自由な環境」を提供することを重要視した。また、子供を観察するうち月齢、年齢ごとに子供たちの興味の対象がつぎつぎ移り変わる点に着目し、脳生理学に基づき、さまざまな能力の獲得には、それぞれ最適な時期があると結論付け、これを「敏感期」と名づけた。モンテッソーリ教育の特徴の一面とされる一斉教育を行わない教育形態は、この子供たちの「自由」の保証と「敏感期」を育むモンテッソーリ理論の視点に立つものである。 モンテッソーリは、集中して遊んでいた子どもが玩具に夢中になり、目を輝かせていた幼児を見て、挫折しかけた研究の道を再度探求することとなった。敏感期の子どもに触発され、モンテッソーリ教育が構築されていったのである。

「整えられた環境」と教員養成編集

モンテッソーリ教育では、子供たちが安心して自由に遊び、作業のできる環境整備が重視される。教室が清潔に保たれ、子供の目線で教室を見渡せることにも配慮が求められる。また、モンテッソーリ教育法における教師の存在は、教室や教具と同様、整えられた環境の担い手の一つと考えられている。彼らには、教具などを扱う技術や管理する能力も要求されるが、何より子供を注意深く観察する態度が要求され、各々の子供たちの欲求に沿ってその教育を提供する注意深さが求められる。また、子供たちの集中時、それを妨げない心遣いや、子供の自発性を待つ姿勢も養成コースにおける重要な要素となる。晩年のモンテッソーリが力を注いだ教員養成方法は現在も世界各国で実践され、この厳しい教員養成もモンテッソーリ教育の特徴のひとつにあげられる。

日本におけるモンテッソーリ教育編集

子どもの自主性、独立心、知的好奇心などを育み、社会に貢献する人物となること(モンテッソーリ教育の終了は24歳)を目的とするモンテッソーリ教育は、欧米ではオルタナティブ教育として評価されている。一方、日本においては潜在能力を引き出す、知的能力をあげる、小学校のお受験対策といった英才教育や早期教育として注目され、幼児教育だと誤解されることが多く、マリア・モンテッソーリが、知的・発達障害の治療教育、貧困家庭の子供たちへの教育から、発展させてきた教育法であることはあまり知られていない。

日本でモンテッソーリ教育を最初期に広めた人物に、ロバート・W・アーウィンの長女ベラ(有院遍良)がいる。ベラは1913年にイタリアでモンテッソーリ教育の国際コースを受講し、マリア・モンテッソーリから直接指導を受け、帰国後自宅で幼児教育研究サロンを開き、1916年には私立玉成保母養成所と付属幼稚園を開校した[14]

教員資格編集

日本で取得できるモンテッソーリ教員の資格には、マリア・モンテッソーリが創立した国際モンテッソーリ協会(AMI[15])が認定する国際免状と、日本モンテッソーリ協会などの団体が認定する日本独自の免状の二種類がある。教員養成の場としては、AMIから国際トレーニングセンターとして認可された東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター1975年に開所、またAMIから友好関係団体として承認された日本モンテッソーリ協会1968年に発足し教員養成コースを開設・公認している他、いくつかの団体が養成コースを開講している。

国際免状
国際モンテッソーリ協会(AMI)で定められている免状(ディプロマ)の種類には Assistants to Infancy(0~3歳)、Casa dei Bambini(3~6歳)、Elementary(6歳~12歳)があり、それぞれ教える事の出来る年齢が異なる。3歳~6歳のディプロマは、東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター1975年東京都新宿区四谷に開所、1976年より神奈川県相模原市)で、1年制(夜間2年制)の課程を履修し卒業試験に合格した者に授与される[16]。モンテッソーリ教育の創設者である故マリア・モンテッソーリにより認定された教師資格はこのAMI認定による国際免状のみであり、有資格者は海外においてもモンテッソーリ教師として認められ、働くことができる。現在国際免許取得のコースを毎年通年で開講しているのは東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター[17]のみである。
日本独自の免状
日本モンテッソーリ協会認定の教員資格免状は、1970年から2007年まで上智大学に付設していた「上智モンテッソーリ教員養成コース」[18]を引き継いだ東京モンテッソーリ教育研究所(東京都文京区)で、2年制(夜間)の付属教員養成コース[19]を履修し総合試験に合格した者に授与される。東京のほかに京都市伏見区広島県安芸郡福岡県宗像市長崎県長崎市などの公認施設でも受講できる[20]
その他
公益財団法人才能開発教育研究財団内の組織である日本モンテッソーリ教育綜合研究所・教師養成センターは、1976年から独自の通信教育を展開し、約3,000名の卒業生に「3歳~6歳コース」と「0歳~3歳コース」において教師としての基本的な知識と技能を伝えている。講座修了者のうち希望する者には資格試験を行い、合格者に研究所認定の資格証を発行している。
うめだ・あけぼの治療教育職員養成所(東京都足立区)で養成コースが開講されていたが、2007年に閉校した。
マリア・モンテッソーリ教育研究会(横浜市)では2008年に3年制のモンテッソーリ小学校教員養成コースを開講した[21]

モンテッソーリ・スクール編集

モンテッソーリ教育法は主に乳児、幼児、園児あるいは児童を対象にしているが、欧米にはモンテッソーリの小学校は数多くあり、中学校高等学校も存在する[22]

日本においてはモンテッソーリ保育園や幼稚園は、カトリック系を中心に数多くあるが(カトリック系であっても雙葉学園では実践されていない)、学校法で規定され日本政府に認可されているモンテッソーリ小学校(公立・私立)はなく、インターナショナルスクール「モンテッソーリスクールオブ東京」と、フリースクール「東京モンテッソーリスクール」、公立委託型「横浜モンテッソーリスクール」の3校が全日制の形をとり、他には一部放課後に小学生のためのクラスが開催されているのみである。 国際モンテッソーリ協会(AMI)認定の東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター直属の付属園(幼稚園スタイルと放課後小学生クラスを開講)としては東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター付属「聖アンナこどもの家」、同付属「聖イリナモンテッソーリスクール」と「マリア・モンテッソーリ子どもの家」の3園がある。

モンテッソーリ教育を受けた著名人編集

関連著書編集

  • 『子どもから始まる新しい教育 (国際モンテッソーリ協会(AMI)公認シリーズ)』マリア・モンテッソーリ/著、AMI友の会NIPPON/監修翻訳、風鳴舎、2017年8月。ISBN 978-4907537081
  • 『1946年ロンドン講義録 (国際モンテッソーリ協会(AMI)公認シリーズ02)』マリア・モンテッソーリ/著、AMI友の会NIPPON/監修、中村勇/翻訳、風鳴舎、2016年10月。ISBN 978-4907537029
  • 『子どもの才能を伸ばす最高の方法モンテッソーリ・メソッド』堀田はるな/著、堀田和子/監修、あさ出版、2018年3月。ISBN 978-4866670331
  • 『お母さんの「敏感期」―モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる (文春文庫)』相良敦子/著、文藝春秋、2007年8月。ISBN 978-4167717452
  • 『ひとりで、できた!―子どもは手を使いながら一人立ちする』池田政純池田則子/著、相良敦子/監修、サンマーク出版、2006年5月。ISBN 978-4763196859
  • 『子どもは動きながら学ぶ 環境による教育のポイント』相良敦子、池田政純、池田則子/著、講談社、1990年2月。ISBN 978-4062039222
  • 『モンテッソーリの幼児教育 ママ,ひとりでするのを手伝ってね!』相良敦子/著、講談社、1985年6月。ISBN 978-4062016087

脚注編集

  1. ^ レイチェル・ストーム 著『ニューエイジの歴史と現在 - 地上の楽園を求めて』高橋巖・小杉英了 訳、角川書店〈角川選書〉、1993年、325-326。
  2. ^ Montessori, Mario (1966). The Human Tendencies and Montessori Education. Amsterdam: Association Montessori Internationale. http://amiusa.org/shop/the-human-tendencies-and-montessori-education. 
  3. ^ Paula Polk Lillard (7 September 2011). Montessori Today: A Comprehensive Approach to Education from Birth to Adulthood. Knopf Doubleday Publishing Group. p. 22. ISBN 978-0-307-76132-3. https://books.google.com/books?id=WHo6zlV1j8MC 2013年5月30日閲覧。. 
  4. ^ a b Standing, E. M. (1957). Maria Montessori: Her Life and Work. New York: Plume. 
  5. ^ Montessori, Maria (1969). “The Four Planes of Development”. AMI Communications (2/3): 4–10. 
  6. ^ Grazzini, Camillo (Jan–Feb 1988). “The Four Planes of Development: A Constructive Rhythm of Life”. Montessori Today 1 (1): 7–8. 
  7. ^ a b Montessori, Maria (1967). The Absorbent Mind. New York: Delta. ISBN 978-0-440-55056-3. 
  8. ^ "The Process of Normalization." North American Montessori Teacher's Association.
  9. ^ a b c Montessori, Maria (1994). From Childhood to Adolescence. Oxford, England: ABC-Clio. ISBN 978-1-85109-185-0. 
  10. ^ The Montessori Infant-Toddler Program”. North American Montessori Teachers Association. 2011年4月25日閲覧。
  11. ^ The Montessori Preschool Program”. North American Montessori Teachers Association. 2011年4月25日閲覧。
  12. ^ Guide to Montessori Education.
  13. ^ The Montessori Elementary Program”. North American Montessori Teachers Association. 2011年4月25日閲覧。
  14. ^ ユキコ・アーウィン『フランクリンの果実』文藝春秋, 1988、p41-43
  15. ^ Association Montessori Internationaleの略、本部はオランダアムステルダム
  16. ^ 東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター
  17. ^ 東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター
  18. ^ 上智大学/公開学習センター設立の歴史
  19. ^ 東京モンテッソーリ教育研究所
  20. ^ 日本モンテッソーリ協会/モンテッソーリ教員養成コース
  21. ^ マリア・モンテッソーリ教育研究会
  22. ^ w:en:Montessori method(英語版Wikipedia)04:45, 5 September 2007
  23. ^ 藤井四段の集中力育てた「モンテッソーリ教育」 - 社会 : 日刊スポーツ

関連項目編集

外部リンク編集