ミナミウミカワウソ(南海獺、Lontra felina)は、イタチ科カナダカワウソ属に分類される食肉類。別名ウミカワウソ

ミナミウミカワウソ
ミナミウミカワウソ
ミナミウミカワウソ Lontra felina
保全状況評価[1][2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
: イタチ科 Mustelidae
亜科 : カワウソ亜科 Lutrinae
: カナダカワウソ属 Lontra
: ミナミウミカワウソ L. felina
学名
Lontra felina (Molina, 1782)[3]
シノニム[3]

Lutra felina Molina, 1782

和名
ミナミウミカワウソ[4]
英名
Marine otter[2]
Sea cat[2]

分布域

分布

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アルゼンチン[2][3]チリペルー[5][6][7][8]

形態

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体長50-60cm[8]。尾長30-37cm[8]体重3.2-5.8kg[5][8]。背面の毛衣は濃褐色で[6]、上毛の先端は明色[5][7][8]。腹面の毛衣は淡黄褐色や灰褐色で[6][8]、頬や顎、喉は明色[5][7]

吻端にある体毛が無く露出した板状の皮膚(鼻鏡)の上縁は直線的[8]か丸みを帯びる[5][7]。水かきの下面には体毛が点在する[5][7]

生態

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岩礁海岸などに生息する[5][8]昼行性だが[8]、午前中は陸上で休む[5]。単独もしくは3頭までの家族群[5]を形成し生活する[8]

食性は動物食で、主に甲殻類を食べるが貝類魚類も食べると考えられている[5][7][8]。水中で獲物を捕食する[5]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は60-120日[8]。岩の割れ目などで、チリの個体群は9-10月に1回に2頭[7]の幼獣を産む[5][8]

人間との関係

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生息地では食用とされたり、毛皮が利用される事もあった[6]

海洋汚染、毛皮目的の乱獲[5][7]、漁業による混獲などにより生息数は減少している[8]。生息地では法的に保護の対象とされているが、密猟・密輸される事もある[8]

関連項目

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脚注

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  1. ^ CITES homepage
  2. ^ a b c d Valqui, J. & Rheingantz, M.L. 2021. Lontra felina. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T12303A95970132. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-3.RLTS.T12303A95970132.en. Accessed on 31 August 2022.
  3. ^ a b c Serge Larivière, Lontra felina, Mammalian Species, No. 575, American Society of Mammalogists, 1998, Pages 1–5.
  4. ^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m 今泉忠明 『絶滅野生動物の事典 4版』、東京堂出版2003年、33-34頁。
  6. ^ a b c d 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編『動物大百科1 食肉類』、平凡社、1986年、139、145頁。
  7. ^ a b c d e f g h 斉藤勝・伊東員義・細田孝久・西木秀人 「ウミカワウソ(ミナミウミカワウソ)」、今泉吉典監修 『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』、東京動物園協会、1991年、51頁。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 小原秀雄「ミナミウミカワウソ」、小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社、2001年、154頁。

外部リンク

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