ミユビシギ

シギ科の鳥の一種

ミユビシギ (三趾鷸、学名:Calidris alba)は、チドリ目シギ科に分類される鳥類の一種である。英名はSanderling。

ミユビシギ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: チドリ目 Charadriiformes
: シギ科 Scolopacidae
: ハマシギ属 Calidris
: ミユビシギ C. alba
学名
Calidris alba Pallas, 1764[2]
和名
ミユビシギ(三趾鷸)
英名
Sanderling

分布 編集

ユーラシア大陸北アメリカ北極圏グリーンランドで繁殖し、冬期は中央アメリカから南アメリカアフリカ東南アジアオーストラリア方面に渡り越冬する。長距離の渡りをする種類として有名である。

日本では旅鳥として春秋の渡りの時期に見られるが、本州中部以南の地域では、冬鳥として越冬しているものもある。また繁殖を行わない若鳥は、7、8月にも日本に留まっていることがある。

形態 編集

体長は約19 cm。大部分の個体には後指(第一趾)がなく、これが和名の由来となっている。まれにわずかな痕跡程度の第一趾がある個体もある。冬羽は全身灰白色で翼の縁の部分が黒い。夏羽では頭と背中、羽は赤褐色で、腹と喉が白色である。雌雄同色である。

嘴と足は黒色。

生態 編集

非繁殖期には、海岸の砂浜や岩場、河口、干潟などに生息する。数羽から数十羽の群れで行動していることが多いが、時には数百羽の大群を形成することもある。繁殖期はツンドラや岩石の多い平原などに生息する。

砂浜の波打ち際を走り回りながら、貝類や甲殻類、昆虫類などを捕食する。岩場の海藻類や苔類を食べることもある。

繁殖期は6-7月で、地上に営巣し普通4卵を産む。複婚、二重巣卵体制をとっているものが多く、その場合最初の巣では雄が抱卵と育雛を、次の巣では雌が抱卵と育雛を行う。

普段は「チュ チュ」「キッ キッ」と小さな声でさえずる程度。繁殖期には「キュキュキュ」と目立つ声で鳴く。

種の保全状況評価 編集

 
海岸に群れるミユビシギ
ミユビシギ、神奈川県にて

国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]

日本の以下の都道府県レッドリストの指定を受けている[3]

 
ミユビシギ(右側)

脚注 編集

  1. ^ a b IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2. (Calidris alba)” (英語). IUCN. 2012年2月25日閲覧。
  2. ^ Calidris alba (Pallas, 1764)” (英語). ITIS. 2012年2月25日閲覧。
  3. ^ 日本のレッドデータ検索システム(ミユビシギ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年2月25日閲覧。

参考文献 編集

関連項目 編集