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レイ・ダリオ

Ray Dalio Sept 23 2017 NYC

レイ・ダリオ(Ray Dalio、1949年8月8日 - )はアメリカ合衆国ヘッジファンドマネージャーである[1]。ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業に携わった[1][2]

目次

来歴編集

ジャズミュージシャンの子として生まれ、独学で高校時代から株式投資を実施、ロングアイランド大学ハーバード・ビジネス・スクールを経て、メリルリンチに就職。その後、シェアソン・ヘイデン・ストーンに勤務するも解雇され、のちにヘッジファンドであるコンサルティング会社ブリッジウォータを設立。

経済感覚編集

ダリオは経済に対して、大要以下の通りの考えを抱いている[3]

  1. 経済はシンプルな活動の集積である。
  2. 人、会社、政府機関の信用による借金が経済を拡大させる。
  3. ただし、信用による支出が拡大し過ぎるとバブルが発生し、金融危機を招く。

このような、経済感覚の影響もあり、ダリオが率いるブリッジウォーター・アソシエーツは投資対象の54%をVWO、EEMという、新興国株式を網羅する2つのETFだけにしぼるという「新興国」に強気なポートフォリオを構築している[註釈 1][3]。また、ブリッジウォーター・アソシエーツは、国別株式として、ブラジル株式ETF、韓国株式ETFを組み入れており、これらETFの合計はポートフォリオ全体の84%に達している[3]

ブリッジ・ウォーター・アソシエイツについて編集

彼が創業したブリッジ・ウォーター・アソシエイツの運用スタイルは「最小リスクで最大の利回りを目指す」というもので、2008年のリーマンショックの際もプラスの運用成績で乗り切っている。

その運用の安全性から、CalPERSなどの大手基金からも資金を集めている。ブリッジ・ウォーターの運用スタイルは市場全体の動きとは乖離したプラスのリターンをあげるアルファ戦略をとっており、市場平均に対してより多くのリターンを稼ぎ出さなければヘッジファンドを活用するメリットはないと断言している

現在ブリッジ・ウォーターの運用総額は16兆円と世界最大のヘッジファンドとなっており、レイ・ダリオはヘッジファンド界の帝王とも呼ばれている。近年は好景気だった2015年から2017年に合計13%となっており、市場平均をアンダーパフォームしている。

どのような市況環境であっても安定的な成績をだすオール・ウェザー型のポートフォリオを組成しており、リーマンショック等の不況時に底固さをみせる一方、好況期には市場平均を下回る可能性があるとみられる。

ポピュリズム編集

2017年3月、ダリオはポピュリズムについて81頁にわたるレポートを取りまとめた[1][4]。その中で、ダリオはイギリス、アメリカ、イタリア、フィリピンなどのポピュリズムが台頭している国では、少なくとも2018年3月頃までは経済に対して金融・財政政策よりも、ポピュリズムの動きが強い影響力を持つとの見方を示した[註釈 2][1][4]。加えて、同レポートでは、アドルフ・ヒトラーなど、過去に存在した14人のポピュリスト型指導者についての分析も行っている[1][4]。さらにレポート公表時点でアメリカ合衆国大統領を務めているドナルド・トランプについて「ポピュリストと捉えているが、彼については答えよりも疑問の方が多く、他のケースを基にトランプ氏がより典型的な道をたどるのか、それとも大きくそれるのか分析を進めている」とも述べており、ポピュリズムについてダリオが強い関心を抱いている[1][4]。また、このレポートの公表に先立って、ダリオはポピュリズム指数英語: Populism Index)を開発するなどしている[2]

註釈編集

  1. ^ VWO、EEMが投資対象とする国々は、ほぼ同じであり、両者の異なる点は、次のとおりである[3]。VWOのほうは連動を目指す「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)インデックス」の投資対象には、中国A株を投資対象に組み入れているのに対し韓国市場は組み入れていない[3]。他方、EEMの投資対象には韓国市場を組み入れられていない一方、中国A株を含まない[3]
  2. ^ その理由として、ダリオは「経済情勢を形作る上でのポピュリズムの役割は、伝統的な金融・財政政策よりも恐らく強いとわれわれは考えている」としたうえで、「現在政権を握るポピュリストらがどの程度典型的なポピュリストになるのかを示唆し、また今後の選挙であとどれだけのポピュリストが政権入りするかが決まる中で、今後1年程度でさらに多くの事が分かるだろう」とレポートに記載している[1][4]

出典編集

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  1. ^ a b c d e f g ポピュリズム、経済への影響力は金融・財政政策上回る公算-ダリオ氏ブルームバーグ2017年3月23日04:07配信 著:Katia Porzecanski) 2017年6月13日閲覧
  2. ^ a b 『ポピュリズム、身構える投資家(一目均衡)』(日本経済新聞 2017年6月13日朝刊17面)
  3. ^ a b c d e f 第118回「レイ・ダリオ氏のポートフォリオは8割がETF」 ETF解体新書マネックスラウンジ プロの視点 特集1  2017年04月12日配信) 2017年6月13日確認
  4. ^ a b c d e Ray Dalio Says Populism May Be a Bigger Deal Than Monetary and Fiscal Policyブルームバーグ 2017年3月23日02:57配信) 2017年6月13日確認