ロブ・ブライドン(Rob Brydon、1965年5月3日[1] - )は、ウェールズ出身の俳優コメディアン・テレビ/ラジオ番組の司会者・歌手。BBCのコメディ番組のロブの「この年、オレ年」の司会者、同じくマリオンとジェフとそのスピンオフであるThe Keith Barret Showにおけるキース・バレット役などで知られる。ブライドンは数々の俳優・コメディアンと共演しているが特にスティーヴ・クーガンジュリア・デイヴィスとの共演が多い。

Rob Brydon
ロブ・ブライドン
ロブ・ブライドン
本名 Robert Brydon Jones
生年月日 (1965-05-03) 1965年5月3日(58歳)
出生地 イギリスの旗 イギリスウェールズスウォンジー
職業 俳優コメディアン、作家、司会者
活動期間 1992年 -
主な作品
ロブの「この年、オレ年」
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2003年には英国紙オブザーバーでイギリスで最も面白いコメディアン50人のうちの1人に選ばれている。

略歴 編集

ブライドンは、教師の母ジョイと、自動車のディーラーの父ハワードの間に生まれた。ウェールズのバグランポートトールボットで育ち、14歳までにポースコールのセント・ジョーンズ・スクール、スウォンジーのダンバートン・ハウス・スクールに通った。その後、ポースコール総合学校で青年演劇グループのメンバーになった。ダンバートンに居たころ、同門のキャサリン・ゼタ=ジョーンズの夕食代を盗んだことがある[2]

初期のキャリア 編集

カーディフの王立ウェールズ音楽演劇大学に進学したが、卒業しないまま20歳でBBCラジオウェールズに入る。ラジオウェールズの土曜朝の番組のDJを担当していたころにウェールズのスタンダップコメディアンのピート・パーク=ウォーカーからの投稿が読まれている。ラジオウェールズには6年在籍し、1992年から1995年までBBCラジオ5の若者向けの雑誌・音楽番組のメイン司会として後にマリオンとジェフの起源となるアラン・トンプソンと共演した。また1994年から1995年までボイド・クラック主演のコメディ番組サテライト・シティのいくつかのエピソードで共演した。

BBCラジオ5ライブの「The Treatment」でコメディアンとして出演する傍ら、ケン・ブルースの代役としてBBSラジオ2でしばしば司会を務めた。

ナレーション 編集

ブライドンは、はじめはナレーターとして英国内では知られていた。ディスクワールドのコンピュータゲームや、BBC Oneステーションブレイクのナレーションを務めている[3]。また、ルノー、タンゴ、タイムズ、テスコ、アビーナショナル、Sainsburys、マクドナルド、トイレダック、共謀、ミントカード、ポットヌードル、ドミノピザ、パリパリナットコーンフレークなどのテレビCMのナレーションも担当している。さらに、ディスクワールドのコンピュータゲーム「ディスクワールド・ノワール」では主役のルートンの声を演じている[4]

躍進 編集

1990年代の始めはホーム・ショッピング・ネットワークの司会[5]をしたり、いくつかの映画やドラマの端役で出演したりしていた。2000年にはBBCで放送された2つのコメディ番組で名を残した。ジュリア・デイヴィスと共に制作・共演した「Human Remains」と商業的に成功した「マリオンとジェフ」である。

これらのシリーズで、ブライドンはコメディとシリアスな役の両方をこなしたことで性格俳優としてのキャリアパスを築いた。BBC Fourの「ケナス・タイナン:ハードコアの賛美」(2005年)で演劇評論家のケナス・タイナンを演じ、ローレンス・オリヴィエ役のジュリアン・サンズと対峙した。

ルース・ジョーンズジェームズ・コーデン作の「Gavin & Stacey」でブライドンが演じるブライン・ウェストは彼をウェールズのルーツに戻すことができた。この役でブライドンは2009年コミックリリーフチャリティシングル「Islands in the Stream」でルース・ジョーンズ(どちらもGavin & Staceyにおける彼らの役)と歌手のトム・ジョーンズと共に歌っている。2009年3月15日のUKシングルチャートで第1位となった。

2010年、ブライドンはスティーヴ・クーガンと共に、各々の俳優が一般に認識されている印象を誇張して演じる(ブライドンは愛想よく常に物まねに入る準備ができている、クーガンは彼が思う国際的スターになれずイラついているといったもの)、マイケル・ウィンターボトムの即興シットコム「The Trip 」(BBC Two)に出演した。[6]

パネリスト・司会 編集

はじめは2006年にBBCラジオ4のコメディパネルゲーム「I'm Sorry I Haven't a Clue」に登場した。当時のホストであったハンフリー・リットルトンから、ブライドンの歌声について「悪くない」とかつてない栄誉を得た。リットルトンが大動脈瘤の手術で入院中、テレビで放送されないステージツアーがあり、その際には彼の代わりに進行役を務めている。リットルトンが出演できない旨のメッセージは観衆にも伝えられた。手術の3日後、リットルトンは亡くなっている。

2009年2月、「I'm Sorry I Haven't a Clue」の第51シリーズの進行役としてステファン・フライジャック・ディーと共にリットルトンに代わる3人のうちの1人として発表された[7][8]。また、進行役がジャック・ディーになった第52シリーズの最初の2回にゲストパネリストとして参加している。

さらに、2009年にはアンガス・ディートンに代わり"Would I Lie To You?"の司会を務めている。[9]


Have I Got News for You[10]やBBCラジオ4のパネルゲーム「Just a Minute」にも出演した[11][12]

また、BBCラジオ4の「The Pain of Laughter: The Last Days of Kenneth Williams」でナレーションを務めた。ケネス・ウィリアムズの人生の後半を多くの友人や同時代に生きた人物から探るものであった。また、2008年8月25日のみBBCラジオ2でケン・ブルースの代役を務めた。

コメディクイズ「QI」にも何度か出場し、最初の出場(Aシリーズ第5回)ではアレック・ギネスジェームズ・ディーンマイケル・J・フォックスのものまねを披露している。2008年のクリスマススペシャルでは、リチャード・バートンとトム・ジョーンズのものまねを披露している。

スタンダップ・コメディ 編集

2009年から2010年にかけてブライドンはロブ・ブライドン(というより別名のキャラクター)として初のスタンダップツアーを英国内で行った。この模様はDVD「Rob Brydon: Live」として2009年11月23日にリリースされている[13]。BBCの「Live at the Apollo」の第5シリーズで2度ホストとして出演している。

2010年3月30日にロンドンのO2 Arenaで収録されたGreat Ormond Street Hospitalの支援のためのチャリティコンサート「Channel 4's Comedy Gala」に参加した。

私生活 編集

2006年10月6日にブライドンは、South Bank Showの元プロデューサーのクレイル・ホランドウィンザー教会で結婚式を挙げた[14]。現在2008年に生まれた息子トムと共にリッチモンド・アポン・テムズ・ロンドン特別区ストロベリー・ヒルで暮らしている。また先妻との間に2人の娘(1994年9月生まれのケイティーと1999年8月生まれのエイミー)と1人の息子(1996年10月生まれのトム)がいる。[15][16]

かなりのゴルフ好き、スウォンジー・シティAFCのファンで「1912 Foundation」の"ambassador"でもある[17]

ブライドンはコメディアンのベン・ミラーとよく間違われ(その逆もある)[18]、「QI」の第6シリーズ第9話「The Future」で、そろって登場しキスも交わしている[19]

出演リスト 編集

タイトル
1992年 – 1994年 Rave
1992年 The Healer Sean
1994 サテライト・シティ
Satellite City
本人 ※ラジオショー
1995年 The Treatment
Eleven Men Against Eleven Radio commentator
First Knight Man in crowd
1996年 Lord of Misrule Cornish policeman
Cold Lazarus Karl
1998年 Martha Bus driver
Lock Traffic warden
2000年 Human Remains Peter Moorcross, Gordon Budge, Stephen, Tony, Barne Willers, Les
2000年–2003年 マリオンとジェフ
Marion and Geoff
キース・バレット
2001年 A Small Summer Party キース・バレット
A Knight's Tale First Villager
The Way We Live Now Mr Alf
2002年 24 Hour Party People Ryan Letts
Black Books B.Nugent
Legend of the Lost Tribe Prison guard
I'm Alan Partridge Baptist fan
Cruise of the Gods Andy van Allen
2004年 Shaun of the Dead Football commentator/'Zombies from Hell!' presenter
2004年–2005年 The Keith Barret Show Keith Barret
2005年 ミラーマスク
MirrorMask
父親/総理大臣
Supernova Dr Paul Hamilton
Little Britain Roman de Vere (Series 3)
Flight of the Conchords ナレーター
2006年 トリストラム・シャンディの生涯と意見
A Cock and Bull Story
トウビー・シャンディ/ ロブ・ブライドン
2006年–2007年 ロブの「この年、オレ年」
Rob Brydon's Annually Retentive
本人役
2007年–2010年 Gavin and Stacey ブライン・ウェスト
2009年 Horne & Corden Narrator to olympic sketches
Live at the Apollo Compere/stand-up
Gruffalo TV film (Children's), Snake(voice)
2009年–2010年 Would I Lie To You? Series 3 & Series 4司会
2010年–2012年 The Rob Brydon Show 司会
2010年–2020年 The Trip 本人
2010年 スティーヴとロブのグルメトリップ
The Trip
ロブ・ブライドン ※上記のテレビシリーズ『The Trip』を再編集して劇場版にしたもの
2014年 イタリアは呼んでいる
The Trip to Italy
ロブ・ブライドン
2017年 スペインは呼んでいる
The Trip to Spain
ロブ・ブライドン
2018年 シンクロ・ダンディーズ!
Swimming with Men
エリック
2019年 カセットテープ・ダイアリーズ
Blinded by the Light
マットの父親

ディスコグラフィ 編集

シングル 編集

曲名 チャート順位
UK IE World EU
2009 "Islands in the Stream" 1[20] 48[21] 36[20] 7

出典 編集

  1. ^ BFI | Film & TV Database | Brydon, Rob
  2. ^ “Would Rob Brydon lie to you?”. Daily Post North Wales. (2009年8月8日). オリジナルの2012年7月29日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20120729001708/http://www.dailypost.co.uk/leisure/tv-wales/programme-news/2009/08/08/would-rob-brydon-lie-to-you-55578-24334829/ 2010年7月30日閲覧。 
  3. ^ http://www.screenonline.org.uk/people/id/1184747/
  4. ^ https://www.mobygames.com/game/1411/discworld-noir/credits/windows/
  5. ^ http://www.imdb.com/name/nm0117339/otherworks
  6. ^ http://www.guardian.co.uk/tv-and-radio/2010/nov/02/the-trip-coppers-tv-review,
  7. ^ Digital Spy: Fry, Brydon, Dee to host 'Clue' return
  8. ^ Foster, Patrick (2009年2月26日). “Im Sorry I Havent a Clue panel game to return to Radio 4”. The Times (London). http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/stage/comedy/article5805311.ece 2010年5月22日閲覧。 
  9. ^ Parker, Robin (2009年5月11日). “Brydon to host BBC1 quiz”. Broadcastnow. http://www.broadcastnow.co.uk/news/2009/03/brydon_to_host_bbc1_quiz.html 2009年5月11日閲覧。 
  10. ^ http://www.tv.com/have-i-got-news-for-you/rob-brydon-frankie-boyle-claudia-winkleman/episode/931746/summary.html
  11. ^ http://www.bbc.co.uk/wales/arts/sites/themes/comedy/rob_brydon.shtml
  12. ^ Raphael, Amy (2008年2月24日). “Look who's laughing now”. The Guardian (London). http://www.guardian.co.uk/stage/2008/feb/24/television.dvdreviews 2010年5月22日閲覧。 
  13. ^ Rob Brydon: Live – Play.com
  14. ^ “Rob Brydon's Wedding Day – Gallery – Mail Online”. Daily Mail (London). http://www.dailymail.co.uk/pages/galleries/index.html?in_gallery_id=8803&in_page_id=1055 
  15. ^ Swann, Yvonne (2010年1月22日). “My perfect weekend: Rob Brydon”. Daily Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/celebritynews/my-perfect-weekend/7043548/My-perfect-weekend-Rob-Brydon.html 
  16. ^ Ancestry.com, England & Wales Birth Index: 1916-2005.
  17. ^ http://www.swanseacity.net/page/1912Foundation/0,,10354~1284824,00.html
  18. ^ Robins, Derek (2007年5月17日). “Double trouble for Ben”. The Sun (London). http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/showbiz/tv/article75048.ece 
  19. ^ QI, Episode 6.9, BBC1, 2009年2月20日放送
  20. ^ a b http://acharts.us/song/42283
  21. ^ http://acharts.us/ireland_singles_top_50

外部リンク 編集