上目名駅

かつて北海道寿都郡に営業した函館本線の廃駅

上目名駅(かみめなえき)は、北海道後志支庁磯谷郡蘭越町字上目名に所在した日本国有鉄道(国鉄)函館本線廃駅)である。事務管理コードは▲130101[2]

上目名駅
駅跡(1994年8月)
かみめな
Kami-Mena
熱郛 (7.2 km)
(8.2 km) 目名
所在地 北海道磯谷郡蘭越町字上目名
北緯42度42分45.1秒 東経140度24分37.5秒 / 北緯42.712528度 東経140.410417度 / 42.712528; 140.410417座標: 北緯42度42分45.1秒 東経140度24分37.5秒 / 北緯42.712528度 東経140.410417度 / 42.712528; 140.410417
所属事業者 日本国有鉄道(国鉄)
所属路線 函館本線
キロ程 147.6 km(函館起点)
電報略号 カメ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
開業年月日 1913年大正2年)11月3日[1]
廃止年月日 1984年昭和59年)3月31日[1]
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1976年の上目名駅と周囲約750m範囲。下が長万部方面。島式ホーム1面2線と駅舎前を通る貨物積卸し線、駅舎横の長万部側に上屋の無い小さな貨物ホームを有している。周囲にはほとんど人家が見られない。倶知安側に見える長いスノーシェードと長万部側のトンネルに挟まれ、上下共20パーミルの小さな峠の頂点に位置する。島式ホーム上にあった待合室は撤去されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

歴史

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開業時から、観音山・幌内山といった海抜600 - 800m程度の山に挟まれた立地であったことから周辺人口はほとんどなく、列車交換のための信号場という役割が強かった。

そのため、廃止の2年前まで無人化は実施されず、無人化後も運転扱いのための職員が配置された。また、熱郛駅 - 当駅間に北海道総局青函船舶鉄道管理局との境があったため、昭和40年 - 50年頃には小樽方面から来て当駅で折り返す普通列車が日1・2往復設定されていたほか、札幌からの急行列車の終着駅(倶知安からは普通列車)となっていたこともあった。

函館本線を走る蒸気機関車の撮影において、当駅周辺は山間にあり鉄道でのアクセスが可能なことから格好の撮影地とされ、撮影を主におく鉄道ファンで賑わいを見せることもあった。

年表

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駅名の由来

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目名川の上流に位置するため[5]

駅構造

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廃止時点で、島式ホーム1面2線を有する地上駅で、列車交換可能な交換駅であった[6]。駅舎側(西側)が下り線、反対側(東側)が上り線となっていた(番線表示なし)[6]。そのほか下り線の外側、駅舎との間に側線を1線有していた[6]

最終日まで無人駅扱いの運転取扱い要員のみが配置されていた駅であった。駅舎は構内の西側に位置し、ホーム中央部分とを結ぶ構内踏切で連絡した[6]乗車券類は簡易委託化されており、廃止時まで販売が行われていた。

利用状況

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乗車人員の推移は以下の通り。年間の値のみ判明している年度は日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

乗車人員推移
年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1921年(大正10年) 1,083 (2.9) [7]
1964年(昭和39年) 「約50名」 [8] 同年刊『蘭越町史』の記述。調査年不明のため参考値。
1978年(昭和53年) 3.0 [9]
1981年(昭和56年) 0.5 [6] 1日乗降客数は1人[6]
2015年(平成27年) 「10名以下」 [10]
2017年(平成29年) 51.4 [11]
2018年(平成30年) 45.0 [12]

駅周辺

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開業当時でも鉄道関係者以外の来住がない地域であった[7][13]

隣の駅

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日本国有鉄道(国鉄)
函館本線
熱郛駅 - 上目名駅 - 目名駅

脚注

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  1. ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、810頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、215頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ 『官報』 1913年09月17日 鉄道院告示第79号(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ “「通報」●函館本線上目名駅ほか6駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 2. (1982年2月27日) 
  5. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、28頁。ASIN B000J9RBUY 
  6. ^ a b c d e f 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)29ページより。
  7. ^ a b 札幌鉄道局 編『北海道鉄道各駅要覧』北海道山岳会、1923年。doi:10.11501/978691https://doi.org/10.11501/9786912022年12月18日閲覧 
  8. ^ 蘭越町 編『蘭越町史』蘭越町、1964‐09‐05、573-575頁。doi:10.11501/3027320https://doi.org/10.11501/30273202022年12月18日閲覧 
  9. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、808頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  10. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
  11. ^ 函館線 長万部・小樽間の状況について” (PDF). 函館線(函館・小樽間)について(北海道新幹線並行在来線対策協議会). [第6回ブロック会議(令和元年7月~8月)]. 北海道. p. 4 (2019年7月22日). 2021年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月4日閲覧。
  12. ^ 函館線 長万部・小樽間の状況について” (PDF). 函館線(函館・小樽間)について(北海道新幹線並行在来線対策協議会). [第7回ブロック会議(令和2年8月)]. 北海道. p. 4 (2020年8月26日). 2021年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月4日閲覧。
  13. ^ 蘭越町 編『蘭越町史』蘭越町、1964‐09‐05、152頁。doi:10.11501/3027320https://doi.org/10.11501/30273202022年12月18日閲覧 
  14. ^ 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)6ページより。

関連項目

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