一般社団法人倫理研究所(りんりけんきゅうしょ)は、丸山敏雄が設立した民間団体1945年昭和20年)9月3日創立。2013年平成25年)9月2日一般社団法人となる。事業は多岐にわたるが、家庭、地域、企業活動を通じて日本を創造的に再生することをめざしている。[2]会員組織として家庭倫理の会(一般対象)、倫理法人会(企業対象)、秋津書道会、しきなみ短歌会がある[3]

倫理研究所
RINRI Institute of Ethics[1]
創立者 丸山敏雄[1]
団体種類 一般社団法人
設立 1945年9月3日
所在地 日本の旗 日本 東京都千代田区紀尾井町4-5[1]
法人番号 8010005003510 ウィキデータを編集
起源 新世文化研究所、新世会[1]
主要人物 理事長 丸山敏秋[1]
活動地域 日本の旗 日本
主眼 生活の改善、道義の昂揚、文化の発展を図り、民族の繁栄と人類の平和に資すること[1]
活動内容 倫理の研究、実践、普及活動[1]
従業員数 156人[1]
会員数 16万1,449人(個人)6万8,541社(法人)4,427名(書道会員)6,089名(短歌会員)[1]
標語 「地球倫理の推進」「日本創生」[1]
ウェブサイト https://www.rinri-jpn.or.jp/
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概要

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創始者の丸山敏雄

1945年、丸山敏雄によって設立された。現在の理事長は、丸山敏雄の孫の丸山敏秋。事業目的は「純粋倫理の研究並びに実践普及により、生活の改善、道義の昂揚、文化の発展を図り、もって民族の繁栄と人類の平和に資する」としている[4]。主な事業活動は社会教育事業、研究事業、出版、広報事業、文化事業、地球倫理推進事業[4]。 中国・台湾・アメリカ・ブラジルなどでも活動している[5]

定期刊行物として雑誌『新世』『倫理』や機関紙『倫研新報』を毎月発行。法人会員向けに『職場の教養』を発行している[5]

宗教社会学者塚田穂高は、現在は、「日本創生」と「地球倫理の推進」を掲げ、「心直し」や「家族の大切さ」などを説いている、と述べている[6]

倫理研究所は自らは「宗教団体ではない」と規定している。しかし、倫理研究所のルーツは扶桑教の「ひとのみち教団」(現在のPL教団)にあることは、倫理研究所自身も認めている[7]関西大学講師の上杉聰は、倫理研究所について宗教右派に属するとしている[8][7]

歴史

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出典: cf.; [9], [7]

前史

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扶桑教の「ひとのみち教団」(現在のPL教団)に所属していた丸山敏雄は、天照大神教育勅語の解釈をめぐり当局による弾圧を受け、1937年(昭和12年)4月、教団幹部として刑法不敬罪(終戦後の1947年に不敬罪は廃止)により逮捕されるが、特定の神をたてることが排他・独善性につながるとして、裁判の過程で、宗教や教団のあり方に対して距離を置くようになっていった、としている[7]

草創期

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1945年(昭和20年)9月3日、敗戦後、丸山敏雄が、論文「夫婦道」を執筆[7]。翌1946年、『新世文化研究所』設立。1947年、機関誌『文化と家庭』(のち『新世』と改題)発刊。1948年、「万人幸福の栞」17則を定め、1949年に解説付きで発行。1951年に「倫理研究所」と改称[10][7]。その他、丸山敏雄が主張した「純粋倫理」という思想について、雑誌の街頭頒布や講座・講演会などを行っている[7]

沿革

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出典: [5], [9]
  • 1945年(昭和20年) 9月 - 倫理運動を創始
  • 1946年(昭和21年)12月 - 新世文化研究所設立
  • 1947年(昭和22年) 9月 - 新世会設立
  • 1948年(昭和23年)10月 - 社団法人化
  • 1951年(昭和26年)10月 - 新世会を倫理研究所へ改称
  • 1966年(昭和41年) 3月 - 富士高原研修所開設
  • 1980年(昭和55年) - 倫理法人会発足
  • 2005年(平成17年) - 家庭倫理の会発足
  • 2013年(平成25年) 9月 - 一般社団法人化

活動

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  • 地球倫理とは、丸山竹秋(まるやまたけあき、倫理研究所会長)が提唱した理念であり、 「地球倫理の推進」は、グローバルな視野に立って、地球をより美しく、快適に、調和のあるものにしていこうという活動。その一環として地球倫理推進賞を1998年に創設。青少年の健全育成、伝統芸能の継承、医療などの人道支援、環境保全や途上国での地域開発などの活動を5年以上続けてきた団体または個人を毎年公募し、顕彰している。[11][12][2]
  • 第2回地球倫理推進賞を受賞した日本沙漠緑化実践協会との出会いを契機に、1999年より中国内蒙古自治区恩格貝クブチ沙漠で植林活動を毎年実施している。2015年までに緑化隊を57回派遣し32万5,161本を植林した。[2][13] また、2015年より同自治区ウランブハ沙漠でも植林を開始した。[13] 2008年から毎年、メーデーの連休に、日中両国の大学生が参加した植林交流活動を実施している。[13]
  • 1985年に中華人民共和国社会科学院と友好交流関係を結び、中華人民共和国の大学と学術交流を行っている。[13]
  • 全国の小学生を対象とした「しきなみ子供短歌コンクール」を、2006年より実施している(後援:文部科学省、全国民間放送ラジオ局37社)。短歌作りを通じて国語力を培い、豊かな人間性を育成し、日本の伝統文化の継承に貢献していくというのが趣旨。[2]
  • 過去に実施された保守系政治団体日本会議のイベントの受付において、倫理研究所を含む各種宗教団体別の受付窓口が設けられ、参加者を組織動員したこともあることが指摘されている[14]
  • 早川タダノリによれば、倫理研究所の在米組織が、ニューヨーク市などで活発に運動を展開し、「平和の碑(従軍慰安婦像)」の建設に反対するなどの「歴史戦」を積極的に担い、現地での動員源となっている[15]
  • 一般社団法人公益資本主義推進協議会のシンポジウムにたびたび協賛しており、同法人と交流が特に深い。詳しくは公益資本主義推進協議会参照。
  • 地域の政財界人、実業家、企業経営者などを対象に、「経営者モーニングセミナー」という早朝の勉強会を開催している。「活力朝礼」と呼ばれる、大声を張り上げての朝礼や、「万人幸福の栞」の朗読、会員の講演などが行われている。

関連組織

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家庭倫理の会

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  • 家庭倫理の会は、倫理運動の趣旨に賛同する個人会員による組織であり、会員数は16万1,449人としている[1][9]
  • 2005年(平成17年)に家庭倫理の会発足。「朝の集い」を「おはよう倫理塾」に改称した[5][9]

倫理法人会

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  • 倫理法人会は、倫理運動の趣旨に賛同する法人会員による組織であり、会員企業数は全国で7万4,606社としている。(R5年7月現在)
  • 1980年(昭和55年)、千葉県倫理法人会が設立されたのを皮切りに、全国各地に波及。現在、47の都道府県倫理法人会に加え、681ヵ所に市・区単位の倫理法人会がある[1][9]

主な会員

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関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l 一般社団法人倫理研究所 平成28年度年次報告 (PDF)
  2. ^ a b c d 産経新聞「走り出す日本力」グローバルな視点で地球をより美しく、2015年9月3日 17面。
  3. ^ 倫理研究所 - 事業のご案内 - 社会教育事業
  4. ^ a b 倫理研究所 - 事業概要
  5. ^ a b c d 一般社団法人倫理研究所 平成26年度年次報告 (PDF)
  6. ^ 塚田穂高、宗教と政治の転轍点、花伝社、2015年。
  7. ^ a b c d e f g 丸山敏秋 編著、倫理研究所 監修: "丸山敏雄伝 ―幸せになる法則を発見した人―", 近代出版社.
  8. ^ 上杉聰、「日本会議とは何かー『憲法改正』に突き進むカルト集団」、合同出版、2016年、16頁。
  9. ^ a b c d e 一般社団法人倫理研究所・株式会社新世書房: "実践手帳" 平成27年版, pp.14-15 (2014).
  10. ^ 豊前市史編纂委員会 編、米津三郎 監修、「豊前市史 下巻」、豊前市、1991年、1518ページ.
  11. ^ 助成金・公募情報」神戸市民活動応援ネット 2014年7月3日閲覧
  12. ^ 第17回地球倫理推進賞公募」さがみはら市民活動サポートセンター 2014年7月3日閲覧
  13. ^ a b c d 日本の倫理研究所、内蒙古で新たな植林基地づくり」china.com 2015年3月30日
  14. ^ 上杉聡。「日本における『宗教右翼』の台頭と『つくる会』『日本会議』」戦争責任、39、2003年 53ページ。
  15. ^ 「日本会議」本を斬る!――「日本会議」は氷山の一角。右派系大衆運動は私たちの生活に迫っている、図書新聞、2017年10月28日。
  16. ^ 練馬区倫理法人会名物 すごい会長挨拶!鴨頭嘉人会長...” (日本語). 練馬区倫理法人会 (2013年10月17日). 2020年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月29日閲覧。

参考文献

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  • 致知出版社 『一粒の麦』
  • 新世書房 『丸山敏雄 人と思想』
  • 一般社団法人倫理研究所 『平成25年度年次報告』
  • 一般社団法人倫理研究所 『平成26年度年次報告』
  • 一般社団法人倫理研究所 『平成28年度年次報告』
  • 一般社団法人倫理研究所 『倫理運動50年史 いのち共歓の世紀へ』
  • 豊前市史編纂委員会 編、米津三郎 監修、豊前市 『豊前市史 下巻』(1991年)

外部リンク

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