北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車

北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車(きたきんきたんごてつどうKTR8000がたきどうしゃ)は、北近畿タンゴ鉄道が導入した特急形気動車である。上下分離に伴い2015年(平成27年)4月1日からはWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)が運用している。

北近畿タンゴ鉄道KTR8000形気動車
KTR 8000 series 8016.jpg
KTR8000形(2011年12月)
基本情報
運用者 北近畿タンゴ鉄道
WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)
製造所 富士重工業
製造数 10両
運用開始 1996年
主要諸元
編成 2両編成
軌間 1,067 mm
最高速度 120 km/h
編成定員 100名
全長 21,600 mm
全幅 2,915 mm
全高 4,000 mm
台車 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付
FU51D
動力伝達方式 液体式
機関 330ps(SA6D125系)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ
(増圧機構付き)
保安装置 ATS-P3
ATS-SW
テンプレートを表示

概要編集

タンゴディスカバリー」の愛称があり、2011年3月までは同名の特急列車に充当されていた。その後の特急列車再編により、2022年現在は「まいづる」および「はしだて」として運用されている。また、2017年までに全車がリニューアルされ、「丹後の海」という愛称が加えられている。

KTR001形に続く北近畿タンゴ鉄道オリジナルの特急形気動車第2弾であるが、電車と併結するための装備を有し前面が貫通構造であるなど、仕様は大きく異なっている。

構造編集

エーデル丹後」の後継車として西日本旅客鉄道(JR西日本)の183系電車との併結装備を持つ8000番台(2編成。8001 - 8004。併結時は被牽引でブレーキのみ協調)、および併結装備を持たない8010番台(3編成。8011 - 8016)に区分される。8010番台も含めて電車と併結するために密着連結器を用いているため、その他の北近畿タンゴ鉄道所有の車両との連結は不可能である。

奇数番号車 (Mc1) と偶数番号車 (Mc2) の2両でユニットを組み、Mc1には運転室直後に側面に大窓を持つフリースペースの展望室、Mc2には後位にトイレと洗面所を持つ。座席はリクライニングシートで、定員はMc1が51人、Mc2が49人、1ユニットあたりの定員は100人で、シートピッチは1,050mmと広く取られている。複数ユニットを併結するため前頭部は貫通構造となっているが、は通常両開き式のプラグドアによって隠されており連結時のみ引き出して使用する。なお転落防止幌は設置されていない。

駆動用ディーゼルエンジンは、KTR001形と同じく小松製作所製SA6D125系エンジン(DMF11HZ系、330PS/2,000rpm)を各車に2基ずつ搭載している。台車はキハ185系のDT55形台車を踏襲するヨーダンパ付のボルスタレス台車「FU51D形」を履き、車体中央寄りの各1軸を駆動し両抱き式の踏面ブレーキを採用する。最高速度は120km/h

ブレーキは電気指令式になっているが、前述の8000番台(2編成。8001 - 8004)では電磁直通ブレーキを装備する183系電車との併結を行うためブレーキ指令の読替装置が搭載されている。この装置は併結運転を終了して以後は使用されていない。

リニューアル改造編集

 
リニューアル後の姿(2016年10月)

インダストリアルデザイナー水戸岡鋭治によるデザインで、海の京都をイメージした「丹後の海」として2015年から内外装のリニューアル改造が行われた[1]。内装は先行したあかまつ・あおまつ・くろまつと共通した木材を中心とした和風のデザインとなり、客室天井と壁はシラカバ、床はナラ、座席はカエデが使用されている。外装は藍色メタリックとなり、各所にロゴマークが配置されている[1]

1編成あたりの総工費は約8,000万円。最初にKTR8011-KTR8012がリニューアルされ、2015年11月13日に運行を開始した。特急「はしだて」「まいづる」などJR西日本線内への乗り入れについては当初調整中となっていたが、同年11月21日に運用が開始された。続いてKTR8001-KTR8002がリニューアルされ、同年12月26日に運行を開始した。なお2編成目は水戸岡の設計・デザインに、京都表具協同組合の全面協力を得て、自由席側に金箔の装飾品を設置するなど1編成目とは異なる工夫が施された。

その後、順次リニューアル改造が進み、最後に残ったKTR8015-8016が2017年5月6日をもって旧塗装での運行を終了し[2]、全車の改造が完了している。

運用編集

 
臨時列車「タンゴ悠遊号」
(栗田駅)

2021年3月13日のダイヤ改正以降は、特急「はしだて」2・5・8・9号および「まいづる」5・6・14・15号、「たんごリレー」で運用されている。また、快速「大江山」1号と同「通勤ライナー」のほか、線内運行の一部の普通・快速列車でも使用されている。

1996年の登場時は福知山線系統の特急「タンゴディスカバリー」として新大阪駅 - 久美浜駅間で運行されていた。新大阪駅 - 福知山駅間は特急「北近畿」の最後尾にニュートラル状態で連結・牽引され、北近畿タンゴ鉄道線内は自走するというパターンだった。また、急行列車「タンゴレインボー」も運行を開始し、本形式の非併結仕様車が充当されたが1999年10月2日のダイヤ改正をもって廃止された。

1999年(平成11年)10月2日の舞鶴線電化開業に伴うダイヤ改正で、京都発着の「タンゴエクスプローラー」と運転系統・使用車両(列車愛称)が入れ替えられ、KTR001形が福知山線経由となった特急「タンゴエクスプローラー」として新大阪駅 - 久美浜駅間を単独で走るようになり、「タンゴディスカバリー」は京都発着・山陰本線経由の列車になり、本形式の前面貫通構造を活かして東舞鶴駅発着系統との分割併合運用を行うようになった。

2005年(平成17年)のJR福知山線脱線事故により対策として設置されたATS-Pを、当時「タンゴエクスプローラー」で運用されていたKTR001形気動車は非搭載だったため、暫定的にATS-P・ATS-SW両方を搭載した本形式を使用して運行することになり、特急「タンゴエクスプローラー」(車輌側面に列車名をマグネットシール貼付にて表示)として再度福知山線経由の列車になったが、2007年(平成19年)3月18日ダイヤ改正で所定の運用に戻っている。またこの改正でデッキに設置されていた灰皿が撤去され全面禁煙となった。

2011年3月13日のダイヤ改正で、列車名としての「タンゴディスカバリー」の愛称は廃止され、同ダイヤ改正以降は車両はそのままに「まいづる」「はしだて」で運用されている[3]。同時に、2011年3月から北近畿タンゴ鉄道線内運転の連絡特急「たんごリレー」にも使用されている[4]

なお2012年10月20日にジオパークディスカバリー運行実行委員会により企画された特別列車「ジオパークディスカバリー」として、鳥取駅まで運行されたこともある。

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 京都丹後鉄道「丹後の海」公開、KTR8000形が"水戸岡デザイン"に!”. マイナビニュース. マイナビ (2015年11月12日). 2015年11月14日閲覧。
  2. ^ 5月6日(土)で運行終了 タンゴディスカバリーの運行終了記念として「ありがとうタンゴディスカバリーイベント」を実施します”. WILLER (2017年4月28日). 2017年6月4日閲覧。
  3. ^ 平成23年春のダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年12月17日
  4. ^ KTR線内特急列車の愛称名決定」 - 北近畿タンゴ鉄道公式サイト 2010年12月20日

外部リンク編集