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北近畿タンゴ鉄道KTR001形気動車

北近畿タンゴ鉄道KTR001形気動車(きたきんきタンゴてつどうKTR001がたきどうしゃ)は、1990年平成2年)に北近畿タンゴ鉄道が導入し、2015年(平成27年)4月からはWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)が運用する特急形気動車(ディーゼル動車)である。製造は富士重工業

北近畿タンゴ鉄道KTR001形気動車
KTR001 Tango Explorer.jpg
タンゴエクスプローラーで運用されているKTR001形気動車
基本情報
運用者 北近畿タンゴ鉄道所有
WILLER TRAINS(運用)
製造所 富士重工業
主要諸元
最高速度 120 km/h
編成定員 152名
自重 41.6t (KTR001, 003)
42.6t (KTR002)
全長 21,300 mm
全幅 2,900 mm
全高 4,090 mm
車体 普通鋼
台車 円錐積層ゴム式ボルスタレス台車
FU40D
機関出力 330ps(SA6D125H) × 2 (一両あたり)
駆動方式 液体式
制動装置 電気式自動空気ブレーキ
抑速ブレーキ付き)
保安装置 ATS-P3, SW
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概要編集

特定地方交通線に指定された宮津線を、第三セクターの北近畿タンゴ鉄道が引き受けて開業する際に、同社の看板車両たるべく意匠を凝らして新造された、第三セクター鉄道では初の本格的リゾート特急用気動車である。「タンゴエクスプローラー」の車両愛称を持ち、2011年(平成23年)3月までは同名の特急列車に充当された。

KTR001 - KTR002 - KTR003編成(1990年製造・本項では便宜上第1編成と記述する)とKTR011 - KTR012 - KTR013編成(1992年(平成4年)製造・同じく第2編成と記述)の3両編成2本が存在する。各車の定員は、車両番号末尾1と末尾3の両先頭車が52名、末尾2の中間車が48名で、編成定員は152名となっている。両編成とも普通車のみの編成でグリーン車は設定されていない。二つの編成には製造時期に2年の差があることから、仕様が若干異なる。外観は先頭部の傾斜が異なり、第1編成の外板塗色がゴールドであるのに対し、第2編成はやや白っぽいシャンパンゴールドとなった。内装では車内の座席モケットの模様などが異なり、中間車の設備も変更されている。

当初は両編成ともそれぞれ単独で運用され、相互の併結は考慮されていなかった。

1999年(平成11年)には、新大阪駅発着列車への転用に際して、併結への対応改造が施工された。以後は多客期に両編成を連結した6両での運用も見られた。外観上で目立つのは、先頭部に設置された総括制御回路引き通し用のジャンパ栓(車両南側)である。なお、6両編成で運用する際は号車表示器の関係から第2編成が必ず豊岡・新大阪方に連結されていた。

車体は乗降扉にプラグドアを採用している。また、車窓からの展望を良くするため、客室部分がかさ上げされたハイデッカー構造を採用しており、側面窓は屋根肩部分にまでかかった連続する曲面窓と天窓となっている。そのため、客室天井部に荷棚が設置できず、乗客の荷物は車両端部の荷物スペースに置くようになっている。客室窓に採用されている高反射率ガラスは、車外から車内の見通しを遮り、乗客のプライバシーを確保している。

編成の先頭部は、大きな曲面ガラスを用いて傾斜をつけた流線型となっており、ハイデッカーの車体とともに本形式の特徴的な形態を形づくっている。両先頭車が指定席車、中間車が自由席車として運用され、京都駅発着列車に使用されていた時期は、運用の関係で日毎に編成の向きが変わることから、両先頭車の形態は同一である。行先表示機はLED式で、合わせて号車表示等の情報も表示される。終着駅での折り返し車内清掃中にはこの表示器に「車内整備中」と表示される。

(山陰本線線福知山-綾部間、1998年8月31日)

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車両システムは、北海道旅客鉄道(JR北海道)のキハ183系550番台をベースとし、走行用ディーゼルエンジン小松製作所SA6D125H (330PS) を各車に2基ずつ搭載し、最高速度は120km/hである。

警笛としてAW-5型空気笛が搭載されている。当初は、「虹の彼方に」が流れるミュージックホーンも備えており、大阪駅尼崎駅などで頻繁に流されていたが、運用末期では使用頻度が大幅に低下していた。

車内チャイムは「アルプスの牧場」である。かつては「虹の彼方に」も使われていた。

運用の変遷編集

1990年4月1日の宮津線の第三セクター転換と同時に、京都駅発着の舞鶴線・北近畿タンゴ鉄道直通特急として「タンゴエクスプローラー」が新設され、同列車2往復で運用を開始した。運用線区の配線の関係で当時は日ごとに編成の向きが変わっていた。

1992年に第2編成が増備されるまでは予備車がなかった。第1編成が後藤車両所(現・後藤総合車両所)に検査入場した際には、直通先の西日本旅客鉄道(JR西日本)が所有するキハ181系を3両編成に組成したうえで代走させていた。

1999年(平成11年)10月2日のダイヤ改正で「タンゴディスカバリー」と「タンゴエクスプローラー」の運転区間と使用車両を入れ替えることとなった。それ以降は新大阪駅発着の特急「タンゴエクスプローラー」として、新大阪駅 - 久美浜駅宮津駅間の2往復で運用されるようになった。

2005年(平成17年)4月に発生したJR福知山線脱線事故の対策として、JR西日本ではATS-Pが導入された。これに伴い、2編成ともに運転保安装置はATS-SWのみしか装備していなかったため一時的に福知山線内では運行不可能になったため、同年6月19日のダイヤ改正からは宮津線内の特急「タンゴディスカバリー」(天橋立駅 - 久美浜駅豊岡駅城崎温泉駅)として運行されるようになった。このため福知山線経由の特急「タンゴエクスプローラー」は一時的に、ATS-P・SWの両方を装備するKTR8000形4両編成に変更された。

2007年(平成19年)3月18日のダイヤ改正からは、本形式もATS-Pに対応できるようになったことで、福知山線経由の特急「タンゴエクスプローラー」での運用に復帰した。

2011年(平成23年)3月12日のダイヤ改正で北近畿地区の特急列車運行形態の再編が行われ、特急「タンゴエクスプローラー」は廃止された。同時に特急「こうのとり」など、北近畿ビッグXネットワークの一部列車に287系電車が投入された。

JR直通廃止後は、北近畿タンゴ鉄道線内運転の連絡特急「たんごリレー」や、北近畿タンゴ鉄道内の普通列車に本形式を充当していたが、登場から20年以上が経過し老朽化が目立つことから、北近畿タンゴ鉄道は本形式の定期運用を取りやめることを発表し、2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正で全ての定期運用を終了した。

現在は、宮津線・宮福線内の団体列車臨時列車、特急「たんごリレー」の代走車としてのみの運行となっている。

現況編集

2013年3月のダイヤ改正以後は定期運用がなく、特急「たんごリレー」の予備車(KTR8000形の検査や故障離脱による車両不足を補う)となっている。花火大会など、沿線でのイベント時には多客対応のための臨時列車にも充当される。また、団体列車にも使用されており、2014年(平成26年)2月には「舞鶴市民号」として西舞鶴駅 - 木津温泉駅間を運行した。、

2015年(平成27年)3月には「第10回全国どぶろく研究大会::in北近畿」開催に伴い豊岡→天橋立間の団体臨時列車に充当された。

2016年(平成28年)8月には団体列車ではあるが、久しぶりに特急「タンゴエクスプローラー」として宮津線を走行している。

過去には日中の普通列車に充当されたこともあったが、近年では見られない。

なお、第1編成はエンジンやブレーキ関係の部品が取り外されているため自走ができない状態となっており、KTR001形及びKTR8000形共通の部品取り車となっている。

当初2種類装備されていたオルゴールについても、「虹の彼方に」の車内オルゴールは撤去されており、現在は「アルプスの牧場」のみ使用される。

全編成があまり整備をされずに車庫内留置されているため、車両の状態は良くない。臨時で運用に就く時も大した整備をされずに運用については、また留置などで状態の悪化は進む一方である。

脚注編集

外部リンク編集